バターは独特の香りと濃厚な風味が持ち味で、トーストや茹でたジャガイモに塗ることで、その物自体の味わいがアップし引き立ててくれます。
しかし気になるのがカロリーの高さ。
愛犬に与えた場合、肥満の元になりそう出し、もう一つの問題が、塩分量の多さと脂肪分。
また、バターの種類にも注意が必要。
あとマーガリンという、バターとの違いがよく分からない食材があり気になりますね。
2つの違いについても知りたいところ。
さてそもそも、愛犬にバターは与えて大丈夫なのでしょうか?
バター自体には、犬にとって特に危険な成分は含まれていません。
したがって、少しの量のバターであれば、舐めたり食べたりしてしまっても大丈夫。
ただし問題は、カロリーが高く肥満の恐れが高い、また、ワンちゃんが、乳製品を摂取することで、下痢や嘔吐などの症状を引き起こす乳製品アレルギーや乳糖不耐症であれば注意が必要。
犬にバターを与えるといっても、人間同様に直接バターを食べさせるわけではなく、例えば手作りのクッキーの材料として加えるなどのような与え方になるはずです。
確かに人間用のクッキーの場合であれば、バターやマーガリンを使うことで、風味が増して味も良くなります。
しかし愛犬にわざわざバター風味のクッキーを手作りする必要はないように感じますね。
愛犬にクッキーを手作りする場合、通常小麦粉の一種である全粒粉を使いますが、そこにバターを加えるよりは、さつまいもやバナナなどの野菜や果物を加えるのがオススメ。
うっかり目を離した隙に、愛犬にバターを食べられてしまったということは生じるかもしれませんが、わざわざワンちゃんにバターを与える必要はないといえます。
次にバターの栄養素を見てみましょう。
100gあたりの有塩バターと食塩不使用バターを比較して、主な栄養素をチェックしてみましょう。
成分名 有塩バター 食塩不使用
エネルギー 745kcal 763 kcal
水分 16.2g 15.8g
タンパク質 0.6g 0.5g
脂質 81g 83g
ナトリウム 750㎎ 11mg
カリウム 28㎎ 22mg
リン 15㎎ 18mg
亜鉛 0.1㎎ 0.1㎎
ビタミンD 0.6μg 0.7μg
ビタミンK 17μg 24μg
ビタミンB2 0.03mg 0.03mg
ビタミンB12 0.1μg 0.1μg
葉酸 0μg 1μg
ナイアシン 0.1mg 0.1mg
バターは、牛乳から分離した乳脂肪分を撹拌して作られるものであり、乳脂肪分80.0%以上、水分17.0%以下のものとなります。
これはちゃんと、法律で決まっているんだから驚きですね。
日本でいう一般的なバターが有塩バター。
練り上げる製造工程で食塩を添加したもので、塩を加えることで風味がアップするとされ、また保存性が高いのも特徴。
無塩バターとは、製造の過程で塩を加えないバター。
塩分を気にかける方は、こちらを使用するケースが多いといえますが、若干保存期間は有塩バターより短くなります。
最近、日本でも注目されているのが発酵バター。
「乳酸菌」によって、原料となる乳脂肪分を発酵させて作ります。
発酵させた分、コクと香りが高くなるとして評判になっています。
主流はヨーロッパの発酵バターですが、日本でも人気急上昇中。
このため、結構発酵バターも見かけるようになってきました。
有塩・無塩の両タイプがあります。
ホイップバターとは、バターに生クリームを加えて、泡立て器を使ってホイップしたもの。
特徴は、たくさんの空気を含むため、とってもふわふわで柔らかく、口当たりが軽くてなめらかなこと。
嬉しいポイントは、カロリーが低く抑えられるというところ。
また、生クリームの代わりに牛乳を使うと、より軽い感じの仕上がりになりますよ。
好みで使い分けてみるのがオススメ。
難点は賞味期限が短いこと。
グラスフェッドバターの特徴は、牛のエサが違うこと。
つまり、一般的なバターの場合、穀物を食べて育った牛の牛乳を使います。
それに対してグラスフェッドバターの場合、牧草だけを食べて育った牛の牛乳を使用しているわけ。
そのためグラスフェッドバターは、香りが高く、コクのある味わいだとされています。
なお問題は、値段が高いことですね。
値段は通常のバターと比較すると、5~6倍も高くなってしまいます。
ただし、タンパク質や不飽和脂肪が豊富に含まれている理由から、健康に良いと注目が集まっています。
大半は輸入物となります。
バターとマーガリン。
この二つの違いって何?と思っている人は案外多いのではないでしょうか?
