シナモンとは、クスノキ科の日桂(ニッケイ)の「木の幹」や「皮」をはぎとって乾燥させた香辛料。
スティック状のものとパウダー状のものがあり、料理やお菓子作り、また飲み物までにも広く活用され、”スパイスの王様”とも呼ばれています。
独特の甘みや苦みがあり、広く世界中で親しまれて愛されているシナモン。
しかし犬には不向きでNGとされているようですが、犬にシナモンを与えるのはダメなのでしょうか?
答えはダメ、NGです。
犬にシナモンを与えてはいけない理由は、シナモンの含有成分である「クマリン」という物質が、犬の健康に害を及ぼすためです。
具体には、肝臓障害を引き起こすことが報告されています。
クマリンは、肝臓に悪影響を及ぼす性質とされる肝毒性があるとされています。
このため人間でも、1日10gまでがシナモンの安全な1日の許容量とされているほどです。
成分名 成分量(100gあたり)
エネルギー 364kcal
水分 9.4g
タンパク質 3.5g
ナトリウム 23 mg
カリウム 550 mg
リン 50 mg
亜鉛 0.9 mg
銅 0.49 mg
ビタミンB2 0.14 mg
ナイアシン 1.3mg
愛犬が万一シナモンを食べてしまったケースでは、必要以上に飼い主さんが慌てないことが大切です。
まずは落ち着いて、愛犬が食べたシナモンの量を確認することが必要。
ワンちゃんが、少量程度のシナモンを食べた程度では、すぐに命に関わるような大きな症状が出ることはほとんどありません。
そのため落ち着いて愛犬の様子を観察して、何か異変を感じたケースでは、至急動物病院へ連れて行ってあげてください。
なお、異変が生じてからでは心配だという方は、とりあえず一度動物病院に連れていき、獣医師の診断を受けておけば安心です。
なお注意したいのが、素人が無理に吐かせるような対処をすること。
最近はサイトを見れば、愛犬が異物誤飲したケースなどで、オキシドールや食塩水などを使用して、簡単に吐かせる方法が紹介されています。
しかし、愛犬が異物誤飲して体調が不安定な状態で、万一悪化させてしまえば取り返しがつきません。
犬に嘔吐させるような作用が働く物質は、危険なものであるのは間違いない事実。
素人が行うには、どうしてもリスクが伴います。
万に一つでも危険が伴うような処置は避けるのがおすすめです。
愛犬に吐かせようとしているあいだに、動物病院へ到着することができますよ。
シナモンは人気のスパイスであり、思った以上に身近な食べ物に含まれています。
・シナモンロール
・バナナトースト
・アップルパイ
・スイートポテト
・かぼちゃプリン
・パンプデイング
・八ツ橋
・シナモンティー
・ジンジャーエール
・コーヒー
・カレー
上記の食べものにはシナモンが含まれている可能性が高いため、注意が必要です。
シナモンは強い香りがするため、結構気づきやすいかもしれませんね。
なお、シナモンがNGの理由がクマリンを含むためです。
クマリンは、桜の葉に代表される植物の芳香成分の1種です。
このため、シナモンを使っていない食材にも、クマリンが含まれています。
例えばクマリンは、桜の葉にも含まれているため、「桜餅」に用いられているオオシマザクラの塩蔵葉なども注意が必要となります。
犬用おやつの商品には、「シナモン風味」や「シナモンパウダー入り」が存在します。
危険なクマリンを含むシナモンを用いた商品は、当然ですが安全が気になってしまいます。
そもそもシナモンは、「カシアシナモン」と「セイロンシナモン」の2つに分類されます。
この2つのシナモンの違いの特徴は、含まれるクマリンの量に大きな差があることです。
シナモンスパイスのクマリン検出値は次の通り。
・セイロンシナモン平均値:13.7ppm
・カシアシナモン平均値:3257.5ppm
参照:広域監視部 平成 19 年度先行調査「シナモン含有食品中のクマリンの実態調査」
上記の数値の通り、セイロンシナモンに含まれるクマリンの量は、カシアシナモンより大幅に少ないわけです。
このため、犬用おやつにはセイロンシナモンが使用されており、この程度の少量であれば、犬に害を及ぼすことはまずないと考えられているようです。
確かに人間にとってシナモンは、リラックス効果なども働き、シナモンの香りを好む方も多くみえます。
このためワンちゃんもシナモンの香りを好むかと思えば、それは大きな間違いのようです。
実はシナモンの香りは、犬のマーキング防止のスプレーや、忌避剤などとして使用されているのです。
この事実を見る限り、わざわざ危険なクマリン入りのシナモンを、犬用のおやつとして使用するメリットがどこにあるのか疑問を感じてしまいます。
とにかくオススメな犬用のおやつは星の数ほどあるため、危険なシナモンを使用するおやつを選ぶ必要性が感じられませんね。