見た目がサツマイモにそっくりな「ヤーコン」という野菜を、あなたは知っていますか?
まだまだ認知度が低そうですが、生食が可能で、食べると梨のようなシャキシャキとした食感が感じられ、そのため「畑のナシ」とも呼ばれ、甘みもありなかなか美味しい野菜です。

ヤーコンは、南米アンデス高地が原産のキク科の植物であり、黄色く可愛い花が咲きます。
何とこの地方では、インカ帝国が栄えていた時代から、食べられていたとされるほどの古い歴史を持つ野菜です。
日本に初めてヤーコンが伝わってきたのは1970年代とされていますが、なかなか知名度は上がらず、ようやく2000年代に入ってから、世間での周知がなされ始めたといえます。

旬は11~2月頃であり、北海道や香川県で多く生産されています。
北海道置戸町では「ヤーコンドラフト」という発泡酒が開発されたりしてますよ。

美味しいヤーコンの選ぶ方は、次の通りです。
表面に傷がなく、太すぎず、すらっとしたスマートなものがよく、干からびてしぼんでいるようなものはNG。
手に持った時の感じが、表面が硬く張りがあるものがオススメであり、柔らかく弾力を感じるようなものは鮮度が落ちている証拠となります。

今回は、チワワはヤーコンを食べても大丈夫なのか、また、栄養素や与える際の注意点について紹介します。

チワワはヤーコンを食べても大丈夫?

チワワにヤーコンを与えても大丈夫です。
最近少しずつヤーコンの人気が高まっている理由が、「フラクトオリゴ糖」を含んでおり整腸作用が期待でき、さらに低カロリーであるため、ダイエット効果が望めるからです。
しかしヤーコンは、食物繊維も豊富に含むため、チワワへの与え過ぎには注意しましょう。
ヤーコンの栄養を見ていきましょう。

ヤーコンの主な栄養素

成分(100g当たり)         含有量
エネルギー             54 kcal
水分                86.3g
タンパク質             0.6g
脂質                0.3g
カリウム              240mg
カルシウム             11mg
マグネシウム            8mg
リン                31mg
鉄                 0.2mg
亜鉛                0.1mg
ビタミンB1             0.04mg
ビタミンB2             0.01mg
ビタミンB6             0.08mg
葉酸(ビタミンB9)          25μg
ビタミンC               3mg
β-カロテン                                      22μg
食物繊維               1.1g

チワワに与える量はどれくらい

はたしてヤーコンは、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、体重、運動量など様々な要因で異なってきます。
よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、野菜類は食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。

カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
チワワのような小型犬の場合は、本当に一口で十分でしょう。

チワワにヤーコンを与えるメリット

「フラクトオリゴ糖」

ヤーコンに含まれるオリゴ糖は、ビフィズス菌や乳酸菌を活性化させる「フラクトオリゴ糖」であり、善玉菌を増やして整腸作用が働き、便の状態を良くして「悪臭」を抑えてくれます。
ヤーコンにはたまねぎの3倍ものオリゴ糖が含まれており、オリゴ糖の塊とまで称される所以です。
また、有機酸が生成されて大腸の中のpHが低下するため、ミネラルの吸収がよくなる効果も働きます。
さらに、インスリンの分泌も避けられるため、肥満予防にも期待が持てます。

「ポリフェノール」

ヤーコンには、赤ワインで有名になった「ポリフェノール」が多く含まれています。
ポリフェノールは、身体をサビさせる原因とされる活性酸素を抑制し、酸化を防ぐ「抗酸化作用」という効果が働く抗酸化物質の成分です。
活性酸素が減ることによって、肌のみずみずしさやハリが保たれる等の美容効果が働きます。
また、血管を健康に保つことで血管の老化を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化の予防にも効果的です。
また、一緒に含まれるクロロゲン酸やフラボン類も同様に、活性酸素の除去効果があるため、発ガン予防にも期待が持てます。

「カリウム」

ヤーコンは100gあたり240mgものカリウムを豊富に含んでいます。
カリウムはミネラルの一つであり、ナトリウムと協力して細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があります。
このため、体内の不要なナトリウムを輩出して、細胞内の浸透圧を維持します。
また、疲労回復にも良い効果を与えてくれます。

なお、カリウムは、欠乏すると「低カリウム血症」を発症し、また、過剰摂取してしまうと高カリウム血症」の原因にもなるため、適量摂取に心がける必要があります。

チワワにヤーコンを与える際の注意点

「セスキテルペンラクトンに注意」

キク科の植物であるヤーコンには、アレルゲン物質の「セスキテルペンラクトン」が含まれています。
接触性皮膚炎の原因物質の一つとされており、長期的な接触によって皮膚炎が生じたり、過剰摂取してしまうと、嘔吐や下痢などの症状を引き起こす原因となるとされています。
しかし、適度な量であれば動脈硬化の予防に効果が期待できるともされており、過度に与え過ぎないように注意しましょう。

「与え過ぎない」

ヤーコンには、前述したセスキテルペンラクトンの注意もあるし、また食物繊維を含むため、与え過ぎてしまうと消化不良を引き起こして、嘔吐や下痢を起こす原因となる恐れがあるため、チワワに与え過ぎないように注意しましょう。
チワワは、食物繊維を消化できないと認識しておきましょう。

「細かくカットする」

ワンちゃんは野菜の消化が苦手です。
そのため、細かくカットして消化しやすくしてあげるのがおすすめです。
また、チワワはあまり噛ずに丸飲みしてしまう習性があります。
したがって、大きな塊のサイズで与えてしまうと、チワワの喉に詰まってしまう恐れがあります。
もしも呼吸困難とかになれば大事です。

「加熱する」

茹でるなどしてあげれば、柔らかくなり消化しやすくなります。
ただし、ヤーコンの特徴でもあるフラクトオリゴ糖は水溶性であるため、長く茹でてしまうと栄養が溶け出してしまうので注意しましょう。

「アレルギーに注意」

食物はすべてアレルギンになる要素を含んでいます。
このため、ヤーコンを食べてアレルギーを起こす子もいます。
したがってチワワに初めて与える時は、細心の注意を払い、極微量与えるようにしてください。
与えてから、数時間はチワワから目を離さず様子を観察してください。
口や目のまわりを痒がる素振りが見えたり、元気がなくなるなど普段と少しでも違った様子が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。
・目の充血
・体を痒がる
・湿疹、じんましん、
・嘔吐、下痢
上記のようなアレルギー症状が見られたならば、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。

オススメの調理方法は?

ヤーコンは、まだあまり認識度が高くない野菜のため、どのように調理すべきかお悩みの方もいることでしょう。
そこでオススメの調理方法紹介します。

まず、ヤーコンを調理する場合に必要なのが、アク抜きです。
生で食することも可能なヤーコンなので、それほど強いアクではありませんが、まずはアク抜きを行いましょう。
この時の注意点が、あまり長い時間水につけておかないことです。
ヤーコンの特徴でもあるフラクトオリゴ糖が水溶性のため、抜けてしまい栄養の点からも、味も劣化に繋がってしまいます。
したがって、水にさらす程度で問題ありません。
気になる方は、酢水にすればOK。

さて、ヤーコンの代表的なオススメ料理といえば「きんぴら」です。
梨のようなシャキシャキっとした食感がポイントといえます。
そのためポイントは、あまり火を通しすぎないように素早く調理すること。
ワンちゃん用だから、調味料などでの味付けは一切なしです。
ヤーコンは、オリゴ糖を多く含んでいるのが特徴なので、砂糖を入れずに調理しても美味しく仕上がるので心配無用です。

riasu