さて、リアスにビビ姉も座ってよ。
今日はお忙しい中、皆様お集まりくださって恐縮です。
それではこの前お約束した通り、カメムシについてボクが少し調べたので発表します。
相変わらずモコは笑かしてくれるな。
得意のオヤジギャグから一段前進かな。
・アルミ缶の上にあるみかん
・布団がふっ飛んだ
・新しいのがあったらしい
・アルマーニじゃあるまいに
・椅子に座っても、いいっすか?
それこそ定番のこんなギャグセンスしか今までモコにはなかったからな。
ビビ姉お静かに。
カメムシとは、カメムシ目カメムシ亜科の中に含まれる、カメムシ科の昆虫の総称なんだ。
実は1.000種類以上もいて、例えば、「アメンボ」や「タイコウチ」なんていう、水辺の代表的な昆虫たちもカメムシの仲間なのさ、このように思った以上にいろんな奴がいるのさ。
おっなんかモコ、しっかり真面目に調べたみいじゃん。
少しは期待できそうかな。
ビビ姉お静かに。
私語は謹んでください。
今日のボクはマジで真剣なんだ。
今回はボク頑張って、カメムシの種類や天敵や寿命、冬眠など生態について紹介するよ。
でもまず最初に教えてあげたいのが、ニオイが臭くて嫌われモノだとばかり思っていたカメムシだけど、良いカメムシ君だっているってことさ。
嫌、昔の萩本欽一の欽ドン(古いかな?)のように、良い・悪い・普通のカメムシがいるんだよ。
カメムシと言えば通常であれば、害虫イメージぷんぷんなわけだけど、さすがに種類が1.000種類以上もいれば、なかには人間の役に立つ良い子のカメムシもいたりするのさ。
それが「ハナカメムシ」なんだ。
何故役立つかと言えば、野菜などを襲う農業害虫を捕食してくれるからさ。
つまり、「ナナホシテントウムシ」みたいな存在さ。
詳しく紹介すればヒメハナカメムシは、アザミウマなどの農業害虫を捕食して、野菜を害虫から守ってくれます。
またボクが一番驚いたのが、良い臭いを出すカメムシもいることさ。
もちろんいいニオイを出したって、良いカメムシとは言えないけどね。
「オオクモヘリカメムシ 」と「キバラヘリカメムシ」のニオイは、それこそ青リンゴのようないいニオイなのさ。
普段よく見かける臭くて、これぞカメムシのニオイと言える奴が「クサギカメムシ」。
パクチーに似たニオイだよな。
まあ人間の都合で勝手に悪いカメムシと決められるのも少し可哀そうだけど、害虫とは次の3つに大別されるよ。
・不快害虫
・衛生害虫
・農業害虫
先ほど述べた、くさい臭いを放つ「クサギカメムシ」などは、不快害虫あるいはあまりにも激臭を放つならば「衛生害虫」に当たるわけさ。
良い子悪い子とされるカメムシ以外は、実はみんな普通のカメムシ。
先ほど紹介したように、水辺の昆虫であるアメンボ・タイコウチ・タガメ・ミズカマキリなんかが全て、立派なカメムシの仲間となるわけなんですよ。
意外なところでは「セミ」だって、カメムシの仲間のグループの一員だっていうからビックリ。
昆虫の世界も奥が深くてじつに面白いですね。
さて本当に強烈なニオイを発するカメムシですが、無暗やたらに悪臭を出すわけではありませんよ。
カメムシが悪臭を発するのは、外敵に襲われた時など、刺激を加えられ身の危険を感じた時。
この無暗にニオイを発しない理由が、実はカメムシにとって自分の強烈なニオイが諸刃の剣だから。
ちょっとこの動画をチェックしてみて。
どう傑作でしょ。
ボクも大笑いしちゃったよ。
本来であれば、通常毒を持つ生物たちは、その自分の毒に対して免疫を持つのが普通。
でもカメムシは免疫を持っていない間抜けものみたいですね。
ビビ姉、さっきあくびしてたけど大丈夫?
