もずくと言えば、まず思い浮かべるのがもずく酢でしょう。
酢の物の定番であり、酒の肴にも最高だし、食卓にも結構登場したりします。
ツルっとした食感が独特で、海藻の上に酢の物は体にも良さそうですが、犬にどうなのでしょうね。
また、意外に天つゆなどをかけても美味しくいただけます。
今回は、もずくをワンちゃんに与えても大丈夫か見ていきましょう。
答えは大丈夫。
もずく自体は、犬に害を与える成分は含まれていないので与えても問題ありません。
ただし味付もずくはおすすめできません。
例えば、海産物直売所などでは、もずくを塩浸けした「塩もずく」が販売されていますが、こちらの商品であれば水で洗って塩抜きして与える必要があります。
もずくは消化面を考慮すれば、「湯通し」したものを与えるのがおすすめです。
また、もずくといえばもずく酢がイメージとして浮かびます。
市販品のもずくの場合、「三杯酢」「黒酢」などを加えられて作られているパターンが多いといえます。
酢・しょうゆ・みりんを混ぜたものが三杯酢であり、また黒酢の場合は、穀物酢であり米や大麦などを発酵させて作っています。
お酢の場合、特に中毒になるような成分は含まれていませんが、人間用に作られたお酢の場合、どうしても塩分や糖分などが多く含まれているため、犬に与えるのは避ける方がよいといえます。
成分名 成分量(100gあたり)
エネルギー 6kcal
水分 96.7g
タンパク質 0.3g
ナトリウム 240mg
カリウム 7mg
リン 2mg
銅 0.01mg
ビタミンB2 0.09mg
葉酸 2μg
食物繊維 2g
もずくは海藻類の中でも、フコダインを多く含みます。
フコダインは、海藻特有のヌルヌル・ネバネバの元であり、今とても注目されている成分といえます。
多糖類の1種であり、水溶性食物繊維に分類されます。
フコダインは、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えます。
また、腸内の余分なコレステロールや胆汁を対外へ放出してくれます。
さらに、糖質の吸収を穏やかにすることで、余分な脂肪を蓄えるのを防いでくれます。
β-カロテンには抗酸化作用があり、有害な活性酸素を消去してくれて免疫力をUPさせ、ガンの予防や老化予防に効果があります。
また、必要に応じてビタミンA不足を補うかたちで体内の酵素で変換するため、よく言われる中毒や過剰症などを引き起こす心配はありません。
視力や皮膚、喉、鼻などの粘膜を正常に保つ作用が働き、健康維持に効果を発揮します。
ビタミンKは、血液を固める止血作用や、タンパク質を活性化させて、骨の形成を促す作用があります。
ワンちゃんは、腸内細菌によってビタミンKを合成しますが、それだけではまだ不十分なため、普段の食事からも摂取して不足を補う必要があります。
マグネシウムはミネラルのひとつであり、骨や歯を作る構成成分であり、また、血圧や体温調整、神経伝達にも欠かせない栄養素です。
ただし、過剰摂取すると尿路結石の原因となるため、バランスよく摂取することが大切です。
セレンはミネラルの一種であり、抗酸化作用に優れ酸化ストレスを減らしたり、またDNAの損傷や老化予防などの効果があります。
さらに、セレンの血中濃度が高くなると、乳がん、肺がん、大腸がん、前立腺がんなどの特定のガンの予防効果が期待できます。
また、セレンはビタミンCやEと一緒に摂取することで、一層抗酸化力が上がります。
ただし、過剰摂取してしまうと、食用の低下を引く起こすリスクもあるため、バランスよく摂取することが重要となります。
アルギン酸は、もずく特有のヌルヌルしたぬめりけの部分に多く含まれている多糖類の一種です。
アルギン酸は天然の食物繊維であり、血圧上昇を抑制したり、血中コレステロールを下げる効果が期待でき、生活習慣予防に効果を発揮します。
もずくは、犬が消化できない食物繊維が豊富なため、与えすぎてしまえば消化不良になり、下痢や嘔吐を引き起こす原因となる恐れがあります。
また、水分も96.7%と多く含まれているため、水分を摂りすぎてお腹をこわす可能性もあります。
もずくは食物繊維を多く含み消化が悪いため、生で与えずに茹でてあげましょう。
茹でることで消化がしやすくなります。
また、茹でた後は細かく刻んであげることで、一層消化がしやすくなりおすすめです。
さらに、フードプロセッサーなどを使って、ひと手間かけて砕いてペースト状にしてあげれば最高です。
もずくの加工品には「もずく酢」や「塩もずく」などがあり、塩や砂糖などの調味料が多く使われているため与えるべきではありません。
もずく酢の場合、犬には酢は刺激が強すぎるので嫌がってしまう可能性も高くなります。
また動物には、酸っぱい匂いを腐っていると認識する性質があります。
このため、うっかり与えてしまっても、食べないケースも多いかもしれませんね。
塩もずくは、もちろんそのまま与えるのは塩分が多くNG。
与える場合は、しっかり塩抜きをする必要があります。
どのような食べ物でも、初めて愛犬に与える時には、常にアレルギーに注意すべきです。
このため、初めて愛犬にもずくを食べさせるときは、極微量与えることがまずは常識。
そしてしっかり、愛犬に変化が何か生じないか観察します。
元気がなくなるなど、少しでも気になる変化が感じられた時には、それ以上与えないようにしてください。
アレルギーが起こったケースでは次のような症状が起こります。
・目の充血
・体を痒がる
・湿疹、じんましんが出る
・嘔吐、下痢など