アボカドは、森のバターと言われるほど栄養価が高く、「世界一栄養価の高い果物」と称されるヘルシーフードであり、ギネスブックにも認定されるほど脂質も多く高カロリーな果物です。
年間をとおしてスーパーで簡単に手に入る果物であり、ディップにしたり、サラダの材料としても楽しめます。
一時、わさび醤油をつけると、まるで「トロ」のような味がすると話題になったりもしました。
新鮮で美味しいアボカドを食べるためには、以下のようなものを選びましょう。
・すぐに食べたい場合は、黒っぽい色を選ぶ
・2~3日後に食べる場合は、深緑色がオススメ
・張りとツヤがあり、ふっくらとした形を選ぶ
・ヘタと果皮の間に隙間がなく、ヘタが取れていないか注意
・黒くならない緑品種の場合の食べ頃の見分け方は、弾力を確認する
アボカドが日本に入ってきたのは、100年ほど前のこととされ、英名には「alligator pear(ワニの梨)」という別名があるため、和名では「ワニナシ」と呼ばれています。
アボカドには、ビタミンEやオレイン酸が豊富に含まれており、コレステロールを低下させたり、老化防止にも効果があると言われています。
このように人間には人気の果物であるアボカドですが、チワワたちワンちゃんに与えて大丈夫でしょうか。
「アボダーム」というアボカドを使った人気のドッグフードもあるため、問題ないと思っている飼い主さんも多いことでしょう。
詳しくアボカドの成分などの知識も紹介しながら見ていきましょう。
アボカドは森のバターと呼ばれ、栄養価の高い果物のため、愛犬に与えたいと考える飼い主さんも多いはずです。
ところがこれはとても危険なNG行為となります。
人間が問題なく安全に美味しく食べられる食べ物であっても、ワンちゃんにとっては一転して、危険な中毒症状を起こす毒薬に早変わりするケースもあります。
ワンちゃんには与えてしまうと中毒を引き起こしてしまう危険な食べ物が存在することを、しっかりと飼い主さんは、ず認識して危険な食べ物を把握しておかなければなりません。
実は残念ながらアボカドは、ワンちゃんにとっては注意すべき危険な食べ物の一つだったのです。
アボカドはチワワは食べてはダメな果物と覚えておいてください!
チワワにアボカドを与えてしまえば、次のような中毒症状が起こってしまいます。
・下痢
・胃腸刺激
・脱水
・呼吸困難
・痙攣
・うっ血
人間にとって良いとされる多くの成分が多量に含まれていることが、反対にワンちゃんには危険な有害成分が含まれている可能性があり、摂取しすぎることで悪影響が生じたりします。
実際にどのような成分がアボカドに含まれているのか紹介します。
成分 | 含有量 |
エネルギー | 187 kcal |
水分 | 71.3g |
タンパク質 | 2.5g |
脂質 | 18.7 g |
炭水化物 | 6.2 g |
ナトリウム | 7mg |
カリウム | 720 mg |
カルシウム | 9mg |
マグネシウム | 33mg |
リン | 55mg |
鉄 | 0.7 mg |
亜鉛 | 0.7 mg |
ビタミンB2 | 0.21mg |
ビタミンB6 | 0.32mg |
ビタミンC | 15 mg |
葉酸 | 84μg |
食物繊維 | 5.3 g |
アボカドに含まれる問題となる中毒成分は、「ペルシン」と呼ばれる殺菌成分です。
このペルシンによって、前述したような中毒症状が犬に生じてしまいます。
ペルジンは、アボカドの葉、種皮、種に多く含まれています。
このため、アボカドの果肉より、皮や種を食べてしまった場合が危険度は増します。
なお、未成熟の果実にも含まれていますが、熟せば熟すほど果実に含まれるペルジンの量は減少していきます。
国内販売のほとんどのアボカドが、メキシコ、ニュージーランド、チリなどからの輸入品であり、国産アボカドはほとんどありませんが、わずかに和歌山県や愛媛県などで栽培されています。
アボカドは、品種によってペルジンを含む量が異なりますが、一般的に日本のスーパー等で販売されているのは「グアテマラ種」であり、この品種はペルジンの量が非常に多いため注意が必要です。
ワンちゃんは、先ほど紹介したペルシンの中毒症状とは別に、アボカドに含まれるタンパク質によって、アレルギーを起こす場合があるとされています。
アボカドのタンパク質は、ラテックス構造となっており、これはゴムのタンパク質とよく似た構造をしています。
そのため、「ラテックス・フルーツ症候群」と、アボカドで起こるアレルギーを呼ぶこともあります。
主な症状は以下の通りです。
・じんましん
・下痢、嘔吐
・喘息発作
・アナフィラキシーショック
愛犬がアボカドを食べてしまった場合、致死量がどれぐらいなのかが一番気になりますよね。
