「菜の花」は、春を思い起こす風物詩の1つでもある花野菜ですが、最近では1年中手に入るようになっています。
旬は早春の2月から3月にかけてであり、この時期のものが一番味は良いと言えます。

菜の花は、アブラナ科アブラナ属の黄色い花の総称であり、1種だけを限定する名称ではありません。
別名として「アブラナ」「セイヨウアブラナ」「菜花(なばな)」などと呼ばれます。
おもな産地としては三重県が有名で、約32%の生産量を誇ります。

特有のほろ苦さがありますが、茹でると甘味が出るため、お浸しや和え物などでよく食べられています。
奈良時代以前には伝来し、食用されていたそうです。
昭和になって食用としての品種改良が進み、広く食されるようになりました。

つぼみが開いておらず、小さく締まっているものを選ぶとよいとされています。
花が開いたものは苦味が強くなり食感も悪くなるので注意しましょう。

今回は、チワワは菜の花を食べても大丈夫なのか、また、栄養素と与える際の注意点について紹介します。

チワワは菜の花を食べても大丈夫?

結論を言えば、チワワは菜の花を食べても大丈夫です。
春になれば、菜の花畑をチワワと一緒に散歩したくなりますね。
菜の花にはほろ苦さがありますが、ワンちゃんはあの味大丈夫かな?
苦手なワンちゃんには、無理強いはしないようにしてあげましょう。
栄養価も高い菜の花の栄養素をみていきましょう。

菜の花の主な栄養素

成分(100g当たり)         含有量
エネルギー             33 kcal
水分                88.4g
タンパク質             4.4g
脂質                0.2g
ナトリウム             16mg
カリウム              390mg
カルシウム             160mg
マグネシウム            29mg
リン                86mg
鉄                 2.9mg
亜鉛                0.7mg
ビタミンB1              0.16mg
ビタミンB2              0.28mg
ビタミンB6              0.26mg
葉酸(ビタミンB9)           340μg
ビタミンC                130mg
ビタミンK               250mg
β-カロテン                                       2200μg
食物繊維                4.2g

チワワに与える量はどれくらい

はたして菜の花は、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、体重、運動量など様々な要因で異なってきます。
よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、野菜類は食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。

カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
チワワのような小型犬の場合は、本当に一口で十分でしょう。

チワワが菜の花食べるメリット

「デトックス効果」

菜の花には、デトックス成分である「硫黄化合物イソチオシアネート」が含まれています。
また、100gあたり4.2gの食物繊維やカリウムも390mgと豊富に含んでいます。
体内に溜まった毒素は、75%が便から、20%が尿から、3%が汗から排出されるとされるため、便秘気味の方や尿が出ずらい方は、知らぬ間に体内に毒素が溜まりがちとなってしまいます。

食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整えて、余分な物を排出してくれます。
このため、便秘改善の効果が期待できます。
また、脂質や炭水化物の吸収を遅らせる働きもあり、このため、血糖値の上下が緩やかになり、糖尿病改善に効果を発揮します。

カリウムは、ミネラルの一つであり、ナトリウムと協力して細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があります。
このため、体内の不要なナトリウムを排出して、細胞内の浸透圧を維持したり、腎臓に溜まった老廃物を尿と共に排出してくれます。
また、疲労回復にも良い効果を与えてくれます。

なお、カリウムは、欠乏すると「低カリウム血症」を発症し、また、過剰摂取してしまうと高カリウム血症」の原因にもなるため、適量摂取に心がける必要があります。

「抗酸化作用」

活性酸素はストレスや紫外線などでも生まれ、体内で必要以上に増えすぎると、身体の内側を酸化させ細胞や血管の老化を進めてしまいます。
活性酸素を減らすには抗酸化成分が有効になります。

菜の花には、100gあたり2200μgという豊富な量のβ-カロテンや、ビタミンCが130mg、など、抗酸化作用を持つ成分が多く含まれています。

β-カロテンは、抗酸化作用があり、有害な活性酸素を消去してくれて免疫力をUPさせ、がん予防に期待が持てます。
また、チワワの体内で酵素によってビタミンAに変わります。
なお、必要に応じてビタミンA不足を補うかたちで変換するため、よく言われる中毒や過剰症などを引き起こす心配はありません。
ビタミンAの主な働きは、以下の通りです。
・視力を正常に保つ。
・皮膚や喉、鼻などの粘膜を正常に保つ。
・風邪を予防する。
・夜盲症の予防。

