ボクは最近散歩ができるようになるための特訓で、よくリアスにお庭で遊ばしてもらうのさ。
いつだったか、ボクはチワワのビビ姉みたいに、小さいくせに生意気な昆虫を見つけたのさ。
生意気に、ボクに勝てるはずもないのに、鎌を振りあげて向かってくるのさ。
みなさん、もちろんこの虫の正体は、バッチリ分かりましたね。
その昆虫は、「カマキリ」。
なんだってモコ。
あたい似のカッコイイ虫がいたって?
まあ、虫があたいに似ているという時点で、どう考えても眉唾だな。
ボクたちワンコは、本当に聴力がいいから嫌になるよ。
まさしく地獄耳さ。
こっそり喋っていても、全部ビビには筒抜けで聞かれてしまうからな。
おいモコ。
あたいに似ているとかいう虫は誰だい。
とっても気になるな。
教えろよな。
やばいどうしよう。
絶対怒るからな。
でも言わないともっと怒るしな。
最近シニア期にビビも入って、更年期障害じゃないけど、怒りっぽいんだよな。
何か今言ったか?
早く教えて。
はいはい。
それはカマキリ君さ。
何だアイツか。
ちっとも似てないな。
あの生意気な奴か。
あたいは何度か吹っ飛ばしてやったさ。
アイツと似てる何てバカにされたな。
チワワの恥だな。
まってよビビ姉、姿が似ているんじゃないよ。
小さいくせにひるまず大きな相手に向かっていくとこさ。
なんか、いつもあの大きな柴犬とかに向かっていくビビ姉みたいで、カッコイイじゃないか。
(チワワは本当に、小さな体に似合わず勇敢なところがある犬種です。)
そうか、でもあたいはカマキリみたいにデカイ相手にも負けないけどな。
まあ確かに、あの向かってくる態度だけは、あたいに似て勇敢でカッコイイかもな。
ふふふ、どうだいボクも最近はビビ姉の操縦法が分かってきたのさ。
ちょっとおだてればイチコロさ。
蟷螂の斧なんて言う通り、カマキリはビビ姉と同じでカッコイイよ。
ちなみに「蟷螂の斧」とはことわざで、力のない者が、自分の実力もかえりみずに強い者に立ち向かうことのたとえです。
おいマテよモコ。
蟷螂の斧って、バカな奴が実力もないくせに、愚かにも力の強い勝てない相手に歯向かう例えじゃなかったかな。
結局いつも、相手を選ばす向かっていくあたいを、実はバカにしているってことか。
やべえ。
口が滑ったよ。
またビビ姉を怒らしちゃったよ。(ノД`)・゜・。
お前たち二匹のやり取りを見てると、下手な漫才より面白いよ。
まあカマキリの大鎌も、ワンちゃんの毛に防がれれば効果なしでしょうが、目とかに入ればちょっと怖いですね。
私はカマキリといってどうしても思いだしてしまうのが、ハリガネムシです。
ハリガネムシは針金とそっくりの見た目のため、その名前が付いています。
うねうねと気持ち悪く動き回りますが、伸縮性はありません。
何と成長した長いハリガネムシになると、1mもあると言うから驚きです。
さてここでちょと、驚きのお話をしてみましょう。
昆虫好きの人にとっては、常識かもしれませんが、実はハリガネムシは寄生虫であり、カマキリのお腹の中に入っています。
実は爪の間から人間にも入るなんて言われたりしており、要注意かも?
このため、うっかり犬が、カマキリを食べたりすると心配、その当たりも詳しく紹介します。
ハリガネムシは、水中に生息する水中生物なんですね。
寄生虫のため、カマキリを始めとして、主にバッタ・コオロギ・カマドウマなんてところの昆虫に寄生します。
もしもあなたが、カマキリを捕まえたならば、ハリガネムシを確認することが可能ですよ。
ええ、カマキリを切腹させるのか、そんな残酷なこと無理なんて、早合点しないように。
実はとっても簡単な、誰でもできる方法で、ハリガネムシを見ることができてしまいます。
先ほどハリガネムシは、水中生物と紹介しましたね。
そのため、水が大好きなわけ。
だから嘘みたいな話ですが、カマキリのおしりを水につけてあげさえすれば、ハリガネムシが勝手にカマキリのお腹から水中に出てきますよ。
「うそー」とか叫んでいるみなさん、それでは実際に動画で確認してみましょう。
ちなみに、虫が苦手な人は見るのを止めておいた方が無難かもし知れませんので、警告しておきますね。
どうですか?
