チコリーは最近高級志向のスーパーなどで、見かけるようになったキク科の野菜です。
まだあまりなじみのない野菜かもしれませんが、ヨーロッパでは身近な食材であり、サラダやオードブルなどにして食べます。
見た目のイメージは、それこそ白菜を小さくして先をとがらせた感じといえます。

チコリーを選ぶ時には、巻きがしっかりしているものを選ぶべきであり、また、葉に張りとツヤがあり、ふっくらとしたものがおすすめです。

今回は、チワワはチコリーを食べて大丈夫なのか、また、栄養素や与える際の注意点について紹介します。

チワワはチコリーを食べて大丈夫?

結論を言えば、チワワはチコリーを食べて大丈夫です。
チコリーは、たまにドッグフードに配合されていることがあります。
だから、問題ない野菜といえます。
まだ馴染みが薄い野菜のため、チコリーの栄養素を紹介します。

チコリーの主な栄養素

成分(100g当たり)         含有量
エネルギー             16 kcal
水分                94.7g
タンパク質             1g
ナトリウム             3mg
カリウム              170mg
カルシウム             24mg
マグネシウム            9mg
リン                25mg
鉄                 0.2mg
亜鉛                0.2mg
ビタミンB1              0.06mg
ビタミンB2              0.02mg
ビタミンB6              0.03mg
葉酸(ビタミンB9)           41μg
ビタミンC                2mg
ビタミンK               8mg
β-カロテン                                       11μg
食物繊維                1.1g

チワワに与える量はどれくらい

はたしてチコリーは、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、体重、運動量など様々な要因で異なってきます。
よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、野菜類は食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。

カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
チワワのような小型犬の場合は、本当に一口で十分でしょう。

チワワにチコリーを与えるメリット

「水分」

チコリーの94.7%が水分です。
そのため、あまり水を飲まないワンちゃんの場合、水分補給としても適しています。

「便秘改善」

食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整えて、余分な物を排出してくれます。
このため、便秘改善の効果が期待できます。

また、脂質や炭水化物の吸収を遅らせる働きもあり、このため、血糖値の上下が緩やかになり、糖尿病改善に効果を発揮します。

「抗酸化作用」

チコリーの苦味成分である「チコリ酸」は、ポリフェノールの一種です。
ポリフェノールは、赤ワインで有名になった成分であり、抗酸化作用が働き、身体の細胞をサビ付かせて傷つける活性酸素の働きを抑えてくれます。

活性酸素はストレスや紫外線などでも生まれ、体内で必要以上に増えすぎると、身体の内側を酸化させ細胞や血管の老化を進めてしまいます。
活性酸素を減らすには抗酸化成分が有効になります。

また、チコリーには、β-カロテンや、ビタミンCなど、抗酸化作用を持つ成分が含まれています。

β-カロテンは、抗酸化作用があり、有害な活性酸素を消去してくれて免疫力をUPさせ、がん予防に期待が持てます。
また、チワワの体内で酵素によってビタミンAに変わり、皮膚や喉、鼻などの粘膜を正常に保ち、視力を正常に保ちます。
なお、必要に応じてビタミンA不足を補うかたちで変換するため、よく言われる中毒や過剰症などを引き起こす心配はありません。

ビタミンCにも抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑制してくれます。
また、コラーゲンの生成や免疫力アップの効果もあり、皮膚や粘膜の健康維持にも効果があります。

「葉酸」

葉酸はビタミンB群の一種。
葉酸という名前の由来は、単純に緑の葉っぱに多く含まれているためです。

葉酸はタンパク質や細胞の生成に重要な役割を果たし、ビタミンB12とともに造血のビタミンと呼ばれ、協力して赤血球の生産をフオローする働きがあります。
また葉酸は、正常な遺伝情報を持つDNA細胞の生成に深くかかわり、そのため胎児の先天異常のリスクを減らしてくれます。
さらに、生まれてくる子犬の発育にも役立つため、妊娠中の母犬には積極的に摂取して欲しい栄養素です。
このようにチコリーは、母犬に食べさせたい野菜といえます。

「ラクチュコピクリン」

ラクチュコピクリンはチコリーの苦み成分であり、中枢神経系に作用して鎮静効果と鎮痛効果があります。
また、消化を促進してくれる働きも生じます。
さらに、若干の利尿効果が働き、余分な物を排出してくれます。

「カリウム」

チコリーには、100gあたり170mgのカリウムが含まれています。
カリウムはミネラルの一つであり、ナトリウムと協力して細胞内の浸透圧を維持して、水分の調整を行っています。
ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制して、体内で増えすぎたナトリウムの排泄を促す働きもあります。
そのため血圧を下げるのを手助けしてくれて、高血圧の予防やむくみの解消に効果的です。
また、余分なナトリウムを排出することにより、神経刺激の伝達を高め、筋肉機能の調節、心臓機能などに効果を発揮してくれます。
また、疲労回復にも良い効果を与えてくれます。

「カルシウム」

カルシウムの99%は骨の材料になり、骨や歯を形成するために必要不可欠な成分です。
そのため、骨そしょう症の予防にも効果的で、筋肉を動かすためにも必要です。

チワワは超小型犬で体格が華奢で、わずか30cmの高さから落ちても骨折することがあるほど骨が弱い犬種。
だから骨を丈夫にしてくれる効果が期待できるチコリーは摂取したい野菜です。

チワワにチコリーを与える際の注意点

「与え過ぎない」

チコリーは食物繊維が豊富に含まれているため、チワワに与え過ぎてしまうと、消化不良を引き起こし、嘔吐や下痢の原因となる恐れが生じます。
チワワは食物繊維を消化できないと認識しておきましょう。

「細かく刻む」

ワンちゃんは野菜の消化が苦手なため、細かく刻むことで消化しやすくできます。
また、チワワはあまり噛まずに丸飲みする習性があるため、塊のまま与えてしまうと、喉に詰まって嘔吐したり、呼吸困難が生じてしまうリスクがあります。
万一呼吸困難が生じてしまえば大事になります。
それこそチワワをさかさまにして、背中をたたき詰まったものを吐き出させるような、応急処置をとる必要が生じてしまいます。

「アレルギーに注意」

食物はすべてアレルギンになる要素を含んでおり、もちろんチコリーも例外ではありません。
このため、チコリーを初めて食べた際に、アレルギーを起こす子もいます。
したがってチワワに初めて与える時は、細心の注意を払い、本当にわずかな微量を与えるようにしてください。

与えてから数時間は、チワワの様子に注目して目を離さず観察してください。
元気がなくなるなど、普段と違った様子が感じられたケースでは要注意です。
また忘れずに、ウンチの状態もチェックしましょう。

口や目のまわり、体を痒がる素振りが見えたり、目の充血や嘔吐、下痢などの症状が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。
その場合、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。

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