愛犬が元気で長生きするのに一番大切なのが毎日のご飯です。
したがって、愛犬のてんかんを予防するのも日々の食生活が重要であると共に、てんかん治療にも薬だけに頼らずに「てんかんの食事療法」を活用することがおすすめです。
今回は、てんかん予防を兼ねた犬の脳に良い食材と、愛犬のてんかんにオススメの食事療法について紹介します。
・抗酸化物質
・マグネシウム
・ハーブ
・ビタミンB6
・糖質
・脂質
・ミトコンドリア補因子
抗てんかん薬を服用しているワンちゃんには、塩は要注意です。
塩の摂取量が増えることで、てんかん発作が起こりやすくなるとされています。
このため、ドッグフードの原材料に、わざわざ塩が含まれているようなフードは避けましょう。
本来犬の塩分摂取量は、人間の3割以下が目安と言われるように、非常に注意が必要です。
てんかん発作への注意はもちろんのこと、塩は腎臓に負担をかける原料であり、過剰摂取してしまうと問題が生じ、高血圧や心臓病のリスクが高くなります。
したがって、理想は原材料に含まれているナトリウムから、自然に栄養基準を満たす量を摂取するのが望ましいと言えます。
前項で紹介した、てんかんに効果がある成分を含む食材が有効となります。
まぐろ、かつお、あじ、さば、いわし、ぶりなど、背中が青みがかった青魚には、オメガ3脂肪酸と呼ばれるDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)が含まれ、犬の脳や神経の働きを向上させる働きがあります。
DHAを1グラムとるのに必要な魚の分量は以下の通りです。
・真いわし:約77g
・まだい:164g
・くろまぐろ 赤身:833g
・くろまぐろ とろ:31g
・かつお:103g
DHA・EPAは、本来脳神経に豊富に含まれている成分ですが、体内で作れない成分のため、しっかり補給しないと犬にとって不足しがちな成分となりやすいので注意しましょう。
このため、てんかん予防を意識するならば、これらの成分が1%以上含まれるドッグフードを選ぶように心がけましょう。
犬のてんかんの予防改善にはさつまいもやかぼちゃがおすすめです。
理由は、、脳に必要な栄養素である糖質(糖分)とビタミンB6を豊富に含むからです。
脳がエネルギーとして消費できる栄養素は、糖質だけとされています。
このため、一定量の糖質摂取が大事となります。
しかし本来は、ドッグフードに糖質は必要ありません。
安価な市販フードには、犬の食いつきを良くする目的でよく含まれていますが、糖尿病や肥満など招き健康を害するだけです。
このため、特にてんかん治療中のワンちゃんであっても、糖質や炭水化物の与え過ぎは厳禁なのです。
定期的に犬に糖質を与えるのにオススメなのが、さつまいもやかぼちゃのような自然食材により摂取することになります。
キャベツ・ブロッコリーなど緑黄色野菜は、ビタミンや酵素に加え、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの栄養素が豊富です。
特にマグネシウムは、てんかん発作に有効とされています。
てんかんは脳神経の異常から起こるため、ビタミンB6が改善効果が期待できるとされています。
ビタミンB6は、腸内の微生物によって合成されるため、腸内環境が悪い状態だと合成量が減少します。
そのため、腸内環境を整えるヨーグルトの乳酸菌は有効といえます。
ハーブには、脳の興奮を静める作用が働くため、食事療法の食材として有効とされています。
ただしハーブの中でも、ローズマリーはてんかんを誘発すると言われています。
このため、自然療法食としてハーブ入りのドッグフードにより食事療法する場合でも注意が必要となります。
最近、ハーブ入りの自然療法食のドッグフードとして、てんかんに効き目があると口コミで評価されているのが、「BigWood」です。
BigWoodには、ドライ、ウェットフードを始めとして、スープ、シチュー、おやつ、寒天ゼリー、サプリメントなど豊富な種類が揃っています。
また一番のウリが、ワンちゃんの病気の状態により、オーダーメイドで注文することができることです。
