犬の手作りご飯に便利なちょい足しトッピング!栄養バランスUP

犬の手作りご飯派の方は、つい同じようなレパートリーに陥りがちです。

そのような時には、最後に振りかけるだけで味の違いと栄養素を加えるちょい足しトッピングが便利で是非おすすめです。

手作りご飯で一番心配なのが、栄養の偏りです。

最後にサックと加えるだけで、栄養補給がはかれれば最高ですね。

今回はとっても便利な、ちょい足しトッピングの食材を紹介します。

愛犬の体調に合わせて、サプリメント的に活用してみましょう。

出来上がった手作りご飯に最後にサッと振りかけて、混ぜてあげるだけでOKです。

もちろんドライフードに利用しても問題ありません。

作り置きして小瓶などに入れておき、パパッとかけられるように常備しておけば万全です。

五大栄養素の役割

ワンちゃんの手作りご飯を作っていて、みなさんが一番不安に感じるのが栄養の偏りです。

そして悩んでしまうのが食材選びとなります。

この問題を解決するためには、栄養素とその役割を知っておくことが大切であり、五大栄養素の役割を知っておくことで、食材が選びがしやすくなります。

五大栄養素とは、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルのことです。

この五つの栄養素が、生物が生きて活動していくために必要な基本栄養素となります。

ただし、人間と犬を比較した場合、必要とする栄養素の割合や種類が少し異なりなす。

人間の栄養学に基づけば、タンパク質、脂質、炭水化物を三大栄養素と呼び、この3つが最も重要とされ、五大栄養素よりさらに大切と位置づけられています。

ところが犬にとっては、炭水化物は消化しづらい栄養素であり、そのため多く摂取する必要はないと考えられます。

また、体内で作られる必須アミノ酸なども、人間の9種類に対して、ワンちゃんは10種類と違いがあることも分かっています。

このように、五大栄養素を考えてみても、当然犬と人間では、必要な量のバランスが違ってくることを知っておかなければなりません。

うっかり人間の栄養感覚で手作りご飯を作ってしまうとバランスが崩れてしまう可能性もあるわけです。

「タンパク質」

タンパク質は体を作る元であり、犬の体の約20%がタンパク質でできています。

体のパーツである骨、血、筋肉、皮膚、被毛などを作る大切な成分となります。

タンパク質には、動物性タンパク質(肉・魚・卵・乳製品)と植物性タンパク質(

豆腐・穀類)の2種類があります。

タンパク質は免疫維持のために最も大切な成分です。

体内で作れない必須アミノ酸もタンパク質から摂取します。

特に若い犬には必須成分であり、皮膚を守り、下痢もしにくくなります。

また、寄生虫などの感染も防止してくれます。

おすすめ食材は、肉、魚、チーズ、ヨーグルトなどです。

「脂質」

脂質の働きはエネルギーとなることです。

炭水化物やタンパク質の2倍のパワーがあります。

体細胞、神経、筋肉や体の組織を生成し、炎症を軽減させる作用があります。

また、ビタミンA・D・E・Kなどの脂溶性ビタミンの吸収を補助する働きがあります。

脂質が不足すると元気がなくなり、皮膚が荒れやすくなくなります。

さらに免疫力が低下するため、心臓病や糖尿病などのリスクが上昇します。

犬が必要とする脂質は、リノール酸、α-リノレン酸、EPA、DHAなどです。

おすすめ食材は、青魚、麻の実オイル、亜麻仁油、ごま油、菜種油、サーモンオイル、くるみなど。

「炭水化物」

炭水化物は、脳や筋肉に取り入れられてエネルギー源となります。

人間の場合は、炭水化物から1日に必要とされるエネルギーの60%を摂取します。

しかしワンちゃんの場合は、炭水化物の消化が苦手であり、摂取しすぎてしまうと体調を崩す元となり、膵臓に負担がかかってしまう恐れがあります。

消化しやすいように加工してあげる工夫が必要となります。

子犬や老犬には本当に少量で十分です。

成犬で運動量が多いワンちゃんの場合、必要に応じて与えてあげましょう。

おすすめ食材は、白米、玄米、はとむぎ、イモ類、うどん、そば、果物などです。

「ビタミン」

犬には14種類のビタミンが必要と言われています。

ビタミンは体の機能を維持し、水分に溶ける水溶性ビタミンと脂質に溶ける脂溶性ビタミンがあります。

水溶性ビタミンの場合、過剰摂取してもオシッコと一緒に排出されてしまうので心配いりませんが、脂溶性ビタミンは要注意です。

腸からの排出となるため、下痢や嘔吐を招いてしまいます。

おすすめ食材は、野菜をはじめとして、いろんな食材をバランスよく摂取することです。

「ミネラル」

ミネラルは、生命維持にとって不可欠な栄養素ですが、体内で作れないため、きちんと食べ物から摂取することが大切です。

代謝機能や骨などの形成に必要な無機化合物であり、細胞を正常に機能させる役割をはたします。

このため、生命維持に不可欠な成分とされています。

特にバランスよく摂取することが肝心となり、過剰摂取も病気の原因となるため注意が必要です。

おすすめ食材は、小魚、海藻、チ-ズ、緑黄野菜などです。

便利なちょい足しトッピング食材

「あずき粉」(亜鉛で有害物質を放出)