簡単に、バターとマーガリンの違いの結論を教えてしまえば、動物性脂肪か植物性脂肪かの違いとなります。
・バターは、80%以上が動物性脂肪(牛乳)で出来ていること。
・マーガリンは、80%が植物性脂肪(オリーブ油、ごま油等)で出来ていること。
このように、しっかり定期付けされています。
一時期、バターが品薄で手に入らないと騒がれた時期があったのですが、何故かマーガリンなら簡単に入手可能であったことに、疑問を感じた方が多かったのではないでしょうか?
バターの歴史はめちゃくちゃ古く、既に紀元前2000年頃には作られていたそうです。
何とそのころのバターはまだ食用ではなく、医薬品や化粧品として用いられていたのだとか。
これに対してマーガリンは、メージュ・ムーリェという化学者が、牛脂と牛乳を混ぜて冷やし固めて作ったものと、発明者の名前まで分かっています。
ナポレオン3世が、戦争でバターが欠乏したため、代用品を懸賞募集したことが切っ掛けで作られ、そのためマーガリンは「人造バター」と言われました。
何か人造バターとはえらく大袈裟なネーミングですね。
私など人造と聞けば、ドラゴンボールの人造人間をイメージしちゃいますね。
何と人造人間18号が、クリリンの嫁さんになったのはビックリだったな。
おっと話が脱線しちゃいましたね。
つまり要点は、マーガリンは人工的に簡単に作れる商品のため、バターが品薄の時でも簡単に入手可能だったわけです。
バターとマーガリンの特徴が一目ではかるように分かり易く表にまとめて見ました。
比較項目 | バター | マーガリン |
原材料 | 牛乳 | 植物性の油脂 |
形 状 | 冷やすと固くかたまる。常温(20℃くらい)では柔らかい | 柔らかくてなめらか |
味 | 香りがよく、芳醇な風味 | 香りは弱く、さっぱりしている |
賞味期限 | 約6ヵ月(冷蔵庫保存) | 約6~10ヵ月(冷蔵庫保存) |
開封後 | 2週間が限度 | 1ヶ月は大丈夫 |
健 康 | 太りやすくコレストロール値が上がりやすい。 | トランス脂肪酸という危険成分を含む。中性脂肪やコレストロール を減らしてくれる。 |
価 格 | 高価 | 安価 |
動物性の脂肪がバターのため、コレステロールが多く含まれるのが注意ポイント。
また、酸化しやすいところも問題点。
マーガリンの最大の問題は、トランス脂肪酸が含まれること。
また、「乳化剤」という、混じり合わない水と油のようなものを、均一に混ざりやすくする食品添加物も含まれています。
一時期トランス脂肪酸って、問題になってよくニュースでも話題になってましたね。
海外では、トランス脂肪酸を一定以上含む食品は、明記義務が生じる国も存在しているほど。
・心臓病の危険が高まる
・糖尿病や高血圧の原因となる
・肥満になる
・悪玉(LDL)コレステロールを増やし、善玉(HDL)コレステロールを減らしてしまう
なお、当然ですがマーガリンには、気になる問題ばかりではなく、良い働きもあります。
それは植物性の油であることで、そのため、体内で中性脂肪やコレステロールを減らしてくれる働きが生じます。
直接バターを愛犬に与えることはなくても、バターを多く使用した食品が溢れています。
朝食に食パンを食べているときに、ついトーストのミミならバターを塗ってないと与えてしまったりしてませんか?
バターを塗っていなくても、ミミ自体に既にバターが含まれていますね。
このように、結構いろんな食品に、バターは含まれているもの。
バターは非常にカロリーが高いため、肥満の元。
十分注意してあげましょう。
乳糖不耐症については少し前述しましたが、乳糖不耐症のワンちゃんの場合、乳製品を摂取することで下痢や嘔吐などの症状を引き起こします。
バターには乳糖が含まれているため、注意が必要。
乳糖を分解するためには、ラクターゼという消化酵素が必要ですが、犬はこの消化酵素が無いため、乳糖を分解することができず、そのため乳製品を摂取することで、体調を悪くしてしまうことが多いのです。
ワンちゃんは、乳製品アレルギーであることが多いです。
このため、乳製品アレルギーであるワンちゃんが、バターを食べてしまえば、アレルギー反応が出て痒みが生じたり、下痢や嘔吐を引き起こしてしまう可能性が高まり要注意。
関連記事
「チワワに与えるご飯!人間用の牛乳は飲んでも大丈夫ですか?」
バターには塩分が多く含まれており、要注意。
有塩バターであれば、100gあたり750㎎も含みます。
無塩バターにだって、100gあたり11㎎含まれているので、油断禁物。
犬が1日に必要とする塩分量は、ナトリウムで体重1㎏あたり50mgとされていますから、その塩分の多さが実感できますね。