犬にぶどうを与えると中毒を起こしてしまいます。
玉ねぎをワンちゃんに与えてはいけないというのは有名ですが、甘くて美味しい果物のぶどうがダメなんて、イメージが湧かない感じがしますね。
「ぶどうが危険」と知っているかどうかのアンケート調査を犬の飼い主さんに行ったところ、90%近くの人が「食べさせてはダメ」と回答したそうで、思った以上に世間ではみなさんぶどうが危険な食べ物であるとの認識が浸透しているようです。
スーパーにはいろんな種類のぶどうが並んでいますが、日本では50~60種類ものぶどうが栽培されているそうです。
ぶどうの色は、「赤」、「黒」、「緑(白)」の3つに大別されます。
赤色では、「安芸クイーン」や赤いマスカットという別名がある「甲斐路」などが有名。
黒色は、「巨峰」や「ピオーネ」、緑色は「ロザリオ・ビアンコ」や「マスカット・オブ・アレキサンドリア」、翠峰(すいほう)などが有名です。
・実がふっくらとしていて、果皮に張りがあるものを選ぶ
・ブルーム(白い粉)が、果皮に付着していると良い
・軸がきれいな緑色をしているのがポイント
・黒ぶどうは黒紫色がオススメ
・赤ぶどうは濃紅色がオススメ
・緑ぶどうは黄色みがかったものがオススメ
・輸入ぶどうは特に果皮に注目して、きれいなものを選ぶ
ぶどうで注意したいのが、日持ちしないため、保存方法に気をつけることです。
出来るだけ早く食べてしまうのがベストですが、保存する場合は、ポリ袋に入れたり、新聞紙やラップで包み、冷蔵庫の野菜室で保存するようにしましょう。
今回は、ワンちゃんに与えるのが危険なぶどうについて、成分などの知識も紹介しながら詳しく注意点を見ていきましょう。
犬がぶどうを食べてしまうと「ぶどう中毒」を起こし、急性腎不全を引き起こしてしまうとする報告が多数あがっています。
ただし、現段階ではぶどうのどの成分が中毒を引き起こすのかは不明であり、まだそのメカニズムは解明されていません。
また、ぶどうの実よりも皮ごと食べたときの方が危険だとされています。
このため、愛犬の飼い主のみなさんは、ぶどうを食べたたら皮をそのまま置いておくことなく、ササっと素早く片付けてくださいね。
さらにレーズンは、成分が凝縮している分、ぶどうよりワンちゃんにとっては危険性が高くなります。
後、加工品も要注意です。
ぶどうジュースを始めとして、ヨーグルトなどにもよく果肉や果汁が入っているので、うっかり食べさせないように注意が必要です。
・水をたくさん飲む
・嘔吐や下痢
・湿疹が出る
・食欲がなくなる
・動かず横たわっている
・大量のよだれが出る
・脱水症状
・ほとんど排尿しなくなる
・腎臓の痛みから背中をまるめる
・急性腎不全が発症(オシッコが出にくくなり色が変色、むくみ)
愛犬がぶどうを食べて中毒を起こす場合は、食べてから2~3時間後あたりから、上記症状がいろいろ現れます。
また、最悪の場合は2~3日後あたりに急性腎不全を起こし、こうなると死に至ることもあります。
食べた量や犬種、個体差などで症状が異なりますが、腎臓に疾患のある犬の場合、さらに危険度が増すといえます。
一般的な目安とされる犬が食べたら危険なぶどうの摂取量は次の通りです。
・ぶどう:体重1kgあたり約20g。
・レーズン:体重1kgあたり約3g。
このため、例えば小型犬のチワワで体重が3kgとすれば、ぶどうであれば約60g、レーズンならば約9g食べてしまうと中毒を起こす可能性があるという事になります。
巨峰が1粒15g前後のため、このチワワの場合であれば、4粒食べてしまえば中毒の可能性が生じることとなります。
ぶどうの成分(100gあたり)
成分 含有量
エネルギー 59 kcal
水分 83.5g
タンパク質 0.4g
脂質 0.1 g
炭水化物 15.7 g
ナトリウム 1mg
カリウム 130 mg
カルシウム 6mg
マグネシウム 6mg
リン 15mg
鉄 0.1 mg
亜鉛 0.1 mg
ビタミンB6 0.04mg
ビタミンC 2 mg
食物繊維 0.5 g
ぶどうはチワワにとって、危険な食べてはいけない果物です。
このため、愛犬がぶどうを誤飲食してしまったことが確かであれば、すぐに獣医師に連絡相談して、至急動物病院に向かいましょう。
愛犬がぶどうを食べたけどすぐに吐き出した何ていう場合でも、症状が出だすのは2~3時間後のため、少なくとも半日程度は注意して愛犬の様子を確認していてください。
また、愛犬がこのような危険なものを食べたケースでは、誤飲した異物を食塩水やオキシドールなどを使って吐かせる対応方法が、各種サイトで紹介されています。
しかし私はあまり賞賛できません。
かえって愛犬にとっては、危険のリスクの方が高いと思います。
何と言っても素人である飼い主さんが、生半可な知識により対応するよりも、至急動物病院へ行き、専門の獣医師の受診を受ける方が安全に違いありません。
なおその際の注意ポイントして、愛犬がいつごろどの程度の量を食べたのかをメモっておき、獣医師に説明するように心がけてください。
また、ぶどうの加工品を食べてしまったケースでは、食べ残りかすやパッケージが残っていれば、必ず忘れずに一緒に持っていくようにしてください。
動物病院で行われる主な処置は、まずは胃の内容物を吐かせて、次に胃の洗浄を行います。
さらに活性炭や下剤の投与を行い、とにかく食べてしまった危険物を体の外へ出すための処置がとられます。
万一急性腎不全が起きているケースでは、入院して点滴治療などが行われます。