結論を言えば、犬がアボカドを食べてしまった時の致死量は不明です。
大量に犬がアボカドを食べてしまえば、最悪死亡するケースもあると言われていますが、実際に実例報告がなく、またアボカドの種類によって含まれるペルシンの量も違ってきます。
さらに、ワンちゃんの体重や体調、年齢などの個体差によっても危険量が変わってきます。
チワワのような体が小さい超小型犬は、より少量でも中毒の危険性が高まります。
ワンちゃんがアボカドを少しかじったぐらいでは、死に至るということはないでしょうが、個体によってはほんの少量のアボカドでも中毒を引き起こす可能性があります。
このため、危険な成分が含まれていうと分かっているアボカドを、愛犬にわざわざ食べさせる危険を冒す必要はないと思います。
アボカドには、ビタミンCをはじめとして、ビタミンB2、B6などが含まれています。
このようにバランスよくビタミンを含むため、疲労回復に力を発揮し、チワワの毛並みも整えてくれて、健康維持にも効果的です。
アボカドは、カリウムを720 mgと豊富に含みます。
カリウムには利尿効果があるため、腎臓ケアにも役立ちます。
また、体内の余分な水分や塩分を排出して、血圧を下げてくれる働きがあります。
このため、高血圧や不整脈、脳卒中などの予防に有効です。
ただし、カリウムは、必要以上に多くの量を摂取してしまうと、血中のカリウム濃度が高くなりすぎてしまうため、体に悪影響を与えてしまいます。
このような状態のことを「カリウム血症」と呼びます。
カリウム血症になってしまうと、嘔吐や下痢が生じ、ワンちゃんの元気がなくなり、ひどいケースでは昏睡してしまうこともあります。
また、不整脈が起こり心停止に至るケースもあり、こうなってしまうと命の危険性すら生じてきます。
腎臓障害になってしまうこともあり、特に老犬が腎臓の機能不全などを抱えていれば要注意となります。
チワワなどの身体が小さい小型犬種は、少量のカリウムでも影響力が大きくなるため、一層注意が必要といえます。
チワワたちワンちゃんは、食物繊維が消化吸収できないので注意が必要です
しかし食物繊維は便秘の予防に役立ち、腸内の環境を整えてくれる働きをしてくれます。
アボカドはチワワにとって、危険な食べてはいけない果物です。
このため、愛犬がアボカドを誤飲食してしまったことが確かであれば、すぐに獣医師に連絡相談して、至急動物病院に向かいましょう。
また、愛犬がこのような危険なものを食べたケースでは、誤飲した異物を食塩水やオキシドールなどを使って吐かせる対応方法が、各種サイトで紹介されています。
しかし私はあまり賞賛できません。
かえって愛犬にとっては、危険のリスクの方が高いと思います。
何と言っても素人である飼い主さんが、生半可な知識により対応するよりも、至急動物病院へ行き、専門の獣医師の受診を受ける方が安全に違いありません。
なおその際の注意ポイントして、愛犬がいつごろどの程度の量を食べたのかをメモっておき、獣医師に説明するように心がけてください。
また、アボカドの加工品を食べてしまったケースでは、食べ残りかすやパッケージが残っていれば、必ず忘れずに一緒に持っていくようにしてください。
アボカドを使った犬用シャンプーが販売されています。
アボカドは品種により、中毒を引き起こす危険なペルシンの含有量が大きく異なります。
このため、ペルシンをほとんど含まない種類のアボカドのシャンプーであれば、ほぼリスクはないといえます。
実際に最近では、アボカド成分入りのシャンプーが、サロンなどでも使用されているようです。
したがって、サロンなどで紹介してもらえば安心です。
ただし通常は、どの種類のアボカド成分入りのシャンプーが安全なのか、飼い主さんでは判断できません。
メーカーもアボカドのペルシンが危険成分であることは、百も承知しているため、安全な商品に仕上げていますが、万一という危険性もあります。
そのため、いくらでも他に良質な犬用シャンプーがあるため、わざわざ危険なリスクを伴うアボカド成分入りのシャンプーを選択する必要はないといえます。
どうしても気になるのが、アボカドを使用したアボダームドッグフードです。
アボダームは、アメリカのCentral Garden&Pet という会社が製造し、Biペットランドという日本の会社が輸入販売しています。
アボダームは、約30年もの長い販売実績の歴史を持つアメリカ産の人気フードであり、当然その長い歴史において、ただの1度も中毒事例の報告はなく、全世界で何百万頭もの愛犬たちが食べて大丈夫だったわけです。
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