「もういーかい」何て言って、あたいが姿を隠していると、リアスがあたいを探すのさ。
あたいはかくれんぼの天才だから、そう簡単には見つからないさ。
ビビは自分がまるで孫悟空だとは気づいていないからな。
お釈迦様の手のひらから逃げられない悟空と同じで、ビビは私の手のひらの中で踊っているだけなんだ。
以前はタンスの隙間に入り込んだりして、探すのに苦労した時もあったけど、最近は隠れ家をお見通しさ。
わざと出しておく毛布の中に潜りこんで、かくれんぼ気分になっているわけ。
毛布をちょっとめくってみると。
ほらビビを発見さ。
モコは滅多に隠れたりしませんが、ビビは結構姿をくらませます。
なぜワンちゃんは隠れっこが好きなのでしょうね。
犬が隠れる心理を紐解けば、理由は次の通り。
・恐怖を感じた
・安心できる
・体調不良
・失敗行動をした
・飼い主さんの気を引きたい
・好奇心
・特定のことをする場所に選んだ
意外に本能が影響しているケースも多いようです。
これは犬が野生で暮らしていた時代に、巣穴を掘ってそこで生活していた名残りなんだ。
だから未だにワンちゃんは、暗く狭い場所を好む習性が、本能として残っているわけ。
ビビの場合は、我が物顔で威張っているから、普段は恐怖を感じたりしていることはなさそうだな。
今は冬場だから単純に寒いんだと思うね。
だから私が用意した毛布に潜り込むわけさ。
さすがリアス、シャーロックホームズも顔負けの名探偵だな。
あたいはコナン君が好きだけどね。
あたいらチワワは寒がり屋なんだ。
犬は毛に覆われていてあったかいな何て勘違いしちゃダメさ。
あたいは昔からあの唄が悪いと思っているんだ。
「雪やこんこ、あられやこんこ、犬は喜び庭駆け回り、猫はコタツで丸くなる」っていう『雪やこんこ』の童謡さ。
あれでワンコが寒さに強いイメージが生まれているよ。
あんな雪の中を駆け回るような寒さに強い犬種は、寒い地域原産の犬種がほとんどさ。
・シベリアンハスキー
・サモエド
・ゴールデンレトリーバー
・ラブラドールレトリーバー
・コーギー
・柴犬
・秋田犬
・日本スピッツ
こんな奴らだけさ。
アイツらは、ダブルコートの二重毛で、上毛としてオーバーコートの固い太い毛があって、その中に下毛のアンダーコートの柔らかな毛があるから、ぬくぬくなんだよ。
あたいらチワワは超小型犬で、身体が小さく表面積が少ないからすぐ熱が逃げて、だから寒がりなんだよ。
モコの奴を見てみろよ。
まったく情けなくて開いた口が塞がらないよ。
アイツはストーブ犬さ。
ストーブの前から離れられないだからな。
今に毛が燃えるぜ。
ボクはお利巧だから、ちゃんと暖かい場所を知っているのさ。
このストーブっていう神様の前が最高さ。
凄いんだぜ。
お日様みたいに、あったかい風を出してくれるんだ。
ボクは、ストーブさんの前にいればぬくぬくで大満足さ。