ビビとモコは苦手なものは何だい?
そりゃ結構あるけど、やはり一番苦手で怖いのは雷かな。
あの音と稲光は厄介さ。
あと実は雷で起こる静電気もあたいらワンコは苦手なんだ。
人間社会でも、昔から「地震・雷・火事・親父」なんて怖い物の例えを言うけど、しっかり雷も入っているじゃない。
人間の場合だと、実際にどこに雷が落ちるかが、重要かもな。
まあ雷はしょっちゅうは鳴らないから、毎日のようにママがやる掃除機の音にも困ったものさ。
まったく身の毛がよだつよ。
ボクは、花火の音も大の苦手さ。
いつだったか、リアスにお祭りに連れていってもらって、盆踊りだっけ。
あの音楽と太古の音にも参ったけど、その後始まった花火には本当にビックリ。
少し綺麗だとも思ったけど、とっても怖かったよ。
やっぱり大きな音が出るものは苦手なんだな。
ワンちゃんはとても聴覚にすぐれていて、音には敏感だからな。
昔うちにいたミニチュアシュナウザーのキャンディなんて、それこそ雷が鳴り出せば大変だったよ。
本当に見ていて可哀想なほどガタガタ震えだして部屋の隅で縮こまって固まっていたものさ。
風呂場に逃げ込むこともあったな。
これは静電気の関係で、水のある所に逃げるためさ。
だから、キャンディに比べれば、ぜんぜんビビもモコもまだまだ大丈夫さ。
リアスだって雷は嫌いだっていってたじゃない。
雷って嫌われものだよな。
ボクは雷なんて無くなればいいって思っているけど、何故雷は起こるの?
パソコンをいじっていることが多いから、そういう意味でも雷は嫌いさ。
停電とかなると滅茶ムカつくな。
まあ一応家の中に入ればまず安全だと分かっているから、ビビやモコみたいに怖がらないけど、空中にあのギザギザの稲光が走り、その瞬間に落ちたかなと思うほど大きな音がした時などは、ゾットするな。
実際の雷による死亡確率は、死亡者のうちの0.0006%程度なんだって。
それこそ、宝くじで1等が当たるようなものさ。
でも本当のところは、ドリームジャンボが当たる確立よりは、1万倍以上の危険性があるらしい。
こう言われてしまうと、少し不安にも感じられるけど、このような雷被害に合う人は、それこそ雷が鳴っているのに、ゴルフや釣りなどを行っているような人たちさ。
実は釣りによる雷の死亡事故がとても多いそうですから、釣りが趣味の人は要注意。
しかし反対に考えれば、いかに宝くじの1等が当たらないものかの証明にもなりますね。
まさしく、宝くじを当てるのは、天文学的奇蹟が必要なわけ。
それでも毎年懲りずに夢を追って、買い続ける無駄な努力をひたすら続ける私です。
さて、モコの言う「何故雷は起こるの?」という疑問に答えてみましょうか。
雷の正体は、電気エネルギーなんですね。
しかしその威力たるや、あまりにも絶大の威力を誇り過ぎ。
あの雷パワーの電気エネルギーは、果してどのようにして生まれるのでしょうか?
実はその正体は、身近なところにありました。
冬場など、あなたもドアノブなどをつかんだ瞬間に、「パッチ」ってきますよね。
つまり雷エネルギーの正体は、静電気だったのです。
私も小学生のころ、よく下敷きで髪の毛を擦って立たせる遊びをやったもの。
結構はやったりした遊びだったけど、雷の原理はこれと同じなんです。
もちろんまったくスケールが、桁違いとなるわけですけどね。
上空にぽかぽか浮かんでいる雲。
この雲の中では水蒸気が凍ってしまい、大量の氷の粒が出来あがっているのです。
そしてそれらの氷の粒が、擦れあって電気が発生するわけ。
実はあの恐ろしい、信じられないパワーを持つ雷が生まれる正体が、こんな単純理由だったのです。
ほんとうに、自然の力って恐ろしいものですね。
ねえリアスボクはもう一つ疑問があるんだ。
稲妻って、どうして真っすぐ落ちないで、あんなジグザクなの?
