野菜の「かぶ」は、お漬物や煮物などの和食を始め、ポトフなどのフランスの家庭料理でもよく使われます。
かぶは淡色野菜と緑黄色野菜の2つの要素を併せ持ち、栄養満点の野菜といえます。

かぶを「諸葛菜(しょかつさい)」と呼ぶなんて知ってましたか?
これは、三国志で有名な諸葛孔明が、かぶを非常に大切にしていたことから呼ばれるようになったそうです。

かぶは、地中海沿岸が原産のヨーロッパ系と、アフガニスタンが原産のアジア系の2つに分かれるとされています。
日本では、寒さに強いヨーロッパ系の品種を主に東日本で。アジア系の品種を主に西日本で栽培しています。

1月7日に食べる七草粥はみなさん知っているでしょうが、このなかに「スズナ」というのがあり、実はこのスズナとはかぶの葉のことなのです。
このようにかぶは、白い根の部分だけではなく、葉の部分も美味しく食べることができる野菜なのです。

今回は、チワワはかぶを食べて大丈夫なのか、また、栄養素や与える際の注意点について紹介します。

チワワはかぶを食べて大丈夫?

答えは「YES」かぶはチワワが食べてもOKな食材です。
豊富なビタミンCが魅力で、また、消化酵素のアミラーゼも含まれているため、食物の消化吸収を助けてくれてチワワにとっては、胃腸に優しい野菜といえます。
ただし、チワワにかぶを与える際には注意すべき点もあります。

かぶの主な栄養素

成分(100g当たり)         含有量
エネルギー               20kcal
水分                  92.3g
タンパク質               2.3g
脂質                  0.1g
ナトリウム               24mg
カリウム                330mg
カルシウム               250mg
マグネシウム              25mg
リン                  42mg
鉄                   2.1mg
亜鉛                  0.3mg
ビタミンB1              0.08mg
ビタミンB2              0.16mg
ビタミンB6              0.16mg
葉酸(ビタミンB9)           110μg
ビタミンC              82mg
ビタミンK               340mg
β-カロテン               2800μg
食物繊維                 2.9g

チワワに与える量はどれくらい

はたしてかぶは、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、犬種、運動量など様々な要因で異なってきます。
特にワンちゃんの体の大きさである体重が重要視されます。
よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、野菜類は食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。

カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
チワワのような小型犬の場合は10g程度、本当に一口で十分でしょう。

チワワにかぶを与えるメリット

「抗酸化作用」

かぶには、100gあたりβ-カロテンが2800μg、ビタミンCが82mgとたっぷり含まれています。
このため、体内に発生した活性酸素を減らしてくれる「抗酸化作用」の効果が期待できます。
活性酸素は体内に必要不可欠な成分なのですが、増えすぎることで身体に悪影響をもたらしてしまいます。
特に活性酸素は、強い紫外線を浴び続けたり、タバコを吸うことで増加するとされています。

またβ-カロテンは、チワワの体内で酵素によってビタミンAに変わります。
なお、必要に応じてビタミンA不足を補うかたちで変換するため、よく言われる中毒や過剰症などを引き起こす心配はありません。
ビタミンAの主な働きは、以下の通りです。
・視力を正常に保つ。
・皮膚や喉、鼻などの粘膜を正常に保つ。
・風邪を予防する。
・夜盲症の予防。

「骨を丈夫にする」

かぶの葉には、根の約10倍のカルシウムが含まれています。
この量は野菜の中でもトップクラスで、牛乳の2倍以上の含有量となります。
体内のカルシウムの約99%が骨に蓄えられて、骨を丈夫にしてくれます。

またかぶには、ビタミンKが100gあたり340mgも含まれています。
ビタミンKは、骨を丈夫にする効果があり、骨からカルシウムが流出するのを防いでくれます。

チワワは超小型犬で体格が華奢であり、30cmの高さのソファーから飛び降りた衝撃でも、骨折してしまうことがあるほど骨が弱い犬種です。
このためチワワにとっては、骨を丈夫にしてくれる働きが期待できるかぶは、積極的に摂取したい野菜といえます。

「消化をフォロー」

かぶには、消化酵素の「アミラーゼ」という成分が含まれています。
アミラーゼは胃腸薬などにも使われているほどの成分であり、チワワの消化を助けてくれます。

またかぶは、アブラナ科の野菜に含まれる「イソチオシアネート」を含んでいます。
イソチオシアネートにも、消化の促進や、食欲増進効果があります。
この二つの栄養素を含むかぶは、消化不良や食欲不振の時に役立ってくれます。

またかぶには、身体を温めてくれる効果もあるため、お腹が冷えた時にも効果が期待できます。

チワワに与える際の注意点

「甲状腺に疾患のあるワンちゃんは注意」

かぶのようなアブラナ科の野菜には「ゴイトロゲン」という成分が含まれています。
ゴイトロゲンは、甲状腺ホルモンをつくるのに必要である「ヨウ素」の吸収を妨げると言われています。
このため、甲状腺に疾患のあるワンちゃんは注意してください。

「与え過ぎない」

かぶは食物繊維が含まれているため、与え過ぎてしまうと消化不良を引き起こし、嘔吐や下痢の原因となる恐れがあります。
食物繊維は、ワンちゃんは消化できない苦手なものだと認識しておきましょう。

「細かく刻む」

ワンちゃんは、野菜の消化はあまり得意ではありません。
このため消化が悪い皮は剥いて、茎や葉の部分は消化しやすいように細かく刻んであげましょう。
またチワワは、あまり噛まずに丸飲みする習性があるため、大きな塊で与えてしまうと、喉に詰まる危険性があります。
万が一呼吸困難を起こせば大事となってしまいます。

この意味からも、細かく刻んでカットすることが大切です。
なお、摺りおろして与えてあげるのが一番有効となります。

また、加熱して与えてあげれば、柔らかくなり消化しやすくなります。
ただし、かぶに豊富に含まれるビタミンCは熱には弱く、加熱することで外へ逃げてしまいます。
そのため、茹で汁は捨てずに、少し加えてあげるのがおすすめです。

「アレルギーに注意」

どのような食材にもアレルギーが出る可能性はあるため注意が必要です。
そのため、初めてチワワにかぶを与える際には極少量として、よく注意して与えましょう。
与えてから、数時間はチワワから目を離さず様子を観察してください。

口や目のまわりを痒がる素振りが見えたら、アレルギーの可能性が高いです。
アレルギー症状は次の通り。
・嘔吐と下痢
・目の充血
・皮膚や口の周りの痒み
・皮膚が赤くなり、湿疹、じんましんが出る
・元気がなくなる
・食欲低下

このような症状が生じたケースでは、動物病院を受診しましょう。

美味しいかぶをチワワに与えよう

美味しいかぶをチワワに与えてあげたいものです。
そのためには、次のようなかぶを選んであげましょう。

ずっしりと重みがあり、皮が白くて張りがあるものをチョイスしましょう。
また、葉っぱはみずみずしく付け根がきれいであるものがおすすめです。

なお、かぶを保存する場合には、葉っぱと根を切り分けて、必ず別々に保存するのがポイントとなります。
理由は、葉っぱがついたままの状態で保存していると、根の部分の栄養が葉っぱに吸い取られてしまうためです。

riasu