グレープフルーツといえば、アメリカ・フロリダ産など輸入品が多く、爽やかな甘酸っぱい香りと味が思い浮かぶ果物です。
「ホワイト・マーシュ」という種類が最も一般的なグレープフルーツで、果肉が白黄色をしていて、果汁が豊富です。
味はほど良い苦みがあり、さっぱりしたさわやかな味をしています。
その他には、果肉が赤みがかった色をした「ルビー(ピンク・マーシュ)」や、果肉が濃い赤色であり、甘味が強い「スタールビー」などがあります。

グレープフルーツなどの柑橘系はワンちゃんに与えてはダメと聞いたりしますが、本当のところはどうなのでしょうか?
今回は、チワワはグレープフルーツを食べて大丈夫なのか、また、栄養素や注意点について紹介します。

チワワはグレープフルーツを食べて大丈夫?

答えは、チワワはグレープフルーツを食べて大丈夫です。
よく、柑橘系の果物をワンちゃんに与えてはダメというのは、中毒性がある「ソラレン」という物質が含まれているからです。

しかしソラレンは、かなりの量を食べない限りは、中毒症状は出ないとされています。
また、グレープフルーツは、外の皮にソラレンを含むので、しっかり皮を剥いて中身だけを与えてあげましょう。

グレープフルーツの主な栄養素

成分(100g当たり) 含有量
エネルギー 38 kcal
水分 89g
タンパク質 0.9g
脂質 0.1g
ナトリウム 1mg
カリウム 140mg
カルシウム 15mg
マグネシウム 9mg
リン 17mg
亜鉛 0.1mg
ビタミンB1 0.07mg
ビタミンB2 0.03mg
ビタミンB6 0.04mg
葉酸(ビタミンB9) 15μg
ビタミンC 36mg
食物繊維 0.6g
果糖 2.2g

チワワに与える適量はどれくらい

はたしてグレープフルーツは、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、犬種、運動量など様々な要因で異なってきます。
よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、果物類は食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。
カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
チワワのような小型犬の場合は10g程度、本当に一口で十分でしょう。

チワワにグレープフルーツを与えるメリット

「ペクチン」

グレープフルーツに含まれるペクチンは、整腸作用があって老廃物を体外へ排出して、食物繊維の消化を促進する働きがあります。
このため、食物繊維が気になる野菜などと一緒に摂取すると、食物繊維の消化不良を防止してくれて助かります。
また、コレステロール抑制、糖尿病、動脈硬化、肥満、便秘などにも効果を発揮してくれます。

「リモネン」

リモネンは、グレープフルーツをはじめとした、柑橘系のフルーツに豊富に含まれている精油成分です。
リモネンの香りには、リラックス効果や気分をスッキリさせる働きが作用するため、よくアロマオイルに使われています。
最近は、抗がん作用が注目されてもいます。
また、交感神経を刺激し、毛細血管を広げて血流やリンパの流れをよくして、体を温め冷え性やむくみの改善が期待できます。
血行を促進する効果から、新陳代謝を高め脂肪が燃焼しやすくなるため、ダイエット効果もあります。

「ナイアシン」

グレープフルーツに含まれているナイアシンは、水溶性のビタミンで炭水化物・脂質・タンパク質の代謝を行い、脂肪や糖をエネルギーに変換してくれます。

「ナリンギン」

グレープフルーツに含まれるナリンギンは、免疫力を高め、食欲を抑制する効果がありダイエットにも期待できます。
さらに、血中の脂肪の分解を促進し、高脂血症を改善してくれます。
実は、グレープフルーツのほんのりした苦味の正体がこのナリンギンです。

「ビタミンC」

グレープフルーツはビタミンCを豊富に含みます。
免疫力をアップさせ、疲労回復効果や肌の健康を維持してくれます。
チワワは体内でビタミンCを合成できますが、特に皮膚疾患を抱える愛犬にはぜひ積極的に摂取したい栄養素です。

チワワにグレープフルーツを与える際の注意点

「ソラレン中毒に注意」

グレープフルーツに限らず、柑橘系には、「ソラレン」という中毒物質が含まれているので注意が必要です。
ソラレンはグレープフルーツの外皮に含まれているため、中身のみチワワに与えてあげましょう。
皮には農薬が付着している恐れもあります。
なお、包丁で皮を剥いた際には、ソラレンが付着した状態となっているため、そのまま実を切らないように注意しましょう。
なお、前述しましたが、少量であればソラレンによりワンちゃんが中毒を起こす心配は無いので、与え過ぎないようにしましょう。

「薄皮やスジを取り除いて細かくする」

外皮だけでなく、消化しにくい内側の皮や、白いスジも取り除いてあげるのがおすすめです。
また、皮を剥いた状態では大きすぎるので、手で小さくしてからあげるようにしましょう。
ワンちゃんは丸飲みする習性があるため、大きすぎると喉に詰まらせることがあり、注意が必要です。

「薬と一緒に与えない」

グレープフルーツと薬を同時に飲ませるのはNG、両者の相性は良くないと知っておきましょう。
グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」という成分が、薬の分解を遅らせてしまう作用を起こします。
このため、薬の効き目が強くなりすぎてしまうのです。
チワワが薬を飲んでいるときには、グレープフルーツを食べさせてはダメと肝に命じておいてください。

「与え過ぎない」

グレープフルーツには、100g当たり2.2gの果糖が含まれています。
このため、与えすぎてしまうと肥満になってしまう恐れがあります。
また、水分も豊富で食物繊維も含むため、摂取しすぎると下痢や嘔吐の原因になってしまうことがあります。

「加工品を与えない」

ジュースやアイスとしてグレープフルーツは、よく加工されています。
市販のジュースの多くは、砂糖を加えて甘みをを出して味を調えているため、チワワの健康に害をなし、肥満の原因となるとともに、糖尿病や歯周病などのリスクを高めます。

「アレルギーに注意」

どんな食べ物にもアレルギーを引き起こす可能性があるため、グレープフルーツによるアレルギー反応に注意しましょう。
そのため、初めてグレープフルーツを与える際は極少量に留め、グレープフルーツを与えてから数時間は、チワワから目を離さず様子を観察し、ウンチの状態はしっかり確認しましょう。

少しでも元気がなくなるなど、普段と違った症状が見られれば、それ以上与えないようにしてください。

次のような症状が確認できれば、アレルギーの可能性が高いので、直ぐに動物病院を受診しましょう。

・嘔吐と下痢
・目の充血
・皮膚が赤くなり、湿疹、じんましんが出る
・元気がなくなる

riasu