チワワはルッコラを食べても大丈夫?栄養素や与える適量や注意点

イタリア料理でお馴染みのルッコラは、ピザやカルパッチョなどの彩りを高めるハーブ野菜です。
「ルッコラ」はイタリア名であり、英名は「ロケット」、それにちなんで別名「ロケットサラダ」とも呼ばれます。
近年では、結構スーパーでも出回るようになってきています。

国内で出荷されている多くは水耕栽培ですが、秋から冬にかけて露地物も出回ります。
ルッコラの原産地は地中海沿岸です。
1990年代頃のイタリア料理ブームに乗っかって、ルッコラが急速に広まりはじめました。

美味しいルッコラの選び方は、まず香りが良いことです。
そして茎葉がシャキッとして、色が鮮やかなものを選びましょう。

今回は、チワワはルッコラを食べても大丈夫なのか、また、栄養素や与える適量や注意点について紹介します。

チワワはルッコラを食べても大丈夫?

答えは「YES」チワワはルッコラを食べても大丈夫です。
ルッコラは、ミネラル成分も豊富で栄養価も高くチワワに与えたい緑黄色野菜ですが、独特の辛味や苦みがあるので、愛犬が苦手なケースでは、無理強いしないようにしましょう。

ルッコラの主な栄養素

成分(100g当たり)         含有量
エネルギー             19 kcal
水分                92.7g
タンパク質             1.9g
脂質                0.4g
ナトリウム             14mg
カリウム              480mg
カルシウム             170mg
マグネシウム            46mg
リン                40mg
鉄                 1.6mg
亜鉛                0.8mg
ビタミンB1              0.06mg
ビタミンB2              0.17mg
ビタミンB6              0.11mg
葉酸(ビタミンB9)           170μg
ビタミンC                66mg
ビタミンK               210mg
β-カロテン                                       3600μg
食物繊維                2.6g

チワワに与える量はどれくらい

はたしてルッコラは、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、体重、運動量など様々な要因で異なってきます。
よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、野菜類は食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。

このため、少量を主食にトッピングする程度にしておきましょう。
あくまでもしいたけは、栄養補助として取り入れるべきであり、主食に影響がないように注意してください
カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
チワワのような小型犬の場合は、本当に一口で十分でしょう。

チワワにルッコラを与えるメリット

「アリルイソチオシアネート」

ルッコラが持つ辛味の成分が「アリルイソチオシアネート」です。
アリルイソチオシアネートは、大根やわさび、マスタードと同じ辛味成分で、抗菌効果、抗ピロリ菌、抗ガン、血栓防止などが期待でき、また消化促進の作用もあります。
なお、アリルイソチオシアネートの抗菌作用はとても強力であり、腸管出血大腸菌O-157への抗菌効果や、ヘリコバクターピロリ菌に対しても、殺菌作用が働くことが分かり注目を集めています。

「免疫力アップ」

ルッコラは、100ℊあたり3600μgもの豊富なβ-カロテンと、66mgのビタミンCを含んでいます。
β-カロテンの多さは、野菜の中でもトップクラスです。
β-カロテンは、抗酸化作用があり、有害な活性酸素を消去してくれて免疫力をUPさせ、がん予防に期待が持てます。
また、チワワの体内で酵素によってビタミンAに変わります。
なお、必要に応じてビタミンA不足を補うかたちで変換するため、よく言われる中毒や過剰症などを引き起こす心配はありません。
ビタミンAの主な働きは、以下の通りです。
・視力を正常に保つ。
・涙の量を調節して角膜や網膜を守る。
・ドライアイの予防。
・皮膚や喉、鼻などの粘膜を正常に保つ。
・風邪を予防する。
・夜盲症の予防。

ビタミンCにも抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑制してくれます。
また、コラーゲンの生成や免疫力アップの効果もあり、皮膚や粘膜の健康維持にも効果があります。

チワワたちワンちゃんは、ビタミンCの生成を肝臓で行えますが、それでもその生成量は一日で最大でも約60mg程度だそうです。
これだけではまだ足りないそうなので、ルッコラに含まれるビタミンCも摂取したいですね。
また、ビタミンCは通常水溶性ビタミンのため、体内に蓄積しにくい性質があるため、どんどん摂取する必要があるのです。

