明日葉は、日本が原産地でセリ科シシウド属の植物で、2月~5月に旬を迎える春野菜です。
伊豆諸島が明日葉の全国生産高1位のため、伊豆大島の名物には、明日葉を使った天ぷら、ケーキやアイスクリームなどがお土産としてそろっています。
「今日葉を摘んでも明日にはまた芽が出て伸びてくる」というほど成長が早いことから、明日葉と名付けられたとされています。
青汁の原材料としても有名で、サプリメントにもよく使われており、高い栄養価でじわじわと注目されてきていますが、主に様々な加工品の原料として使われ、実に流通している内の約9割は加工品です。
そのため、名前が売れ出した割りには、調理して食べたことがない方が多いのではないでしょうか。
少しクセのある味が逆に魅力的で、明日葉は、天ぷらやお浸しなど、いろんな調理法で美味しく食べることができる野菜で、近年、健康野菜として人気が出ています。
今回は、チワワは明日葉を食べても大丈夫なのか、また、栄養素と与える際の注意点について紹介します。
答えは「YES」チワワは明日葉を食べても大丈夫です。
健康野菜といわれる明日葉のパワーはワンちゃんにも有効です。
明日にはまたすぐ伸びてくるという、生命パワーに溢れる明日葉の栄養価をみてみよう。
成分(100g当たり) 含有量
エネルギー 33 kcal
水分 88.6g
タンパク質 3.3g
脂質 0.1g
ナトリウム 60mg
カリウム 540mg
カルシウム 65mg
マグネシウム 26mg
リン 65mg
鉄 1mg
亜鉛 0.6mg
ビタミンB1 0.1mg
ビタミンB2 0.24mg
ビタミンB6 0.16mg
葉酸(ビタミンB9) 100μg
ビタミンC 41mg
ビタミンK 500mg
β-カロテン 5300μg
食物繊維 5.6g
はたして明日葉は、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、体重、運動量など様々な要因で異なってきます。
よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、野菜類は食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。
カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
チワワのような小型犬の場合は、本当に一口で十分でしょう。
明日葉には、デトックス効果に有効である、「食物繊維」「カリウム」「クマリン」「ルテオリン」という成分が豊富に含まれています。
体内に溜まった毒素は、75%が便から、20%が尿から、3%が汗から排出されるとされるため、便秘気味の方や尿が出ずらい方は、知らぬ間に体内に毒素が溜まりがちとなってしまいます。
明日葉には、「食物繊維」が100gあたり5.6gと豊富に含まれており、特に「不溶性食物繊維」の量が豊富です。
不溶性食物繊維は、腸内の発がん性物質を吸着してくれるため、大腸ガンの予防効果があり、また、お腹の中で水を吸収して膨らむため、腸を刺激して蠕動運動(ぜんどううんどう)」を活発にすることで、便を外へ排出しやすくして便秘解消の効果が期待できます。
カリウムは、ミネラルの一つであり、ナトリウムと協力して細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があります。
このため、体内の不要なナトリウムを排出して、細胞内の浸透圧を維持したり、腎臓に溜まった老廃物を尿と共に排出してくれます。
また、疲労回復にも良い効果を与えてくれます。
なお、カリウムは、欠乏すると「低カリウム血症」を発症し、また、過剰摂取してしまうと高カリウム血症」の原因にもなるため、適量摂取に心がける必要があります。
「クマリン」や「ルテオリン」には、利尿効果があります。
明日葉は、これらの成分の相乗効果で、デトックスの効果がとても有効な野菜です。
活性酸素はストレスや紫外線などでも生まれ、体内で必要以上に増えすぎると、身体の内側を酸化させ細胞や血管の老化を進めてしまいます。
活性酸素を減らすには抗酸化成分が有効になります。
明日葉には、100gあたり5300μgという豊富な量のβ-カロテンや、ビタミンCが41mg、さらにカルコンやクマリンなどの抗酸化作用が働く抗酸化成分を多く含んでいます。
β-カロテンは、抗酸化作用があり、有害な活性酸素を消去してくれて免疫力をUPさせ、がん予防に期待が持てます。
また、チワワの体内で酵素によってビタミンAに変わります。
なお、必要に応じてビタミンA不足を補うかたちで変換するため、よく言われる中毒や過剰症などを引き起こす心配はありません。
ビタミンAの主な働きは、以下の通りです。
・視力を正常に保つ。
・皮膚や喉、鼻などの粘膜を正常に保つ。
・風邪を予防する。
・夜盲症の予防。
ビタミンCにも抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑制してくれます。
また、コラーゲンの生成や免疫力アップの効果もあり、皮膚や粘膜の健康維持にも効果があります。
チワワたちワンちゃんは、ビタミンCの生成を肝臓で行えますが、それでもその生成量は一日で最大でも約60mg程度だそうです。
これだけでは足りないそうなので、明日葉に含まれるビタミンCも摂取したいですね。
また、ビタミンCは通常水溶性ビタミンのため、体内に蓄積しにくい性質があるため、どんどん摂取する必要があるのです。
カルコンは、明日葉を切った際に出る黄色くネバネバした汁の成分であり、ポリフェノールの一種で強力な抗酸化作用を持ち、体の酸化防止と老化を防ぐ働きがあります。
抗菌・抗炎作用のほか、体内の老廃物を排出する働きもあり、また、末梢血管を広げたり、血行促進の作用もあり、体内の水分代謝が良くなります。
さらに内臓脂肪を減少させる効果があります。
葉酸は、妊娠初期に必要となる栄養素であり、明日葉は100gあたり100μgと豊富に含んでいます。
細胞の生成に必要な栄養素であり、ビタミンB12とともに造血のビタミンと呼ばれ、赤血球の生産をフオローする働きがあります。
また葉酸は、正常な遺伝情報を持つDNA細胞の生成に深くかかわり、そのため胎児の先天異常のリスクを減らしてくれます。
さらに、生まれてくる子犬の発育にも役立つため、妊娠中の母犬には積極的に摂取して欲しい栄養素です。
このように明日葉は、母犬に食べさせたい野菜といえます。
明日葉はアクがとても強い野菜なので、チワワに与える前に必ず下茹でしておきましょう。
茎の部分は少し長めに茹でて、葉の部分はサッと茹でるのがおすすめ。
茹で終わったら、冷水に取り水気を絞っておきます。
これで柔らかくなりますが、さらに消化に良いよう細かく刻んであげましょう。
チワワは野菜の消化が苦手なため、少しでも消化しやすいように茹でたり、細かく刻むことは必須です。
明日葉は、食物繊維を豊富に含むため、与えて過ぎてしまうと消化不良を引き起こしてしまい、嘔吐や下痢を起こす原因となる恐れがあります。
チワワは食物繊維を消化できません。
ちなみに、ワンちゃんに必要な量の計算式は、「犬の体重㎏×0.17g」となっているので、一日の摂取目安にしてみましょう。
食物はすべてアレルギンになる要素を含んでいます。
このため、明日葉を食べてアレルギーを起こす子もいます。
したがってチワワに初めて与える時は、細心の注意を払い、極微量与えるようにしてください。
与えてから、数時間はチワワから目を離さず様子を観察してください。
口や目のまわりを痒がる素振りが見えたり、元気がなくなるなど普段と少しでも違った様子が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。
・目の充血
・体を痒がる
・湿疹、じんましん、
・嘔吐、下痢
上記のようなアレルギー症状が見られたならば、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。