いんげんの由来は、中国から隠元(いんげん)禅師によって、17世紀の中頃に伝えられたからだとされています。
「サヤインゲン」と呼ばれるのは若いさやを食べるからであり、完熟した豆を食べる場合は「インゲン」と呼ばれます。
原産地は中央アメリカです。
美味しいいんげんの選び方は、次のようなところに注意してください。
鮮度が高いものは、鮮やかな緑色をしています。
また、表面から豆の形が分かるものは、成長しすぎている可能性が高くNG。
成長しすぎていない、細めのシルエットのさやいんげんがおすすめです。
さらに、変色していたり、両端のハリがないものは避けてください。
頻繁に食卓にあがるイメージがなく、脇役の感じを受けてしまう野菜ですが、実は栄養豊富でいろんな効果が期待できます。
このため、是非愛犬にも与えたいいんげんですが、はたしてチワワに与えても大丈夫でしょうか。
今回は、チワワにいんげんを与えても大丈夫か、また、注意点と栄養成分や効果について紹介します。
結論を言えば、チワワにいんげんを与えても大丈夫であり、基本的には健康上の問題はありません。
豆なので、当然ワンちゃんにとっては、消化に悪いことが大前提となりますが、食べ過ぎに注意して、与える際に気を付けつるポイントを守れば問題ありません。
成分(100g当たり) | 含有量(乾) | 含有量(茹で) |
エネルギー | 339 kcal | 147 kcal |
水分 | 15.3g | 63.6 g |
タンパク質 | 22.1g | 9.3 g |
脂質 | 2.5g | 1.2 g |
カリウム | 1400mg | 410 mg |
カルシウム | 140mg | 62 mg |
マグネシウム | 150mg | 46 mg |
リン | 370mg | 140 mg |
鉄 | 5.9mg | 2 mg |
亜鉛 | 2.5mg | 1 mg |
ビタミンB1 | 0.64mg | 0.22 mg |
ビタミンB2 | 0.16mg | 0.07 mg |
ビタミンB6 | 0.37mg | 0.08 mg |
葉酸(ビタミンB9) | 87μg | 32μg |
ビタミンK | 8mg | 3 mg |
β-カロテン | 6μg | 3μg |
食物繊維 | 19.6g | 13.6 g |
でんぷん | でんぷん | 14 g |
はたしていんげんは、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、犬種、運動量など様々な要因で異なってきます。
よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、野菜類は食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。
カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
ただしいんげんは、食物繊維を含んでおり、与える量が多すぎてしまうとお腹を壊し消化不良を引き起こす原因となってしまいます。
このため、毎日与えるのは避けて、1日にワンちゃんに与える量は、10g程度までにしておきましょう。
いんげんはビタミンB群を豊富に含み、エネルギー代謝をよくして、炭水化物を糖質に変えてくれます。
エネルギー代謝が効率よく行われることで、疲労回復に期待がもてます。
体内での合成ができないアミノ酸は、食べ物から摂取する必要があります。
人間が必要とする必須アミノ酸は次の9種類とされています。
・リジン(リシン)
・トリプトファン
・バリン
・ロイシン
・イソロイシン
・ファニルアラニン
・トレオニン
・メチオニン
・ヒスチジン
上記9種類の必須アミノ酸が、すべていんげんには含まれています。
実はワンちゃんには、さらにもう一つ必要とされる必須アミノ酸があります。
それが「アルギニン」であり、この10番目の必須アミノ酸までもいんげんは、含んでくれる優秀な野菜なのです。
いんげんは、100ℊあたり6μgものβ-カロテンを含んでいます。
β-カロテンは、抗酸化作用があり、有害な活性酸素を消去してくれて免疫力をUPさせ、がん予防に期待が持てます。
また、チワワの体内で酵素によってビタミンAに変わります。
なお、必要に応じてビタミンA不足を補うかたちで変換するため、よく言われる中毒や過剰症などを引き起こす心配はありません。
ビタミンAの主な働きは、以下の通りです。
・視力を正常に保つ。
・皮膚や喉、鼻などの粘膜を正常に保つ。
・風邪を予防する。
・夜盲症の予防。
いんげんには、100ℊあたり19.6gの食物繊維が含まれます。
なお茹でると、13.6 gとなります。
人間であれば、1日の目標摂取量は約20 gとされています。
食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整えて、余分な物を排出してくれます。
このため、便秘改善の効果が期待できます。
また、脂質や炭水化物の吸収を遅らせる働きもあり、このため、血糖値の上下が緩やかになり、糖尿病改善に効果を発揮します。
いんげんはカリウムも豊富に含んでいます。
カリウムはミネラルの一つであり、ナトリウムと協力して細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があります。
このため、体内の不要なナトリウムを輩出して、細胞内の浸透圧を維持します。
また、疲労回復にも良い効果を与えてくれます。
なお、カリウムは、欠乏すると「低カリウム血症」を発症し、また、過剰摂取してしまうと高カリウム血症」の原因にもなるため、適量摂取に心がける必要があります。
レクチンは、植物自身が草食動物や昆虫から食べられることを防ぐための毒素作用があります。
レクチンは、腸内の壁にくっつきやすいという性質があり、過度に摂取してしまうと、栄養の吸収の阻害をしたり、ワンちゃんは中毒を起こし、下痢や嘔吐、腹痛の原因となってしまいます。
レクチンは、熱を加えることで無毒化できるため、いんげんはチワワには生では与えず、必ず茹でてレクチンを無毒化してから与えるように注意しましょう。
いんげんには食物繊維が豊富に含まれています。
そのため、チワワに与え過ぎてしまうと、消化不良を引き起こし、嘔吐や下痢の原因となってしまいます。
また、いんげんにはカルシウムやマグネシウムも豊富に含まれています。
そのため、過剰摂取してしまうと、結石の原因になってしまう恐れがあります。
結石が起こってしまうと、尿により老廃物が体外に排出できなくなってしまうために、腎臓に大きな負担がかかり、最悪のケースでは腎臓が機能しなくなってしまい命を落とすこともあります。
結石ができるメカニズムは不明だとされていますが、遺伝的要素も影響するとされており、チワワは、シュウ酸カルシウム結石ができやすい犬種とされているので注意しましょう。
また、パグ、ペキニーズ、ヨークシャーテリア、ビーグル、コーギー、ミニチュアダックスフンド、ブルドッグなどの犬種が結石ができやすいとされています。
ワンちゃんは、与えられたものを丸呑みしてしまう傾向があります。
このため、大きな塊だと消化に良くない上に、万が一喉に詰まらせてしまえば、呼吸困難を起こすなど大事になってしまう恐れもあります。
したがって、いんげんは与える前にできるだけ細かく刻んであげたり、あるいはフードプロセッサーなどでペースト状にしてからあげるのがおすすめです。
食物はすべてアレルギンになる要素を含んでいます。
このため、いんげんを食べてアレルギーを起こす子もいます。
したがってチワワに初めて与える時は、細心の注意を払い、極微量与えるようにしてください。
与えてから、数時間はチワワから目を離さず様子を観察してください。
口や目のまわりを痒がる素振りが見えたり、元気がなくなるなど普段と少しでも違った様子が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。
・目の充血
・体を痒がる
・湿疹、じんましん、
・嘔吐、下痢
上記のようなアレルギー症状が見られたならば、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。