作り方&使用法

・単純にそのまま振りかける。

・ヨーグトにトッピングする。

・寒天にする。

なお、カリウム制限の必要があるワンちゃんの場合、控えましょう。

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・腎臓の数値が悪い

・むくみがある

・ウンチが固い

・便秘気味

・高齢犬

「乾燥ショウガ粉」(免疫力)UP

効能

・少量で体の芯を温めます

・血行を促進

・免疫力UP

・血糖値の制限効果

1日耳かき2~3杯までとしましょう。

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・寒い冷える季節

・心臓病の予防

・糖尿病のある場合

・ガンケア

「リンゴ酢」(継続的に摂取)

効能

・骨粗しょう症

・糖尿病の予防

1日に小型犬は、ティースプーン1杯、大型犬は、小さじ1~2杯。

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・下痢・嘔吐が激しい

・肥満気味

・口臭が気になる

・糖尿病である

・散歩でよく草を食べる

「はとむぎ粉」(イボ取り効果)

効能

・皮膚の浄化

・新陳代謝の促進

・腫瘍抑制効果

湿度が多い時期にオススメ

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・梅雨の湿度が高い時期

・イボがよくできる

・むくみが多い

・がん予防&がんケア

・皮膚の炎症

「ターメリック」(抗酸化作用が高い)

効用

・肝臓疾患

・抗血液凝固剤使用時

・小型犬は、1日耳かき1杯まで

なお、胆石疾患、妊娠中は要注意で与えない。

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・デトックスの季節

・鉄分不足

・関節痛

・がん予防&がんケア

「カツオ節」(イノシシ酸が豊富)

効能

・細胞の活性化

・新陳代謝を促進

・シュウ酸を結合して排出

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・シュウ酸の多い野菜を食べる時

・食欲不振

・カルシウム不足

・高齢犬

「桜エビ」(カルシム補助)

効能

・老化防止

・キトサンで整腸作用

・免疫力UP

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・カルシウム不足

・免疫力が低下

・足腰が弱った老犬

・股関節変形性症など骨の病気

「青海苔」(豊富なビタミンとミネラル)

豊富な栄養素が含まれる食材のため、日々振りかけてあげて健康維持に活用しよう。

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・下痢や便秘が多い

・運動量が多い活動犬

・高齢犬の骨の強化

「とろろ昆布」(ミネラルと食物繊維期待)

昆布を酢に漬けて柔らくして削ったもの。

「効能」

・高血圧や貧血予防

・血糖値の上昇予防

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・免疫力が低下

・ストレスが多い

・便秘気味

・貧血

・肥満

「黒ごま・白ごま」(不飽和脂肪酸に効果)

効能

・動脈硬化

・がん予防

・肝機能サポート

すりごまにしてひとつまみトッピング

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・肝臓の数値が悪い

・心臓ケア

・がん予防&がんケア

・高齢犬

「亜麻仁油」(豊富なα-リノレン酸)

効能

・血管強化に効果

週に2~3回程度、小型犬は1日ティースプーン1杯。

なお、熱に弱いので、冷めたものに使用してください。

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・アレルギー

・歯周病ケア

・認知症予防

・心臓と肝臓のケア

「ヨ-グルト」(整腸作用に効果)

効能

・腸が整い免疫維持

ブドウ糖が多い低脂肪や無脂肪が避けて、ブレーンタイプを使用しましょう。

小型犬は、1日大さじ1杯。

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・胃腸が弱い

・アレルギー体質

・コレステロール値が高い

・胃液や胆汁を朝に吐く(寝る前に与える)

「納豆」(血栓を溶かす)

効用

・消化吸収をUP

栄養価が高いひきわり納豆がオススメ。

週に3~4回、小型犬は1日小さじ1杯。

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・肥満対策

・心臓と血液のケア

・糖尿病ケア

・がん予防

・認知症予防

「味噌」(塩分補給)

塩分の取り過ぎは厳禁ですが、生きていくためにはナトリウムは必須です。

味噌から自然に塩分摂取するのはおすすめです。

健康なワンちゃんの場合、月に1回、小型犬は耳かき1杯位。

愛犬のこんな症状や場面でオススメ
・100%手作りフードの場合の、ドライフードを与えている場合は不要)

・下痢が続いている

・動脈硬化予防

紹介した食材を、時には仕上げとしてちょい足しトッピングをしてあげましょう。

最後に振りかけたり、混ぜてあげるだけで、簡単に栄養バランスのUPが図れてしまいます。

参考文献:「犬ごはんの教科書」俵森 朋子 (著)

riasu