「デトックス効果」

ルッコラには、デトックス効果に有効であるカリウムが、100gあたり480mg、食物繊維が2.6g含まれています。

体内に溜まった毒素は、75%が便から、20%が尿から、3%が汗から排出されるとされるため、便秘気味の方や尿が出ずらい方は、知らぬ間に体内に毒素が溜まりがちとなってしまいます。

カリウムはミネラルの一つであり、ナトリウムと協力して細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があります。
ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制して、体内の不要なナトリウムを排出して、細胞内の浸透圧を維持します。
そのため血圧を下げるのを手助けしてくれて、高血圧の予防やむくみの解消に効果的です。
また、余分なナトリウムを排出することにより、神経刺激の伝達を高め、筋肉機能の調節、心臓機能などに効果を発揮してくれます。
そして、疲労回復にも良い効果を与えてくれます。

なお、カリウムは欠乏すると「低カリウム血症」を発症し、子犬が情動不安になったり、筋麻痺などの例が報告されています。
また、過剰摂取してしまうと「高カリウム血症」の原因にもなるため、適量摂取に心がける必要があります。

食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、ルッコラは両方とも含みますが、特に不溶性食物繊維を多く含みます。

不溶性食物繊維は、腸内の発がん性物質を吸着してくれるため、大腸ガンの予防効果があり、また、お腹の中で水を吸収して膨らむため、腸を刺激して蠕動運動(ぜんどううんどう)」を活発にすることで、便を外へ排出しやすくして便秘解消の効果が期待できます。

一方水溶性食物繊維は、脂質や炭水化物の吸収を遅らせる働きがあります。
このため、血糖値の上下が緩やかになり、糖尿病に効果があります。
また、腸内でコレステロールなどとくっついて体外に排出されるため、悪玉コレステロールを改善してくれます。

チワワにルッコラを与える際の注意点

「ゴイトロゲンに注意」

ルッコラはアブラナ科の野菜のため、「ゴイトロゲン」という成分を含みます。
ゴイトロゲンは、ヨウ素の吸収を阻害する働きが生じるため、代謝を促すのに大切な物質である甲状腺ホルモンの分泌に影響を与えてしまいます。
そのため、甲状腺肥大や甲状腺腫を引き起こす原因となってしまいます。
甲状腺の機能が低下しているワンちゃんには要注意となります。

「与え過ぎない」

ルッコラには食物繊維が含まれているため、食べ過ぎてしまうと消化不良を引き起こしてしまい、嘔吐や下痢を起こす恐れがあります。
チワワは食物繊維を消化できないと認識しておきましょう。
ちなみに、ワンちゃんに必要な量の計算式は、「犬の体重㎏×0.17g」となっているので、一日の摂取目安にしてみましょう。

「細かくカット」

チワワは野菜の消化が苦手です。
そのため、消化しやすいように細かくカットしてあげましょう。
またワンちゃんは、あまり噛まずに丸飲みしてしまう習性があります。

したがって、大きな塊で与えてしまうと、喉に詰まってしまう恐れがあり、むせて嘔吐したりしてしまいます。
なお、万が一チワワが喉に詰まらせれば大事です。
呼吸困難を起こせば、それこそチワワを逆さまにして背中をたたくなどの応急処置を行い、吐き出させるなど大騒ぎすることになってしまいます。

また、熱を通してあげれば、柔らくなって消化しやすくなります。
加熱することでルッコラ独特の苦みや辛味も消え、胃腸への刺激も低減することが可能となり一石二鳥です。
このため、サッと火を通してから与えるのがベストでしょう。

「食物アレルギーに注意」

アレルギーの原因であるアレルゲンは、食べ物全てにアレルゲン要素を含んでいます。
またワンちゃんには、個体それぞれのアレルギーがあり、ルッコラでアレルギーが起こってしまうケースがあります。
ルッコラはアブラナ科の植物のため、同じアブラナ科の仲間であるキャベツ、大根、ブロッコリー、白菜、小松菜などにアレルギーがあれば、より注意しましょう。
ルッコラを与えてから数時間は、チワワから目を離さず様子を観察し、ウンチの状態はしっかり確認しましょう。

少しでも元気がなくなるなど、普段と違った症状が見られれば、それ以上与えないようにしてください。

次のような症状が確認できれば、アレルギーの可能性が高いので、直ぐに動物病院を受診しましょう。
・嘔吐と下痢
・目の充血
・皮膚が赤くなり、湿疹、じんましんが出る
・元気がなくなる

riasu