バジルは、ピザやパスタなどのイタリア料理や、トマト料理にとても相性がよく、欠かせない野菜です。
イタリアでは、バジリコと呼ばれて親しまれています。

バジルは、100種類以上もの品種があるそうで、私達がよくイタリアンとして食べているのは、スイートバジルという品種だそうです。
和名は「メボウキ」というそうで、なんかピンときませんが、バジルの種が目薬として利用されており、目の汚れを取るということからこの名前がついたのだとか。

原産地はインドで、あの有名なアレキサンダー大王が、インドからヨーロッパへバジルを伝えたという説もあるそうです。

今回は、チワワはバジルを食べても大丈夫なのか、また、栄養素と与える際の注意点について紹介します。

チワワはバジルを食べても大丈夫?

結論を言えば、チワワはバジルを食べても問題ありません。
日本でもすっかりお馴染みとなったハーブですが、クセが少ないためワンちゃんは食べやすそうです。
しかしバジルの香味成分は刺激性が低いとはいえ、ワンちゃんによっては、嫌がったりするケースがあるかもしれません。
そのような時は、無理にチワワに食べさせないようにしましょう。

古代ギリシャでは、バジルを薬として服用していたそうで、身体に良い成分が多く含まれていそうですね。
バジルの栄養素を見ていきましょう。

バジルの主な栄養素

成分(100g当たり)         含有量
エネルギー             24 kcal
水分                91.5g
タンパク質             2g
脂質                0.6g
ナトリウム             1mg
カリウム              420mg
カルシウム             240mg
マグネシウム            69mg
リン                41mg
鉄                 1.5mg
亜鉛                0.6mg
ビタミンB1              0.08mg
ビタミンB2              0.19mg
ビタミンB6              0.11mg
葉酸(ビタミンB9)           69μg
ビタミンC                16mg
ビタミンK               440mg
β-カロテン                                       6300μg
食物繊維                4g

チワワに与える量はどれくらい?

はたしてバジルは、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、体重、運動量など様々な要因で異なってきます。
よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、野菜類は食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。

カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
チワワのような小型犬の場合は、本当に一口で十分でしょう。

チワワにバジルを与えるメリット

「リラックス効果」

バジルの良い香りの成分は、「リナロール」や「カンファー」、「オイゲノール」などであり、リラックス効果が期待できます。
不安を感じたり、精神的に疲れたときにはとても有効であり、心のバランスを整えて正常に保ち、気持ちを静めて落ち着かせる働きがあります。
アロマオイルにも、バジルの香りは使用されています。

「抗酸化作用」

活性酸素はストレスや紫外線などでも生まれ、体内で必要以上に増えすぎると、身体の内側を酸化させ細胞や血管の老化を進めてしまいます。
活性酸素を減らすには抗酸化成分が有効になります。

バジルには、100gあたり6300μgという豊富な量のβ-カロテンや、ビタミンCが16mg、含まれており、抗酸化作用を持つ成分が多く含まれています。

β-カロテンは、抗酸化作用があり、有害な活性酸素を消去してくれて免疫力をUPさせ、がん予防に期待が持てます。
また、チワワの体内で酵素によってビタミンAに変わります。
なお、必要に応じてビタミンA不足を補うかたちで変換するため、よく言われる中毒や過剰症などを引き起こす心配はありません。
ビタミンAの主な働きは、以下の通りです。
・視力を正常に保つ。
・皮膚や喉、鼻などの粘膜を正常に保つ。
・風邪を予防する。
・夜盲症の予防。

ビタミンCにも抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑制してくれます。
また、コラーゲンの生成や免疫力アップの効果もあり、皮膚や粘膜の健康維持にも効果があります。

チワワたちワンちゃんは、ビタミンCの生成を肝臓で行えますが、それでもその生成量は一日で最大でも約60mg程度だそうです。
小型犬でもビタミンCが約500mg程度必要といいますから、バジルに含まれるビタミンCも摂取したいですね。
また、ビタミンCは通常水溶性ビタミンのため、体内に蓄積しにくい性質があるため、どんどん摂取する必要があるのです。

「骨を丈夫にする効果」

バジルには100gあたり240mgものカルシウムが含まれています。
カルシウムの99%は骨の材料になり、骨や歯を丈夫にしてくれます。
骨そしょう症の予防にも効果的です。
また、バジルには、100gあたり440mgものビタミンKも含まれおり、骨にカルシウムを定着させる働きや、骨の形成を促す効果が期待できます。

チワワは超小型犬で体格が華奢で、わずか30cmの高さから落ちても骨折することがあるほど骨が弱い犬種。
だから、ビタミンKとカルシウムを同時にたくさん摂取できるバジルは、チワワの骨を丈夫にしてくれる効果が期待できるため、積極的に摂取したい野菜です。

「カリウム」

カリウムには、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制して、ナトリウムを排泄する効果があります。
そのため血圧を下げるのを手助けしてくれて、高血圧の予防やむくみの解消に効果的です。
また、余分なナトリウムを排出することにより、神経刺激の伝達を高め、筋肉機能の調節、心臓機能などに効果を発揮してくれます。
さらに、疲労回復にも良い効果を与えてくれます。

なお、カリウムは、欠乏すると「低カリウム血症」を発症し、また、過剰摂取してしまうと高カリウム血症」の原因にもなるため、適量摂取に心がける必要があります。

チワワにバジルを与える際の注意点

「与え過ぎない」

バジルは100gあたり4gの食物繊維を含んでいます。
チワワは食物繊維が消化できません。
そのため、与え過ぎてしまうと消化不良を引き起こしてしまい、嘔吐や下痢の原因となる恐れがあります。
ちなみに、ワンちゃんに必要な量の計算式は、「犬の体重㎏×0.17g」となっているので、一日の摂取目安にしてみましょう。

「細かく刻む」

チワワは野菜の消化が苦手なため、細かく刻むことで消化しやすくしてあげるのがおすすめです。
薬味として使用されるバジルを直接食べることもまずないため、細かく刻んでフードに混ぜてトッピングしてあげましょう。

「アレルギーに注意」

食物はすべてアレルギンになる要素を含んでいます。
このため、バジルを食べてアレルギーを起こす子もいます。
したがってチワワに初めて与える時は、細心の注意を払い、極微量与えるようにしてください。
与えてから、数時間はチワワから目を離さず様子を観察してください。
口や目のまわりを痒がる素振りが見えたり、元気がなくなるなど普段と少しでも違った様子が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。
・目の充血
・体を痒がる
・湿疹、じんましん、
・嘔吐、下痢
上記のようなアレルギー症状が見られたならば、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。

バジルシードは与えても大丈夫?

スーパーフードとして知られるバジルシードは、バジルの種のことです。
芽が出る前の種には、生命力が詰まり栄養価も豊富。
ダイエット補助食品としても利用されています。

バジルシードには、グルコマンナンが多く含まれており、水分を含むことで約30倍に膨張し、ゼリー状の物質で覆われます。
このため、しっかりと水を含ませ、さらに膨張しない状態にして与えてください。
なお、食物繊維が豊富に含まれているため、チワワに与える量は極少量にしてください。

バジルの保存方法

バジルは夏が旬だけに寒さに弱く、冷蔵庫に入れるとすぐに枯れてしまうため注意しましょう。
このため、バジルは冷蔵庫に入れるのはNG。
水を入れたコップに挿しておくのがベストです。
この状態で常温保存しておけば、水を吸い上げてヨレヨレ気味だったバジルが見事にイキイキと蘇ってくれます。
2~3日はこの状態で持ちますよ。

riasu