しらすとはいわしの稚魚のことであり、ご飯のお供としてお馴染み。
水揚げされたばかりの「生しらす」や塩水で釜茹でした「釜揚げしらす」や、「しらす干し」と「ちりめんじゃこ」などいろんな種類があり、どれも丸ごと食べられるのが魅力。
カルシウムバッチリだが、気になるのが塩分の多さ。
はたして犬は、しらすを食べても大丈夫でしょうか?
答えは大丈夫。
中毒を起こすような成分はなく、基本的に問題はありませんが、やはり気になるのが塩分の多さです。
そのまま単純に与えてしまえば、塩分の過剰摂取の恐れが生じ、塩分を抜いてから与える必要があります。
成分名 成分量(100gあたり)
エネルギー 76kcal
水分 81.8g
タンパク質 15g
ナトリウム 380㎎
カリウム 340㎎
リン 180㎎
カルシウム 210mg
鉄 0.4mg
亜鉛 1.1mg
銅 0.02mg
ビタミンB2 0.07mg
ビタミンB6 0.17mg
ビタミンB12 4.2μg
ビタミンC 5mg
ビタミンD 6.7μg
葉酸 56μg
ナイアシン 3.7mg
シラスには100gあたり210mgものカルシウムが含まれています。
「天然の精神安定剤」とも呼ばれるカルシウムは、99%は骨の材料になり、骨や歯を丈夫にしてくれます。
骨そしょう症の予防にも効果的です。
また、神経や筋肉の活動が円滑に働くようにサポートをする役割もあります
そら豆には、100gあたり440mgのカリウムが含まれています。
カリウムはミネラルの一つであり、ナトリウムと協力して細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があります。
ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制して、体内の不要なナトリウムを排出して、細胞内の浸透圧を維持します。
そのため血圧を下げるのを手助けしてくれて、高血圧の予防やむくみの解消に効果的です。
また、余分なナトリウムを排出することにより、神経刺激の伝達を高め、筋肉機能の調節、心臓機能などに効果を発揮してくれます。
また、疲労回復にも良い効果を与えてくれます。
なお、カリウムは欠乏すると「低カリウム血症」を発症し、子犬が情動不安になったり、筋麻痺などの例が報告されています。
また、過剰摂取してしまうと「高カリウム血症」の原因にもなるため、適量摂取に心がける必要があります。
しらすには100gあたり180mgとリンを豊富に含みます。
リンはカルシウムとともに骨を構成する重要なミネラルで、別名「骨のミネラル」と呼ばれます。
約85%程度が骨や歯を作るために消費され、残り15%程度がエネルギーを作ったり、神経系の働きに作用したりします。
糖質代謝を円滑にすることで、骨や歯を作る効き目を発揮します。
欠乏すると骨折しやすくなり、さらに成長に悪影響を及ぼす一方、過剰に接種してしまうと、結石ができやすくなったり腎疾患のもとになったりするので注意が必要です。
しらすはビタミンDを豊富に含みます。
ビタミンDには、血中のカルシウム濃度を維持する効果があります。
また、小腸でのカルシウムの吸収促進作用、腎臓でのカルシウム再吸収促進作用、骨塩動員作用によりカルシウムの吸収や腎臓でのカルシウムの再吸収という具合に、とてもカルシウムと相性がよく、しらすはカルシウムも豊富に含むためバッチリです。
さらに、免疫力を向上させる効果や、筋肉を増強する効果などもあります。
葉酸は、妊娠初期に必要となる栄養素であり、しらすには葉酸が含まれています。
細胞の生成に必要な栄養素であり、ビタミンB12とともに造血のビタミンと呼ばれ、赤血球の生産をフオローする働きがあります。
また葉酸は、正常な遺伝情報を持つDNA細胞の生成に深くかかわり、そのため胎児の先天異常のリスクを減らしてくれます。
さらに、生まれてくる子犬の発育にも役立つため、妊娠中の母犬には積極的に摂取して欲しい栄養素です。
しらすには、100gあたり4.1gの塩分量が含まれているとされています。
犬が1日に必要とする塩分量は、体重1㎏あたり約0.1gとされています。
なお、犬の塩分致死量は、体重1㎏あたり4gだと言われています。
このため仮に、体重5kgの小型犬であれば、1日に必要とする塩分量は0.5gとなり、12gも食べればリミットとなります。
このためひと手間かかりますが、必ずしらすは塩分を抜いてから与えるのが基本といえます。
塩抜きの方法は簡単で、ボールにしらすを入れて熱湯を注ぎます。
そのまま数分間熱湯につけておき、それをザルに入れて湯切りすればOKです。
この一手間が面倒と感じる飼い主さんは、「犬用の無塩しらす」を選んでください。
「じゃこせんべい」などのように、しらすやじゃこを材料にして作られた人間用の味のお菓子があります。
これらは通常、塩茹でされたものが使用されたり、濃い味付けがされています。
このためワンちゃんが食べれば塩分の取り過ぎとなり、腎臓に負担がかかります。
また、尿結石の原因にもなるため、人間用の加工品は愛犬には与えないように注意しましょう。
なお、中には犬用のしらすやじゃこのお菓子として、減塩や無塩のものも売られているため、どうしても与えたい場合は、そちらの商品を選んでください。
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どのような食べ物でも、初めて愛犬に与える時には、常にアレルギーに注意すべきです。
このため、初めて愛犬にしらすを食べさせるときは、極微量与えることがまずは常識。
そしてしっかり、愛犬に変化が何か生じないか観察します。
元気がなくなるなど、少しでも気になる変化が感じられた時には、それ以上与えないようにしてください。
アレルギーが起こったケースでは次のような症状が起こります。
・目の充血
・体を痒がる
・湿疹、じんましんが出る
・嘔吐、下痢など