日本は本当に水の国家といえ、自然豊かな豊富な水の恵みの恩恵をたっぷり受けています。
このため水は蛇口をひねりさえすれば、当然のごとく出てきます。
私は東京に行って水道水を飲んだ時、カルキ臭くて水がまずいと感じました。
実は自由に水道から飲める水ですが、結構都道府県によっては、味の差があります。
2015年のインターネットのアンケート結果調査による、都道府県別の美味しいと評価された水道水のランキング順位を紹介します。
4位:青森県・石川県
6位:静岡県・高知県
8位:山形県
9位:福井県・新潟県・島根県
12位:長野県
13位:北海道
14位:岐阜県
15位:徳島県
16位:秋田県・山梨県
18位:岩手県
19位:群馬県
20位:宮城県・三重県・宮崎県
23位:愛媛県
24位:滋賀県
25位:和歌山県
26位:福島県・山口県・佐賀県・大分県
30位:栃木県・岡山県
32位:愛媛県
33位:広島県
34位:鹿児島県
35位:長崎県
36位:香川県
37位:京都府
38位:東京都
40位:兵庫県
41位:茨城県・神奈川県
43位:大阪府
44位:埼玉県
45位:千葉県
46位:福岡県・沖縄県
さて、あなたの故郷の水は何位でしたかね。
私のイメージでは、北海道の雄大な大自然の湧き水や雪解け水、日本アルプスから湧き出る長野県の天然水、雄大な富士山の裾野からの湧き水や伏流水から山梨県や静岡県、美味しいお米のイメージから新潟県なんてところの水が美味しそうに感じていたのですけどね。
まあ実際の順位を見ればそう単純ではなさそうです。
不本意ながら最下位に甘んじてしまったのが、沖縄県と福岡県です。
実は沖縄県は、日本一水道水を飲む率が低いといわれているほどなのです。
つまり水道水が不味いということに結びつきそうですが、これには理由があります。
原因は、沖縄県の水が日本では珍しい「硬水」だからです。
さらに石灰岩の影響も大きく、水道水に石灰分が多く含まれてしまっているためです。
このため、沖縄では、あまり水道水が飲まれず、代わりにミネラルウォーターが多く飲まれているのです。
水には「軟水」と「硬水」がありますが、味に大きく影響します。
水を分類するひとつの指標として、「硬度」というものがあります。
水の硬度とは、水1000ml中に含まれる「カルシウム」と「マグネシウム」の含有量を表す数値にこと。
WHOによる基準を紹介すると、硬度120mg/lが基準となり、それ以下を「軟水」、それ以上を「硬水」と分類しています。
ただし日本の場合は、基準値を硬度100mg/lとしていることが多いといえます。
分かりやすく言えば、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを多く含んでいれば「硬水」。
反対にミネラルが少ない場合が「軟水」というわけです。
日本の水道水をチェックしてみれば、多くがほぼ硬度60mg/l前後となり、このため「軟水」に当たります。
犬にミネラルウォーターを飲ませてはいけないと言われたりしていますが、実際はどうなのでしょうか。
この問題は、ミネラルウォーターがカルシウムやマグネシウムを多く含むため、ワンちゃんが過剰摂取してしまうと「尿結石」になる可能性があると考えられているからです。
しかし、結論を言えばこのような心配はほぼ無用です。
水分量が増えることでミネラルの濃度は希釈されるため、ミネラルウォーターを犬が飲んでも、体に悪影響が出ることはまずないとされています。
基本的には、カルシウムやマグネシウムといったミネラル分多く含む食物を食べたほうがよほど影響があります。
なおあくまでミネラルウォーターは水のため、大量に摂取した場合でも、その分オシッコとして排出されてしまうこととなります。
なお通常多くのミネラルウォーターは、日本人に慣れ親しんだ軟水が多いですが、慣れない硬水をワンちゃんに与えてしまうと、お腹を壊す原因になりやすいので注意が必要です。
水道水は4段階のレベル付けが、水博士として有名な故・小島貞夫氏によってされているので紹介しておきましょう。
・特級水:良質の地下水や湧き水などを少量の塩素を使って消毒したもの。
・1級水:汚染されていない上流の河川や湖沼、伏流水を原水として、それを緩速ろ過したもの。
・2級水:汚染されていない下流の河川、富栄養化した湖沼を原水として、それを緩速ろ過したもの。
・3級水:汚染のされていない下流の河川、富栄養化した湖沼を原水として、薬品を使用して急速ろ過したもの。
また、美味しい水道水の条件として、次の7項目があげられています。
1.蒸発残留物の値が、30~200mg/L。
2.遊離炭酸が3~30mg/L。
3.硬度が10~100mg/L。
4.過マンガン酸カリウムが、消費量3mg/L以下となること。
5.臭気度が3以下。
6.残留塩素は0.4mg/L以下。
7.水温は20℃以下とする。
犬が水道水を飲んでも感染症にかからないのは塩素のおかげですが、カルキ臭い水は美味しくないですよね。
水道水を安全に美味しく飲む方法の定番は、浄水器を使用すること。
浄水器は水道水の不純物を取り除いてくれますが、消費者庁の「家庭用品品質表示法」により、次の13種類もの不純物の除去物質が定められています。
2.濁り(雑菌・固形鉛等) 塩素でも殺菌できない程度のわずかな雑菌や、古い鉛管から溶け出してしまう固形鉛。
3.総トリハロメタン(発がん物質) 水道水への含有量は、人体に有害なレベルではありませんが、沸騰させると3倍にも増えます。
4.クロロホルム(発がん性・肝毒性) 水道水に含有されるトリハロメタンの60~90%がクロロホルム。
5.ブロモジクロロメタン(肝毒性) トリハロメタンの一種。
6.ジブロモクロロメタン(肝毒性) トリハロメタンの一種。
7.ブロモホルム(発がん性・肝毒性) トリハロメタンの一種。
8.溶解性鉛 鉛が水道水に溶け込んだもの。
9.農薬 農薬は自然に川や湖に流れ込むため要注意。
10.カビ臭 2-MIB 植物性プランクトンや微生物が大量発生した際に、それらを分解したときに発生します。
11.テトラクロロエチレン ドライクリーニング工場や電子工場などの排水がに含まれており、それらが河川や地下水に混入します。
12.トリクロロエチン ドライクリーニングの洗浄液などに含まれており、それらの排水が河川や地下水に混入します。
13.トリクロロエタン 化学工場やワックス工場などの排水に含まれており、それらが河川や地下水に混入します。
面倒だけど水道水を沸騰させれば、塩素を除去して安全に美味しくできると、みなさん思っていませんか?
ところが最近では、「水道水を沸騰させて飲むのは危険、飲んでは駄目!」というのが一般常識となっています。
引用:大阪市水道局
上記グラフを見てもらえれば、一目瞭然で危険性が実感できるはず。
「トリハロメタン」という発ガン性物質がありますが、何と水道水を沸騰させた直後は、約3倍に増加することが判明しているのです。
このため、もしも水道水を沸騰してすぐに火を止めてしまえば、わざわざトリハロメタンを3倍にも増加させることとなるわけです。
このため水道水を沸騰させる場合は、10分以上させないとかえって危険なのです。
犬にミネラルウォーターを与えても大丈夫。
ただし軟水を選んであげましょう。
浄水器を使えば、カルキを抜いた美味しい水が飲めます。
水道水を沸騰させてカルキを抜くのは注意が必要です。