山芋は「山のうなぎ」などと呼ばれて、滋養のある食べ物として親しまれていますが、私的にはとろろが最高、あのネバネバ感や食感もたまりません。
山芋という呼び名は、中国から伝来した「長いも」や「大和芋」、また、日本原産の「自然薯(じねんじょ)」などすべてを総称しています。

山芋に限らず、納豆やおくらなど、ネバネバパワーの食材は健康に良いと言われています。
今回は、チワワは山芋を食べても大丈夫なのか、また、栄養素や与える際の注意点について紹介します。

チワワは山芋を食べても大丈夫?

結論を言えば、チワワが食べても問題なしです。

実は私も山芋は大好物なのですが、山芋を食べた時に口が痒くなってしまいます。
結構痒みが生じてしまう人は多いと思うのですが、チワワたちワンちゃんは、はたして痒みは大丈夫なのか気になってしまいます。

チワワは山芋で痒くなるのか、ならないのか?

山芋の皮の周りには、大量のシュウ酸カルシウム結晶があります。
実はこいつが、針のようなとんがった形状をしています。
そして、山芋を剥いたりすりおろした時にバラバラの状態となって溶け込み、皮膚に付着した時に、針状の結晶により刺激されることで痒みが発生するとされています。

このため、チワワが食べたとしても、同様の状態が生じるため、皮膚に付着すれば人間と同じような痒みを引き起こすこととなります。
この痒みを抑えるためには、シュウ酸カルシウム結晶を減らす事が必要となります。

シュウ酸カルシウム結晶は、酸に触れると溶解する性質があります。

このため、酢水に漬けてあげれば、痒みを抑えることができます。
レモン汁をかけてあげるのも有効ですね。

しかし味が変わってしまうため問題かも知れませんね。
また、シュウ酸カルシウム結晶は、山芋の皮に近い部分ほど多く含まれているため、中心部のみ与えることでも多少は軽減できます。

山芋(じねんじょ)の主な栄養素

成分(100g当たり)         含有量
エネルギー             121 kcal
水分                68.8g
タンパク質             2.8g
脂質                0.7g
ナトリウム             6mg
カリウム              550mg
カルシウム             10mg
マグネシウム            21mg
リン                31mg
鉄                 0.8mg
亜鉛                0.7mg
ビタミンB1              0.11mg
ビタミンB2              0.04mg
ビタミンB6              0.18mg
葉酸(ビタミンB9)           29μg
ビタミンC                15mg
食物繊維                2g
でんぷん                22.7 g

チワワに与える量はどれくらい

はたして山芋は、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、犬種、運動量など様々な要因で異なってきます。

よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、野菜類は食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。

カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
チワワのような小型犬の場合は10g程度、本当に一口で十分でしょう。

チワワに山芋を与えるメリット

「アルギニン」

アルギニンはアミノ酸の一種です。
アルギニンの働きは、体内のアンモニアを尿素に変換して排泄することです。

アンモニアは、タンパク質が分解されるときに発生します。
このため、食事でタンパク質を多く摂取した場合は、それだけアンモニアも増えることになり、その分アルギニンの必要量も増えることとなります。

さらにアルギニンには、疲労回復や免疫力の向上作用があり、血管を拡張することで、腫瘍の進行を遅らせる効果もあります。

「アミラーゼ」

山芋に含まれているアミラーゼは、炭水化物に含まれるでんぷんやグリコーゲンの消化を助ける酵素の一つです。
そのため胃もたれや食欲不振の改善、整腸作用などの効果が期待できて、胃腸薬にもよく使われる成分です。

アミラーゼは、人間の唾液には含まれていますが、チワワたちワンちゃんには含まれていない成分のため、愛犬の消化を手助けしてあげるためには、とても有効な成分となります。

「ビタミンB群」

山芋には、ビタミンB1やB2、B6などがバランスよく含まれています。
そのため、でんぷん質を分解しやすい形に変えたり、炭水化物や脂質をエネルギーに変える力が働きます。

ビタミンB1には、糖質のエネルギー代謝を促進する効果があり、疲労回復力が期待できます。
また、脳の働きをフオローして記憶力や認知機能を正常に保つ働きや、血流を良くして脈拍数や、血圧が上がりすぎないように調節する役割もあります。

チワワに山芋を与える際の注意点

「皮膚疾患がある場合は与えない」

山芋には痒みの成分が含まれています。
このため、皮膚が弱い子には刺激が強すぎます。

特にアトピー性皮膚炎のワンちゃんには要注意です。
ちょっとした刺激で全身に皮膚炎が広がり、悪化する可能性があるため与えないほうが安全といえます。

「腎疾患がある場合は注意」

山芋はカリウムを多く含むため、腎疾患がある子の場合には注意が必要です。
腎疾患には、高カリウム血症と低カリウム血症があり、高カリウム血症のケースでは、山芋はNGです。

なお当然ですが、山芋に限らず、カリウムが含まれている食べ物は厳禁です。
血中のカリウム濃度が上がってしまうと、命の危険が生じる場合もあります。

「尿路や腎臓結石症のある子も注意」

シュウ酸カルシウム結晶は、通常であればカルシウムと結合している為、胃酸で溶解してしまうため問題はないとさています。
しかし、過剰摂取すると結石を引き起こしやすいとする説もあるため、尿路や腎臓結石症のある子には与えない方が安全でしょう。

「小さくカットする」

ワンちゃんは習性として、食べ物をよくかまず、与えられたものをそのまま丸呑みしてしまいます。
そのため、消化が悪くなる上に、万が一チワワの喉に詰まってしまうと、呼吸困難を起こす恐れがあり、大事になってしまいます。

このため、小さくカットして食べやすい大きさにしてから与えてあげましょう。

また、すりおろしてあげれば、一層消化しやすくなりますが、皮膚につかないように注意しないと、痒みが生じてしまう恐れがあります。

「アレルギーに注意」

全ての食物はアレルゲンを含んでいるため、山芋を食べてアレルギーを起こす可能性があります。
したがってチワワに初めて与える時は、細心の注意を払い、極微量与えるようにしてください。
与えてから、数時間はチワワから目を離さず様子を観察してください。
口や目のまわりを痒がる素振りが見えたり、元気がなくなるなど普段と少しでも違った様子が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。

・目の充血
・体を痒がる
・湿疹、じんましん、
・嘔吐、下痢

上記のようなアレルギー症状が見られたならば、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。

riasu