またモコがよだれ垂らして寝ているよ。
最初は病気じゃないかと心配したけど、上手いご飯の夢が原因と分かったからな。
本当に能天気な食いしん坊犬さ。
あれえビビ姉、ボクまたよだれ垂らして寝てたね。
またボク、夢の中で舌鼓を打っていたんだ。
何のご馳走の夢かって。
それは何と「新米」さ。
えっ、ただの白米じゃないさ、新米だよ。
みんな食いしん坊ってバカにするけど。
ボクくらい食べ物が大好きで通になれば、新米は最高なんだ。
新米の時期になれば、リアスがいろいろ新米で手作り食を作ってくれるじゃない。
あれがどれも絶品さ。
まあ確かに新米は、あたいも美味しいと認めるよ。
チワワは少食だ、偏食だとよく言われるけど、本当に美味しいものなら目がないのさ。
その意味でも、新米は合格だな。
何か、ビビもモコもなかなか食通な話題で盛り上がっているな。
もちろん文句なしに新米は美味しいよな。
私もモコじゃないけど、あのやつやでふっくらした美味しい新米の炊きあがりを、想像しただけで思わずよだれを垂らしそうだよ。
毎年、新米を食べる瞬間は、日本人に生まれて良かったと感じるね。
つやつやの新米の銀シャリに、みそ汁、焼き魚、お浸しと、とにかく食が進んで最高!
モコは新米最高って叫んでいるけど、お米は銘柄でも味が凄く変わるんだぜ。
日本各地に代表的なお米の銘柄が存在するけど、モコはお気に入りとかあるかな?
ボクが好きなのは、宮城県の「ひとめぼれ」。
まさしくひとめぼれしたなんちゃって。
げっ。
なんだモコ、パパさんじゃあるまいし。
おやじギャグかよ。
いい加減あたいは、パパのおやじギャグにはもううんざりなのに、モコまで真似しないでくれよ。
それでは、各地の代表的なお米の銘柄が、新米として市場に出回る時期を紹介しておこうか。
産 地 銘 柄 時 期
北海道 ななつほし 10月下旬
宮城県 ひとめぼれ 10月下旬
秋田県 あきたこまち 10月下旬
新潟県 コシヒカリ 9月下旬
新潟県 こしいぶき 9月上旬
富山県 コシヒカリ 9月下旬
茨城県 あきたこまち 9月中旬
静岡県 なつしずか 8月上旬
宮崎県 ひのひかり 8月上旬
新米といえば実りの秋を感じさせますが、上記一覧表の通り、早い産地の新米だと、暑い夏の盛りの時期の8月上旬から出荷され出してますよ。
新米の収穫状況は、日本人が大好きで、毎年春先に首を長くしてお待ちかねのあれと同じなのさ。
どうだい、ビビとモコは分かるかな。
ボク分かったよ。
簡単さ。
新米のニュースを見ていた時、その話が出ていたことがあるんだ。
あれ、ビビ姉、どうしたの。
もしかして分からないとか?
いつもボクをバカにばかりしているけど、食べ物関係の問題なら結構ボクの方が強かったりして。
何とビビが頭をかしげている問題を、まさかモコが分かるようになったか。
まあ食べ物関係の話題だけだろうけど、モコもさすが成犬になっただけのことがあるな。
さて、もちろんみなさんは、もうピンとひらめき分かったことでしょう。
その答えは、「桜前線」です。
「新米前線」も「桜前線」同様に、西から日本列島を縦断していくわけで、当然一番手は沖縄で、早くも7月初旬から新米が楽しめちゃうんですよ。
そして続いて九州に移って、こちらが8月上旬。
関東あたりだと、8月下旬からですね。
また、日本海側に移って、お待ちかねの新潟県のコシヒカリで、9月上旬。
東北地方が9月下旬からで、北海道が10月下旬という具合です。
実は新米と呼ばれるためには、法律で定められた2つの定義があります。
米穀年度では、「収穫した年のお米が新米」なんだ。
米穀年度とは、食料管理法に基づく考え方で、単純に、その年に収穫されたお米が「新米」、そして前年のお米は「古米」と呼ばれます。
お米の収穫時期に合わせて決められており、11月から始まり翌年10月までを1年間とします。
ところが最近では、この米穀年度は、実情にマッチしていないという意見が多数を占めだしているんだ。
理由は品種改良の影響で、7~8月に収穫ができる早場米が広がり、収穫時期が早い産地が多くなってきたから。
このため、最も遅い北海道でも新米の収穫が10月下旬には完了してしまい、その年に収穫したお米のはずが、すぐに11月1日をもって新米が古米に変わる穀年度は、実情にマッチしていないと非難の声が高まっているのさ。
JASマークでおなじみのJAS法の場合であれば、「収穫された年の年末までに精白し、梱包をした玄米や精米だけが新米の表示ができる」と定められています。
このため、今年収穫したお米を年内に精米さえすれば新米になるわけ。
そのため最近は、新米が年明けから春先前ごろまでも、お店の店頭に並んでいることもあるわけですね。
したがって、美味しい新米を選ぶためには、精米日を確認することが大切となります。
JAS法の場合、精米年月日の表示が義務付けられているため、必ずチェックすれば精米年月日が明記されていますよ。
ねえリアス。
さっきボクジョークでひとめぼれとか言ったけど、一体どこの銘柄がオススメなの?
