海のミルクとも呼ばれる栄養満点な牡蠣。
牡蠣は秋から冬にかけてが旬となります。
よく牡蠣にあたる人がいて少し心配になりますが、栄養満点な牡蠣を愛犬にも食べさせてあげたいと思う飼い主さんもいることでしょう。
はたして牡蠣をチワワに食べさせても大丈夫なのか、また、栄養素や与える際の注意点について紹介します。
貝類はワンちゃんに与えるべきではないと言われたりしますが、牡蠣の場合はしっかりと加熱すれば与えても大丈夫だそうです。
成分名 | 成分量(100gあたり) |
水分 | 85g |
タンパク質 | 6.9g |
炭水化物 | 4.9g |
ビタミンB1 | 0.07㎎ |
ビタミンB2 | 0.14㎎ |
ビタミンB12 | 23.1μg |
ビタミンE | 1.3㎎ |
ナトリウム | 460㎎ |
カリウム | 190㎎ |
カルシウム | 84㎎ |
マグネシウム | 65㎎ |
リン | 100㎎ |
鉄分 | 2.1㎎ |
亜鉛 | 14.5mg |
銅 | 1.04㎎ |
セレン | 46μg |
はたして牡蠣は、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、犬種、運動量など様々な要因で異なってきます。
よく手作りご飯や、ドッグフードのにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。
カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
チワワのような小型犬の場合は、本当に一口で十分でしょう。
亜鉛は体内で作り出せないため、食べ物から摂取する必要があります。
人間ならば、1日分の亜鉛が生牡蠣100g食べればOKとされるほど豊富に含んでいます。
チワワの皮膚がカサカサだったり、被毛の艶を気にしている時などは、亜鉛を豊富に含む牡蠣は持ってこいの食材です。
牡蠣には以下のようなさまざまな効果が期待でいきます。
・膚や被毛を健康的に保つ。
・皮膚の角化をスムーズに行う。
・細胞の再生。
・新陳代謝を活性化させる。
・ストレスの軽減。
・免疫力の向上。
・抗酸化作用を活性化させる。
・味覚を正確に保つ。
・神経伝達の働き。
タウリンは、サプリや栄養ドリンクの成分でお馴染みです。
ワンちゃんは、体内の肝臓でタウリンを合成できますが、完全には補えないため、不足しないよう食べ物からも補ってあげる必要があります。
特に、高齢犬で作り出す機能が低下したり、体調不良時には積極的にタウリンを摂取したいものです。
非常に強い抗酸化作用が働き、動脈硬化の予防や心臓機能を正常に保ち、貧血や視力の低下を回復させる効果があります。
三大栄養素のひとつであるタンパク質は、チワワの体を作る元であり、皮膚や筋肉、血液などあらゆる体の組織を作るとともに、生命維持に欠かせない酵素などにも変換します。
このように、健康な体を作るためにタンパク質は欠かせず、また、体を動かすエネルギー源にもなります。
牡蠣は鉄や銅などのミネラル成分も豊富に含みます。
鉄分は、血液の赤血球に含まれるヘモグロビンを作り、全身へ酸素を運んだり、エネルギーを作ったりします。
このため、貧血予防に効果を発揮して役立ちます。
また、鉄分が不足してしまうと、チワワの元気がなくなり、疲れやすくなるので注意が必要です。
銅は、鉄分がヘモグロビンを作るのをフオローして、健康な血液を作りだします。
銅と鉄分を摂取することで、一層貧血予防に力を発揮できます。
造血ビタミンの一つとされるビタミンB12は、補酵素として、タンパク質、炭水化物、脂質などの代謝を助ける働きを行い、さらに、葉酸と協力して赤血球のヘモグロビンを生産します。
また、神経を正常に保つ働きを行うために、脳からの指令を体全体に伝える役目も担っています。
老化防止、貧血防止、タンパク質合成などのためには、欠かせない成分の一つです。
生の牡蠣には「チアミナーゼ」という酵素が含まれており、ビタミンB1を分解してしまうため、ビタミンB1欠乏症を招く恐れがあります。