ビックリ仰天ですね。
カマキリのお腹を水につけるだけで、こんなに簡単にハリガネムシが出てくるわけです。
この簡単に出てくる理由は、ハリガネムシが水中生物のため、また水に戻って卵を産むためなんですね。
1.ハリガネムシは、水中の水草に卵を産みます。
2.孵化した小さな幼虫は、動物プランクトンに寄生。
3.動物プランクトンが水性昆虫に食べられることで、次に水性昆虫に寄生。
4.水生昆虫がカゲロウや蚊などの成虫になって、空を飛び陸上に移動。
5.これらの昆虫が、カマキリなどに食べられることで寄生。
6.成長した後に、昆虫の脳を操って水辺に誘い込む。
7.昆虫のおしりから脱出して、水中に戻り卵を産む。
ハリガネムシにとって、強い大型昆虫であるカマキリは、まさしく上客。
これが小型のコオロギやバッタなどの昆虫であれば、天敵に食べられことも多く、そうなれば宿主同様寄生虫であるハリガネムシも死んでしまいます。
ハリガネムシに操られることで、本来であれば水に入ったりしないカマキリなどの昆虫が、
川に入って川魚のエサとなります。
このように、ハリガネムシのおかげで魚たちは、本来であれば食べることができないはずの昆虫を食べることが可能となり、こんなわけで、自然界の不思議な食物連鎖の繋がりが生じているのです。
まったく面白いですね。
さて本題に戻しましょう。
この恐ろしいハリガネムシがお腹に潜む、カマキリをもしも愛犬が食べてしまった場合、大丈夫なのかって話ですね。
カマキリはともかく犬は、散歩の途中などでも、ハリガネムシが寄生するバッタなんかよく食べてしまうもの。
さっき爪の間から人にも入る何て話をしましたが、ごめんなさい、あれは全くの都市伝説って奴で、決してハリガネムシが、皮膚を突き破って体内に侵入するようなことはありません。
ところがですよ実際に、人がハリガネムシを吐き出したとの報告は結構あるそうです。
その原因は、川で泳いだりしていて、川の水を飲んでしまうためです。
さてあまり回答を引っ張って、怖がらせてもダメなので、答えを言えば、もしも仮にハリガネムシが体内に入ってしまっても心配はいりません。
それは寄生虫であるハリガネムシですが、必要とする栄養素が哺乳類には存在しないからです。
このため、栄養不足となり死んでしまい、その結果、異物と認識されて吐き出されたり、多くの場合では消化されてしまいます。
また、便と一緒に排出されるなどとなります。
だから哺乳類であるワンちゃんも大丈夫なわけ。
わーいよかったよ。
ボクバッタとか食べちゃったことがあるから、どうしようと心配で、心臓バクバクだったんだ。
もう怖くて真っ青さ。
相変わらずモコは食い意地が張っているからな。
あたいは、昆虫なんて見抜きもしないから安心さ。
ねえリアス、カマキリもハリガネムシがいなくなってくれれば一安心だよね。
これで栄養取られることもなくなり、元気が回復だね。
まあ水辺で魚に食べられたらお終いだけどね。
モコ、普通そう思うよな。
外的の寄生虫が居なくなるわけだからな。
ところが物事、そう簡単には問屋が卸して幕引きしてくれないのさ。
これは全くの謎とされているのだけれど、何故かハリガネムシが体内に居なくなった昆虫たちは、必ず間もなく数日程度で死んでしまうんだ。
全くのミステリーさ。
まったくもってハリガネムシって、不思議な恐ろしい奴だよな。
しえー。
本当にボクビックリ仰天さ。
南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏。
ボク間違ってもハリガネムシが進化して、哺乳類にも寄生可能にならないように祈っているんだ。