てんかんの発作にハーブが有効であることが広まり、最近ではペットショップなどでもハーブを販売しています。
動物用のハーブとして人気がある有名品が「ヒルトンハーブ トランキリティ」であり、そのまま使える粉末状や液状のものが人気となっています。
価格:7,040円 |
犬用のハーブサプリとして人気なのが、「アニマルズアパスキャリー」です。
免疫力を保つ、胃腸や肝臓の健康をサポート、気持ちを落ち着けるなどいろんな効果が働く種類が豊富に揃っています。
犬のてんかんの原因の一つとされるのが、「酸化ストレス障害」です。
酸化の影響によって、脳神経がダメージを受けてしまい、その結果として「てんかん発作」に繋がるとされています。
このため、その酸化を防ぐことが有用な対策となる可能性が高いと考えられています。
したがって「抗酸化物質」を含む食事を行うことが有効となります。
抗酸化物質とは、ビタミンC・ビタミンE・セレニウム・一部のポリフェノールなどであり、これらの物質を食事にとり入れて食事療法する事がおすすめです。
神経伝達に関わる成分である「ビタミンB6」を大量に補給することは、犬のてんかん発作を抑える効き目があります。
ビタミンB6を多く含む食材は以下の通りです。
・みなみまぐろ(赤身、生):1.08mg
・かつお:0.76mg
・若鶏肉:0.68mg
・しろ鮭:0.64mg
・かたくちいわし: 0.58mg
・むろあじ: 0.57mg
・そうだがつお:0.54mg
・バナナ: 0.38mg
鶏肉や魚などの動物性タンパク質は、ワンちゃんの大好物なので、適度にご飯に混ぜて与えて、犬のてんかんの食事療法として活用しましょう。
脂肪は、過剰摂取すると体内に蓄積されやすく、肥満や心臓病の原因となります。
このため、摂取バランスが重要となります。
特にてんかん発作を持病に持つ犬の場合、脂質が少なすぎるてんかんを悪化させる原因となるとされています。
ただし、質の悪い高脂肪のもの要注意です。
脂質はサーモンオイルなどのように、種類が分かった良質のものをバランス良く摂取しましょう。
オメガ3脂肪酸と呼ばれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、犬の脳神経系疾患に重要な栄養素として働き、犬のてんかん発作に効果があります。
オメガ3脂肪酸は、青魚や亜麻仁油やエゴマ油、チアシードオイルなどに多く含まれます。
オメガ3脂肪酸を1%以上含むドッグフードを食べて、てんかんの予防改善に備えましょう。
犬のてんかん原因としては、「酸化ストレス障害」が指摘されており、通常その対策として抗酸化物質を摂取します。
ところが「ミトコンドリア補因子」も、「酸化ストレス障害」を抑える働きがあることが分かっています。
脳内細胞のミトコンドリアには、代謝・抗酸化・解毒などの作用が働き、犬のてんかんや認知機能障害に有効だとされています。
この大切なミトコンドリアがダメージを受けたケースでは、「ミトコンドリア補因子」を補給することで正常化させることができます。
ミトコンドリア補因子には、α-リポ酸、L-カルニチンなどがあります。
このため、犬のてんかんの食事療法として、α-リポ酸が10㎎/100g以上、L-カルニチンが25~75㎎/100g以上含んだドッグフードを与えるのがおすすめです。
人間の特に難治性てんかんの患者には、てんかんの食事療法として「ケトン食療法」が行われています。
ケトン食療法は、1921年に開発された歴史ある食事療法であり、1995年以降急速にアメリカで広まっています。
薬の治療効果が得られないとされる難治性てんかんの約半数は、このケトン食療法が効果を発揮して、発作の頻度が減少したと報告されています。
ただし、ケトン食療法とは、「糖質を制限し、代わりに脂質でエネルギーを補う食事」となり、かなり偏った食事内容となるため、低血糖・高脂血・肝臓障害などを発症するリスクも高まります。
このため、まだ犬のてんかん食事療法として「ケトン食」は、残念ながら導入されていませんが、現在研究段階であり、これからが最も期待される犬の食事療法といえます。