これは誰しもが疑問に抱く問題だな。
もちろん味の好みは人それぞれでしょうが、やはり実際の評価がどうなっているのか気になりますね。
それを一目で簡単に知るには、日本全国の都道府県別のおすすめのお米が分かる一般財団法人日本穀物検定協会が発表する食味ランキングがおすすめです。
「外観・香り・味・粘 り・硬さ・総合評価」の6項目について評価して、ランキング発表していますよ。
意外に年によって評価が変化します。
それは、定評ある名産地のお米でも、その年の気象状況の変化で味の良し悪しの影響が生じるから。
実際に手間暇かけて、毎年食味を実施して評価を下しているので、間違いなくその年の評価が分かり役立ちますよ。
私の地元三重県では、29年産の伊賀コシヒカリが特A評価を受けましたね。
これにはビックリ。
まさか地元に特A評価のお米があるなんてね。
こんな具合にもしかすれば、あなたの地元にだって、見逃していた美味しい新米があるかもよ。
また順番に、日本各地の特A評価のお米を食べ比べてみるなんていうのもおすすめです。
情報を知りたい方はこちらの「食味ランキング」でチェックしてみましょう。
せっかく美味しい新米を手に入れたからには、誰しも美味しく炊いて最高級の味わいを得たいもの。
新米はどのように炊いても、やはり古米に比べて柔らかくて美味しいけれど、浸す時間や水加減と最新の注意を払って、ひと手間かけて炊き上げれば、一味違ってふっくらつやつやの最高の銀シャリが味わえます。
私も大学時代は自炊していたので、結構ご飯の炊き方は研究しましたね。
さて最後に、プロ級の銀シャリの炊き方のレシピを紹介しますよ。
今日日では、お米を米びつストッカーに入れて置けば、一合とかわざわざ計らなくても、ボタン一つで自動で出てくれて、多くの家庭で利用しているはず。
でもこれ、意外に思わぬ誤差が生じることもあります。
普段は許しましょう。
でも、新米で食べる時だけは、もしかの危険を避けて、新米で本当に美味しい炊きあがりを目指すために、面倒ですがまずは正しい計量から始めましょう。
計量カップ(180ml)を使ってみて。
軽量の仕方のコツは、カップにお米を押し込まないように注意を払い、ざっと山盛りにすくった上で、次に左右にゆすって平らにして、すりきりで計ること。
本当にあなたがプロの味を目指し、美味しいご飯にこだわる場合、まずは手抜きせずにきっちり計量からが第一歩です。
お米を研ぐ時、あなたは内釜を使用していませんか、その場合、面倒でも別の容器を使うのをお勧めします。
まあこれは、別段味に直結するこだわりではないのですが、長期間使っていると内釜に傷がつきやすくなるため止めておきましょう。
オススメはボウルなどを使用すればいいですね、なお、ザルの使用はNG。
理由は、米粒がザルの網目に刺さって削れたり割れたりしてしまうから。
さてここで、一番大事な話をします。
始めの1回目に使用する水は水道水ではなく、ミネラルウォーターか浄水器の水を使うのが理想。
理由は、お米が植物として繁殖するための性質についての由来に話が遡ります。
これは、お米の研ぎ方の話からは、とても飛躍しているようにも感じますが、納得してもらうためには、とても大切な話なので我慢して聞いて。
お米は最初に水がかかった瞬間に、子孫の種を残そうという本能から一気に吸水します。
そして一度吸水すると、二度と中から排水しなくなるそうです。
このため最初の1回目にあたるお米に吸収させる水には、不純物が少ない綺麗なミネラルウォーターや浄水器の水を使うのがベターであり、炊き上がりが良くなるわけ。
お米を大きめのボウルに入れて、すべてのお米が浸るくらい水(ミネラルウォーター)を入れます。
軽くかき混ぜて、10秒ほどで素早く水を捨てます。
同様にお米をもう1回すすぎましょう。
もちろん2回目以降は水道水でOK。
目的は、1回目でお米にミネラルウォーターなどの良い水を吸わせるのと、表面についているゴミやホコリを取り除くためで、通常は2回すすげば十分。
ただしまだ、もしも米粒が見えないほど水が濁る場合は、追加でもう1回すすいでおきましょう。
さていよいよここからお米を研ぎます。
NGの研ぎ方が、水を入れたまま研ごうとすること。
水が入っていると、お米が浮いてしまって、米同士の摩擦が起きません。
このため、必ず水を捨てた状態でお米は研ぐと覚えておきましょう。
お米のとぎ方は、よく言われるボール握りの形で手でかき混ぜ、「シャカシャカ」という音を立てれていれば正解。
一定のリズムとスピードを保って、20回程度かき混ぜましょう。
研ぎ終わると、乳白色に濁った水が出てくるので捨てて、新しい水をたっぷり加えて2~3回かき混ぜ濁り水を捨てます。
この要領で、素早く水を注いで2回すすぎましょう。