ビタミンB1欠乏症になると食欲が低下し、運動機能障害が生じてしまいます。
なお、チアミナーゼは加熱すれば効果が失われるため、必ず煮る、蒸す、焼くなどの加熱調理を行ってから、チワワに食べさせるように注意しましょう。
また、二枚貝である牡蠣などは、ノロウイルスや食中毒を引き起こす恐れがあるため、加熱することで安心できます。
なお、加熱について詳しく紹介しておきます。
加熱とは、少し熱を加える程度ではなく、しっかり中まで熱を通すことです。
ちなみに、「牡蠣の中心部を85℃~90℃で90秒以上加熱する」ことが、牡蠣を安全に食べるための加熱基準とされています。
また、スーパーで販売されている牡蠣には、「生食用」と「加熱用」の牡蠣があります。
「生食用」であれば、生でチワワに与えても良いのではと思う飼い主さんもみえるかもしれませんね。
しかし、この違いが何なのか分かりにくいはずです。
多くの人が鮮度の差と勘違いしているようですが、実は保健所が指定した海域によって区別されているのです。
加熱用の牡蠣は、沿岸部などの近くの海で獲れたものを指します。
エサが豊富なため栄養分も高く旨味もありますが、菌やウイルスがついている可能性が高いため、火を通す必要がある「加熱用」とされているのです。
一方、生食用の牡蠣は沖合で育ったものであり、エサは少なく旨味は落ちますが、汚染の危険性が低く生食可能と判断しているのです。
このように、獲れる区域によって区別されていることが分かったでしょうが、生食用といっても害のあるものに汚染されている可能性はあります。
また、チアミナーゼは含まれているため、必ず愛犬には生牡蠣は与えず加熱してください。
牡蠣の内臓には貝毒が含まれているケースがあります。
ワンちゃんは、魚介類を消化する酵素をあまり持っていないため、チワワは牡蠣の消化が苦手であり、丸ごと与えてしまうと下痢や嘔吐などの中毒症状が起きてしまう可能性があります。
このため、チワワに牡蠣を与えるときには、消化吸収しやすいように細かくカットしたり、フードプロセッサーなどでペースト状にしたりして与えてあげましょう。
牡蠣の内臓には貝毒が含まれている可能性があるため、細かく刻んで与えるなどの工夫を行っても、与え過ぎてしまうと下痢や嘔吐などの中毒症状が起きてしまう可能性があります。
特にチワワは体が小さく、少量でも影響を受けやすい犬種のため注意が必要です。
牡蠣はワンちゃんには、与え過ぎないように注意しましょう。
「牡蠣フライ」
牡蠣フライに限らず、揚げ物をワンちゃんに与えるのは厳禁です。
油の取りすぎになってコレステロール値が上がってしまいます。
そのため、血液がドロドロになってしまう恐れが生じます。
「オイスターソース」
オイスターソースなど、人間用に作られた加工食品はチワワたちワンちゃんには与えないように注意しましょう。
オイスターソースには、砂糖や醤油が含まれているため、塩分や糖分の過剰摂取になり健康を害してしまいます。
塩分を過剰摂取してしまうと、心臓や腎臓に負担がかかってしまいます。
さらに、あらゆる病気の発症原因に繋がってしまう恐れがあります。
糖分を過剰摂取すれば、糖尿病のリスクが上昇します。
また、肥満や歯周病の原因にもなってしまうものです。
基本として、加工食品はワンちゃんには与るべきではないと認識しておいてください。
初めての食材をチワワに与える時には、常にアレルギーに注意すべきです。
牡蠣を食べてアレルギー症状が出るワンちゃんがいます。
このため、初めて食べさせるときは、極微量与えることがまずは常識となります。
そしてチワワに牡蠣を与えたならば、変化が何か生じないか観察します。
また、牡蠣を食べた後のイワワのウンチも、しっかりチェックしておくことが肝心です。
チワワに元気がなくなるなど、少しでも気になる変化が感じられた時には、それ以上与えないようにしてください。
次のような症状がチワワに見られた場合、アレルギーの可能性が高いため、直ぐに動物病院に連れていってあげてください。
・目の充血や、体を痒がる。
・湿疹、じんましんが出た。
・嘔吐や下痢が起こる。
・元気がなくなる。