クソしっかりチェックしてやがるな。
いやあモコ、この動画は面白かったよ。
さて、みなさんもビビ姉みたいに眠気を及ぼさないように、ちょっと恐いお話を紹介。
なんとバンパイアカメムシがいたらどうします。
その正体は、カメムシの仲間の「サシガメ」。
名前の通り、サシガメは人を刺す習性があるとか。
画像引用:https://twitter.com/gekigavvolf/
みてみてビビ姉。
この見事に尖った長い口。
サシガメは、昆虫や哺乳類の血液を吸う吸血鬼なんだ。
だから人だって、気をつけないと刺されてしまうことがあるわけさ。
こんな恐ろしい奴もいるとはビックリ。
他のカメムシたちにも、同じように「ストロー状の長い口」を持つ種類がいるんだけど、みんな吸うのは植物の汁なのさ。
だから基本的には人を刺したりはしないから安心だけど、刺激を与えると何かの拍子に「誤って」人間を刺すケースだってあるのさ。
それこそ同様に、セミが人間を刺すことだってあるんだよ。
カメムシの寿命は1~2年程度なのさ、だから冬眠して越冬するわけだけど、それもせいぜい1度か2度なんだ。
カメムシの活動開始の合図が気温で20℃程度。
だから大体4月ころになれば現れだすよ。
夏場に一番活発に動き回って、必死に交尾相手を探すんだ。
初夏に産卵された卵は約半月で孵化。
2ヶ月程度の間に通常5回も脱皮を繰り返し、幼虫から成虫に成長。
そして夜の気温が10℃以下になりだせば、冬眠場所を目指して集まり移動開始。
この時期、よくカメムシの大量発生が話題に上るのが、このように群れをなして集まる習性があるためさ。
通常のカメムシの越冬場所は以下の通りなんだ。
・葉の裏
・木のうろの中
・石や岩などの隙間
最後にカメムシの天敵を紹介するよ。
カメムシの天敵はとても多くて、何と卵まで狙われてしまうほど。
だから必死になって、あの臭いニオイを出すわけ。
実はあのニオイには、「アルデヒド」という毒が含まれているんだ。
天敵が、一度あの強烈な匂いを嗅いでしまうとさすがに懲りて、その後同じ種類のカメムシを襲わなくなるなどという報告もあるとか。
カメムシの天敵は以下の通り。
・カマキリ
・クモ
・鳥
・カエル
・トンボ
・トカゲ
また、「カメムシの卵」をよく食べるのが、ゴミムシやアブの仲間やオオトビサシガメ・グンバイメクラガメなど。
実はオオトビサシガメとグンバイメクラガメは、何とカメムシの仲間。
だから、いわば共食いしているわけさ。
卵のうちならば、あの強烈な臭いニオイもないから襲われやすいわけです。
「寄生蜂」や「ヤドリバエ」と呼ばれる昆虫たちは、自分の卵をカメムシの卵の中に産んで寄生させます。
以下の5種類が有名です。
・チャバネクロタマゴバチ
・ヘリカメクロタマゴバチ
・カメムシタマゴトビコバチ
・ホソヘリクロタマゴバチ
・マルボシハナバエ
昆虫たちも生き残るために必死、すさまじい知恵比べが行われているのです。
チャバネクロタマゴバチには脱帽。
確かにダブって寄生する卵に、自分の卵を産み付けてしまえば大失敗。
そこでそんなミスが生じないように、チャバネクロタマゴバチは、しっかりマーキングをして産み分けていくとういから驚き。
でも一方カメムシだって必死で抵抗していますよ。
カメムシの防衛手段は、とにかく天敵に卵が見つからないように工夫すること。
そこで考え出した対抗方法が、普段自分たちがエサとして食べる植物には、決して卵を産まないことなんだ。
だから普段だったら近づきもしない、まったく別の植物に卵を産み付けます。
こうして少しでも、天敵から卵が見つかるリスクを避けているわけ。
種の生存を巡って、このような様々な知恵比べが行われているのさ。
さあこれでボクのカメムシ講義は終了だよ。
どうもご清聴ありがとうございました。
へえ。
想像以上に面白い話でビックリ仰天さ。
あたいはこれからモコのことを、カメムシ先生って呼ぼうかな。
止めてよビビ姉。
それじゃまるでボクが、何かカメムシみたい臭く思われちゃうよ。
絶対にそんな呼び方止めてよね。
いやあモコ、ビビじゃないけど私もビックリ。
出来栄えの良さに感激したよ。
それじゃご褒美のおやつをあげないとな。
どうぞカメムシ先生。