ナッツ類はワンちゃんには与えるべきでないといいますね。
ということは、くるみをチワワに与えるのはNGなのでしょうか?

今回はチワワがくるみを食べた時の危険性や、メリット・デメリットなどの知っておくべき知識について紹介します。

チワワはくるみを食べて大丈夫?

結論を言ってしまえば、「くるみ」は少量であれば食べても大丈夫です。
しかし、チワワの健康に良くない成分を含んでいるのも事実です。
だから、一度に大量に食べてしまった時は問題です。

くるみの主な栄養素

成分(100g当たり) 含有量
水分 3.1g
カロリー 674kcal
タンパク質 14.6g
脂質 68.8g
炭水化物 11.7g
食物繊維 7.5g
リノール酸 41g
カリウム 540㎎
リン 280㎎
鉄分 2.6㎎

くるみをチワワに与えるメリット

「不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)」

くるみには、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸という不飽和脂肪酸が含まれています。
体内で作ることができない必須脂肪酸だから摂取が大切となります。
オメガ3脂肪酸には、健康によいとされるDHAやEPA、αリノレン酸などが含まれます。

最近は重要性が重視されており、犬用のオメガ3脂肪酸サプリメントなども販売されているほどです。
免疫力向上、認知症予防、アレルギー抑制などたくさんの効果が期待できます。
オメガ6脂肪酸は、アレルギーを促進してくれます。
ただし、善玉コレステロールと同時に善玉コレステロールも減らしてしまう働きがあるため、注意が必要です。

「脂質」

脂質は、タンパク質、糖質と並んだ3大栄養素であり、くるみは脂質を豊富に含みます。
エネルギー源となり、細胞膜の成分やホルモンを作り出します。
不足してしまうとチワワの成長に影響を与え、皮膚の乾燥を招き皮膚炎や、被毛の艶がなくなってしまいます。
また、過剰摂取してしまうと、肥満や生活習慣病などの原因になってしまうため注意が必要です。

「リノール酸」

リノール酸は多価不飽和脂肪酸の一種で必須脂肪酸のひとつであり、健康な体を維持するのに必要です。
血中コレステロール値・中性脂肪値などを下げてくれます。
また、悪玉コレステロールを減らす働きがありますが、摂取しすぎると善玉コレステロールまでも減らしてしまうといわれており、摂取バランスが大切となります。

「トリプトファン」

トリプトファンはチワワが体の中で作り出すことができない必須アミノ酸のひとつです。
抗ストレス作用や睡眠の質の向上、肥満防止などさまざまな効果が期待できます。
また、脳内で働く重要な神経伝達物質であるしあわせホルモンとも呼ばれる「セロトニン」を生成するのに必要であり、ストレスに強くなり、気分の落ち込みやイライラなどを防ぎ、情緒を安定させる効果があります。

さらに、睡眠ホルモンである「メラトニン」の材料となり、睡眠の質を上げる効果が生じます。
睡眠の質が上がれば成長ホルモンの分泌量が増え、ターンオーバーなどの細胞を修復する作用が向上し、美肌や、アンチエイジング、疲労回復の効果も期待できます。

その他にも、トリプトファンから「ナイアシン」が合成されます。
動脈硬化の予防などが期待できます。

チワワがくるみ食べる時の注意点

「尿路結石に注意」

くるみの成分にはリン酸があり、その中に含まれる「リン」が要注意です。
リンは必要不可欠なミネラルであり、エネルギー代謝や脂質代謝などを促進してくれます。
しかし、摂取しすぎると、結石を作る原因になるとされています。

他にリンを多く含む食材は次の通りです。
(100g中のリン含有量)

・プロセスチーズ 7,300mg
・ベーキングパウダー 3,700mg
・煮干し 1,500mg
・するめ 1,100mg
・脱脂粉乳 1,000mg

「くるみの殻」

くるみの殻は非常に固く、消化不良はもちろんのこと、内蔵を痛めたり、腸閉塞などの原因にもなりかねません。
ワンちゃんは固いものを噛むのが大好きなので、絶対に与えてはいけません。
なお、チワワのように歯が弱い犬種であれば、無理にかみ砕こうとして歯が欠けてしまう恐れもあります。
殻付きのくるみは、必ず丁寧に殻を取り除いてからチワワに与えましょう。

「細かく砕く」

チワワたちワンちゃんは噛まずに飲み込むのが習性です。
そのためくるみは、細かく砕いてからチワワに与えましょう。
大きな状態で丸呑みしてしまうと、消化に良くありません。
また、チワワのような小さなワンちゃんは、喉に詰まって呼吸困難を起こしたり、腸に詰まってしまう危険が生じます。

くるみは腸内で大きく膨らむ性質があるため、いったん腸に詰まってしまうと取り除くのは困難なため要注意、腸閉塞になってしまうと手術をして取り出す必要が生じてしまいます。

「与えすぎに注意」

くるみは、脂質が豊富な上に食物繊維を含んでいます。
したがって、くるみを与え過ぎてしまうと、消化不良を起こし、下痢や嘔吐などを引き起こしてしまいます。
また便秘で悩まされることにもなります。
これは、食物繊維が水分を吸収して腸内で大きく膨らむため、腸内の水分が不足してウンチが固くなってしまうためです。

また、脂質のとりすぎは、カロリーオーバーで肥満になってしまいます。
くるみのカロリーは、100g中674kcalとかなり高めです。
さらに、膵炎の原因にもなるので注意しましょう。

「加工品は与えない」

くるみは人間用に味付けされたものが多く出回っています。
人間用の味付けは、チワワたちワンちゃんにとっては味が濃すぎます。
多くの塩分を含み、愛犬の健康を害してしまいます。
また、味が濃い物を食べさせてしまうと、味の薄いドッグフードを食べてくれなくなったり、
水分を取り過ぎてしまうことから下痢になったりします。

「アレルギーに注意」

くるみでアレルギー症状が出るケースがあるため注意が必要です。
このため、チワワに初めて与える時は細心の注意を払い、極微量与えるようにしてください。
与えてから、数時間はチワワから目を離さず様子を観察してください。

口や目のまわりを痒がる素振りが見えたり、元気がなくなるなど普段と少しでも違った様子が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。

・目の充血
・体を痒がる
・湿疹、じんましん、
・嘔吐、下痢

上記のようなアレルギー症状が見られたならば、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。

ナッツ類で危険なのは?

「マカダミアナッツ」

マカダミアナッツだけは、絶対にチワワに与えてはダメです。
マカダミアナッツには、ワンちゃんを中毒症状にしてしまう危険成分を含んでいます。
実は原因物質はまだ分かっておらず、中毒の生じるメカニズムなどもまったく不明です。
しかし、体重1kgあたり2.2gの量のマカダミアナッツを食べてしまうと、激しい嘔吐や下痢を起こし、さらに運動失調、高熱、頻脈などの症状が起こってしまいます。

riasu