リアスの説明は分かりやすいから、稲妻も教えてよ。
誉めてもらうのは嬉しいな。
よし、調子に乗って説明しちゃうか。
確かにあの稲妻のジグザクな動きは、異常だよな。
モコじゃなくても、疑問に感じている人は多いと思うよ。
あたいは全然さ。
あの狂暴な雷の奴に似合っているじゃない。
あれはまさしく雷の奴の性格さ。
性格が悪いから、あんなジグザクな動きをするのさ。
おっとビビさん、破れかぶれの独断発言だな。
やはり、よほど雷が嫌いみたいだな。
でもなまじっか大外れでもないかもな。
さて、ちゃんと分かりやすく説明するから聞いててよ。
稲妻のスピードは秒速200kmなんて凄い速さだけど、何故か動きに特徴があります。
これがビビが言う性格なのかは知らないが、とにかく20~50m程度進んでは、そのたび一旦停止するわけ。
このため、再度次に進み始める時には進行方向が変わってしまうのさ。
その結果、あのおぞましい、稲妻特有のジグザグな軌跡となるわけなんだ。
万が一、愛犬の散歩中などに雷が鳴り出せばどうするべきでしょうね。
我が家の近くであれば、さっさと家に逃げ込むことです。
また、車の中も安全ですよ。
危険な雷が落ちやすい場所を紹介します。
・電気が流れやすい場所
・平坦地である地面
雷の特徴は、とにかく一番近くにある物体に落ちやすいこと。
この近くにある物体とは、背の高い物が該当者となります。
単純に雷が落ちやすくなる理由は、上空の雲との距離が近くなるから。
落雷による死亡事故で、圧倒的に多いとされる危険箇所が次の2つ。
・木の下での雨宿りによる落雷
他の要注意箇所は、以下の通り。
・山の頂上
・平地が広がる公園
・ゴルフ場
・屋外プール
・堤防
・砂浜
とにかく周りより、あなたの方が高い場合は危険です。
このため、広く平坦な場所で、酷い雷に遭遇すれば、傘など持っている場合ではありませんよ。
直ぐに手放して、できる限り背を低くしてください。
万一雨に濡れて風邪を引いたとして、はるかに命のほうが大切です。
自転車やオートバイなどに乗っている場合には、ただちに降りて安全な場所に避難しましょう。
なお、よく金属のアクセサリーをはずすべきと聞きますね。
でも小さな金属製のアクセサリーなんて、さほど影響しないので、そのような物を外すことに手間取り、逃げ遅れる方が危険ですよ。
さっさと建物などの安全な場所に避難しましょう。
安全な建物などが周りにない場合もありますね。
最後に「雷しゃがみの姿勢(Lightning Crouch)」を紹介しておきましょう。
適した避難場所が周りにない、見渡す限り平坦な場所にいる場合は、緊急時対応として「雷しゃがみ」を覚えておきたいものです。
まだまだ日本では認識が低くて馴染みがなさそうですが、アメリカなどではとてもポピュラーであり、すでに一般認知度の高い雷対処方法として紹介されています。
雷しゃがみの姿勢とは次の通り。
・両手を使って、耳をふさぎます。
・足の両かかとをしっかり同じ位置に合わせます。
・かかとを地面から浮かせた状態となり、つま先のみで立ちます。
この雷しゃがみの姿勢を読んで、意外に大変そうだと感じたはず。
実際に実践すれば分かりますが、これは思った以上に大変で辛い姿勢といえます。
よくやらかす失敗が、少しでも姿勢を低くしようとして、腹這いになること。
これは返って、接地面積が大きくなるので危険が高まりNGです。
また、注意したいのが、友達などと数人でいる場合には、お互い30m以上離れてこの雷しゃがみの姿勢を行うことです。
雷が鳴るとモコは、直ぐ怖がってあたいの側に近寄ってくるから、これからはしっかり離れてくれよな。
どうも近寄って一緒にいるのはダメらしいぜ。
もちろん部屋の中に入れば安全なので、愛犬が不安から震えていれば、優しく抱いてあげてくださいね。
さて最後にもう一度、雷しゃがみのおさらいをしておくと。
・両足のかかとを一緒に合わせる
・つま先で立ちかかとを浮かせる
この2点が重要ポイント。
両足のかかとを合わせる意味は、万が一電気が進入した際には、片足から侵入した電気が、上半身に流れることが無く、反対側の片足へ伝わって地面に電気を流してしまうようにするためです。
また、つま先立つ理由は、少しでも地面との接点を小さくして、電気の進入を最小にして被害を抑えるためですよ。