海苔は加工法の違い一つで「生海苔」「乾燥海苔」「焼き海苔」「味付けのり」「青のり」などいろんな種類があり、おにぎり・のり巻き・手巻き寿司・ふりかけ・佃煮など様々な用途で使われ、非常に馴染み深い日本伝統の食材です。
また、海苔の中で馴染みが深いのは、おにぎりや巻き寿司などでよく使われているアオクサノリやスサビノリなどでしょう。
今回は、チワワが海苔を食べて大丈夫か、また、注意点や栄養素について紹介します。
結論を言えば、チワワが海苔を食べても問題はありません。
「海の野菜」とも言われる海苔は、ミネラルが特に豊富で、その他にもビタミン・食物繊維・カルシウムなどたくさんの栄養素をバランスよく含みます。
ただし気になる点もあります。
それは塩分量が多いことです。
そのため、与え過ぎないようにすることが大切になります。
海苔(焼き海苔)に含まれている主な栄養素は次の通りです。
成分名 成分量(100gあたり)
タンパク質 41.4g
炭水化物 44.3g
食物繊維 31.2g
β-カロテン 38㎎
ビタミンA 3.6㎎
ビタミンB2 2.68㎎
ビタミンC 160㎎
カリウム 3.1g
ナトリウム 610㎎
カルシウム 140㎎
鉄分 10.7㎎
ヨウ素 1400μg
はたして海苔は、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、犬種、運動量など様々な要因で異なってきます。
海苔は単独で食べる食材ではないため、ドッグフードなどに振りかけてあげたりするのが適しています。
よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となりますが、海苔のように量が少ない食材は、カロリーを目安にするのがおすすめとなります。
目安は総カロリーの10%未満です。
具体的に、ワンちゃんの体重別で、海苔の1日の摂取目安量を紹介しましょう。
ワンちゃんの体重 | 1日の海苔の摂取目安量 |
3kg | 0.3g |
5kg | 0.5g |
10kg | 0.8g |
20kg | 1.5g |
上記量はあくまで目安となります。
ワンちゃんに食べさせる量は、紹介量を限度に留めておくのがおすすめです。
特に初めて海苔をワンちゃんに与えるケースでは、食物アレルギーはどのような食材からでも出るため、上記目安量の1/3程度から試してみましょう。
海苔には多くのビタミン類が含まれており、被毛や皮膚を整え、バリア機能を高めて健康な粘膜を保ってくれます。
このため、チワワの毛並みや毛艶が良くなる期待が持てます。
また、コラーゲンの生成を促す作用があるため、肌が若返り皮膚トラブルが改善されます。
さらにビタミンは、効率よくエネルギーを作り、疲労回復にも効果を発揮します。
疲れやすい老犬や、運動の後におやつとしてあげるのも有効です。
また、目の疲れや視力低下予防にも役立ちます。
海苔にはチワワの皮膚や被毛、血、筋肉などの体を作るタンパク質が多く含まれています。
また、カルシウムや鉄分といったミネラル成分も多く含み、丈夫な骨や歯を作ってくれます。
チワワは超小型犬で体格が華奢なため、少しの衝撃で骨折してしまいやすく、少しでも骨を丈夫にしたいため、海苔は積極的に摂取したい食材です。
海苔には食物繊維がたっぷり含まれています。
このため、善玉菌を増やして毒素や悪玉菌を排出する働きが生じるため、腸内環境を整えチワワの便通を促してくれます。
またデトックス効果も働きます。
カリウムは、体内の余分な水分や塩を排出し、利尿作用が働きます。
タウリンは、肝臓に溜まってしまった中性脂肪を体外に排出したり、コレステロール値を下げくれます。
このように海苔は、チワワの体をクリーンにしてくれます。
海苔にはビタミンCやβ-カロテンが多く含まれているため、免疫力をUPしてくれます。