2回すすぎ終わった時点で、水に浸したお米が見えていれば研ぎは完了です。
「研ぎ足りないかも」と不安に思う方がいそうですが、今は精米技術が進歩しておりほとんどヌカが付いていないため、これで十分OKなんです。
逆に研ぎすぎる方が、お米にダメージを与えてしまってよくないといえます。
すすぎから研ぎ終わりまでの時間を、3分くらいで終わらせるのが理想的。
さあここが正念場、最も大切であり一番注意が必要なのが「水加減」。
よくみなさんが失敗してしまう原因が、いつもと同じ水加減ではダメだから。
新米の水加減は注意が必要で、いつもの分量より10%ほど減らすのがコツ。
このポイントを知っているかどうかが勝負の分かれ目。
10%といっても分かりにくいでしょうから、簡単な10%減らす目安の方法を紹介しましょう。
10%減らすには、いつもの水加減の目盛りの太い線の1mmか2mm下くらいから試してみると良いでしょう。
なお水加減は、1度で完璧な量を見つけるのは不可能。
それはお米の固さや、食感は個人の好みがあることと、あなたが使用する炊飯器やお米の種類によっても炊き上がりに特徴が出るからです。
このため、目安として入れた目盛りの太い線の1mmか2mm下くらいの位置を基本として、それからいろいろ水の量を調整して何度か炊き、自分の好みを見つけるのがおすすめです。
新米の水加減を、古米より減らした理由は、お米は時間の経過とともに徐々に固まってゆく性質があるからです。
つまり、古米より新米はずっと柔らかいため。
さて、ふっくらごはんにするためのあと注意したいポイントは、水を入れて直ぐに炊いたりしないこと。
夏場や新米の時期であれば、30分くらいは浸しておく必要があります。
なお、長くつけ過ぎてもダメ。
あまり長い時間浸すと、軟らかく炊けすぎてしまう可能性があるので注意。
ただし、冬場や冷たい水を使用する場合は、60分くらいが目安。
このように、お米を浸す時間も少しづつ調整して自分の好みと合う時間を見つけましょう。
ただし、ここで注意事項を発表、注意するのは炊飯器の種類なんだ。
最近は優秀な炊飯器が多くなり、メーカーによっては、浸漬ゼロでもOKな仕様のものがあるため、下手に浸さなくても良いケースがあります。
そこでこればかりは、最初に必ず説明書をしっかり読んで確認してください。
最後にもう一つ秘伝のコツを紹介。
それは簡単、冷たい水で炊くこと。
軟水のミネラルウォーターか、または浄水した水道水を冷蔵庫で冷やしておくのがオススメ。
特に梅雨時から夏にかけての時期では、冷蔵庫で冷やした水で炊くことで、粘りやしゃっきり感、弾力が出て、とてもおいしく炊きあがります。
もし、収穫したばかりの柔らかい新米を、ぬるめの水で炊いてしまえばすべてが台無し。
米がふやけてしまい、せっかくの美味しいはずの新米の味が損なわれてしまいます。
とにかく新米はやはり最高。
お米本来の鼻から抜ける香りや、みずみずしさ、つや、てりは、この時期の新米からしか味わえません。
くれぐれも、誤った炊き方で、せっかくの新米の味を損なわないように注意しましょう。
炊き上がった場合、次に行う大切な作業が蒸らし。
蒸らしの効果は、ごはん粒の水分を均一にすること。
このため、ご飯が炊けて炊飯器のブザーが鳴ったならば、すかさず蓋を開けて、蒸気や余計な水分を飛ばすことが肝心。
仮に閉めたまま時間が経ってしまうと、蒸気が蓋の裏について水滴となり、それがお米に落ちてしまい、その結果せっかくのご飯がベタついてしまいます。
ただし最近の炊飯器は、蒸らし時間が炊飯器に含まれており、既に蒸らしは炊飯モードで自動的に終わっている場合が多いといえます。
したがって、これも最初にしっかり説明書を読んで確認しておく必要がります。
さて遂に、最後の仕上げまでこぎつけましたよ。
蓋を開けて、ご飯をほぐしましょう。
ほぐし方は、ご飯にしゃもじを刺して十字に切り、四分割します
続いて、分割したご飯の1/4をひっくり返し、他の残り3/4のご飯の上に乗せます。
コツは、一粒ずつ切り離すようなイメージを持つことで、その感覚でしゃもじを使ってほぐします。
この時の注意ポイントは、上に乗せたご飯の米粒を潰さないこと。
同様にして、残り3/4のご飯もほぐしていきます。
これで余分な水分が全て飛び、ふっくら美味しいごはんが出来上がります。
さらにここで蓋をして、後5分ほど置けば、これでよりふっくら感がまして、プロもビックリの美味しい新米が炊き上がりました。
これで、プロ級の炊き方のレシピの紹介を終了します。
うわあ凄いなボク感激だよ。
ご飯一つ炊くだけでも、こんなにいろんな注意ポイントがあったんだね。
そうか、だからリアスが炊いた新米は、いつもあんなにボクが思わずよだれを垂らすほど美味しかったのか。