白血球の働きを活性化し、血液をサラサラにして風邪や病気になりにくくなります。
さらに、老化予防に役立ち、ガンの予防効果も期待できます。
β-カロテンを摂取することで、チワワの被毛艶が悪くパサついたり、フケが多くみられるようなケースにおいて効果が得られます。
また、チワワの体内でビタミンAに変換されて、目や粘膜の健康を維持し、皮膚や被毛、骨の成長をアプローチします。
ビタミンCにはコラーゲンを合成する働きもあり、ターンオーバーをサポートしてくれます。
ワンちゃんはビタミンCを合成できますが、1日に合成できる量は60mg程度でまだまだ足りないため、どんどん摂取したいビタミンです。
海苔は簡単に手でちぎれるので、必ず小さくちぎったり、あるいはハサミで細かくカットするなどして、大きなサイズのまま与えないように注意しましょう。
また、ぬるま湯にいれて溶かした状態で、ドッグフードにトッピングしてあげるのもおすすめです。
海苔はこのように一工夫して、サイズを小さくしてあげないと、チワワの口の中や喉に張り付いてしまう恐れがあります。
喉にくっついたケースでは、窒息死の原因となる可能性があり要注意です。
チワワを逆さまにして、背中を叩いて吐き出させたり、横に寝かせ首を伸ばした状態で頭を少し後ろにそらして舌を引張り出し、喉に張り付いた海苔が見えれば取りだしましょう。
海苔には塩分が多く含まれているため、過剰摂取すると健康を害してしまいます。
例えば、よく家庭で使用する「焼き海苔」「味付けのり」の塩分量を見てみましょう。
100gあたりの食塩含有量は次の通り。
焼き海苔:1.3g
味付けのり:4.3g
1日の必要な塩分量は、ドッグフードを食べれば十分摂取可能なため、それ以上の塩分は過剰摂取となり、チワワの心臓や腎臓に負担がかかってしまいます。
また、海苔には、カルシウムやマグネシウムが豊富に含まれています。
カルシウムやマグネシウムの過剰摂取は、尿路結石症の原因になってしまう恐れがあります。
以下のような症状が出ていれば、尿結石の疑いがあります。
・尿が出にくく、オシッコの量が少ない。
・頻尿になり、何回もトイレに行く。
・オシッコがキラキラしている。
・血尿が出る。
・粗祖が多くなる。
・オシッコの時に痛がる。
なお、以下のような犬種は、結石ができやすいとされているので注意が必要です。
・ビーグル
・パグ
・コーギー
・ヨークシャーテリア
・ミニチュアダックスフント
海苔は食物繊維も豊富。
このため、チワワに与えすぎると消化不良を起こしてお腹を壊し、嘔吐したり下痢になってしまうことがあります。
海苔に多く含まれているヨウ素は甲状腺に取り込まれ、甲状腺に持病があるワンちゃんの場合、症状を悪化させてしまう恐れがあります。
また、腎臓疾患があるワンちゃんも要注意。
海苔に含まれるカリウムが、腎臓に悪影響を及ぼしてしまいます。
腎臓や甲状腺の悪いワンちゃんには、海苔は与えないように心がけましょう。
加工された海苔には、多くの食塩が加えられて味付けがされており、腎臓や心臓に大きな影響を及ぼし、健康に害をなしてしまいます。
特に、味海苔には塩分が多く含まれているため、チワワに味付け海苔は与えないでください。
例えば、コンビニで販売されているおにぎりなどの海苔は、味付け海苔であることが多いので、与えない注意が必要です。
ワンちゃんには、個体それぞれのアレルギーがあり、海苔でアレルギーが起こってしまうケースがあります。
海苔を与えてから数時間は、チワワから目を離さず様子を観察し、ウンチの状態はしっかり確認しましょう。
少しでも元気がなくなるなど、普段と違った症状が見られれば、それ以上与えないようにしてください。
次のような症状が確認できれば、アレルギーの可能性が高いので、直ぐに動物病院を受診しましょう。
・嘔吐と下痢
・目の充血
・皮膚が赤くなり、湿疹、じんましんが出る
・元気がなくなる