ビタミンCにも抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑制してくれます。
また、コラーゲンの生成や免疫力アップの効果もあり、皮膚や粘膜の健康維持にも効果があります。

チワワたちワンちゃんは、ビタミンCの生成を肝臓で行えますが、それでもその生成量は一日で最大でも約60mg程度だそうです。
小型犬でもビタミンCが約500mg程度必要といいますから、モロヘイヤに含まれるビタミンCも是非摂取したいですね。
また、ビタミンCは通常水溶性ビタミンのため、体内に蓄積しにくい性質があるため、どんどん摂取する必要があるのです。

「鉄分」

菜の花に含まれる鉄分は、野菜の中でもトップクラスの含有量を誇り、100gあたり2.9mgもあります。

鉄分は貧血予防や改善に効果的な成分です。
鉄分は血液のヘモグロビンの中に含まれ、細胞や組織に酸素を運搬する役割を担っています。
また、チワワが体を動かすエネルギーを作り出すためにも必要です。

鉄分は「微量ミネラル」といって、1日あたりの摂取量や体内含有量は極めて少ない栄養素ですが、赤血球を作る補助を行い、疲労回復や免疫力向上にも役立ってくれます。

鉄分不足が生じてしまうと、貧血となり、疲労感が生じ、食欲の低下を引き起こす原因にもなります。
またチワワの抜け毛が多くなったりします。

「葉酸」

葉酸は、妊娠初期に必要となる栄養素であり、菜の花は100gあたり340μgと豊富に含んでいます。
細胞の生成に必要な栄養素であり、ビタミンB12とともに造血のビタミンと呼ばれ、赤血球の生産をフオローする働きがあります。
また葉酸は、正常な遺伝情報を持つDNA細胞の生成に深くかかわり、そのため胎児の先天異常のリスクを減らしてくれます。
さらに、生まれてくる子犬の発育にも役立つため、妊娠中の母犬には積極的に摂取して欲しい栄養素です。
このように菜の花は、母犬に食べさせたい野菜といえます。

チワワが菜の花を食べる際の注意点

「与え過ぎない」

菜の花はアブラナ科の植物のため、少しだけ「シュウ酸」が含まれています。
シュウ酸は摂取しすぎると、チワワの腎臓に負担をかけてしまいます。
このため、尿道結石や甲状腺などの症状があるワンちゃんには注意が必要です。

また、菜の花には、「ゴイトロゲン」といわれる物質が含まれています。
ゴイトロゲンは、甲状腺ホルモンを作るために必要なヨウ素の障害となります。
そのため、甲状腺肥大や甲状腺腫を引き起こす原因となってしまいます。
甲状腺の機能が低下しているワンちゃんには要注意となります。

菜の花は食物繊維を含んでいます。
このため、与え過ぎてしまうと、消化不良を引き起こして、嘔吐や下痢の原因となってしまう恐れがあります。
チワワは、食物繊維を消化できないと認識しておきましょう。

ちなみに、ワンちゃんに必要な量の計算式は、「犬の体重㎏×0.17g」となっているので、一日の摂取目安にしてみましょう。

「細かく刻む」

菜の花は、食物繊維も豊富なため、チワワが消化不良を起こさないように細かく刻んであげるのがおすすめです。
また、菜の花は、置いておくと花が咲き、筋っぽくなってしまうので、できるだけ早くたべたい野菜です。

チワワはあまり噛まずに丸飲みする習性があるので、細かく刻んであげることで、喉に詰まったり、むせて嘔吐したりすることを防止できます。
特に、喉に詰まってしまうと、呼吸困難を起こせば大事ですよ。

「茹でてあげよう」

先ほども述べたが、菜の花にはアク(シュウ酸)が含まれています。
水溶性のため、茹でることによりその量を減らすことがでます。
また、茹でることで、柔らかくなり消化もしやすくなります。

「アレルギーに注意」

食物はすべてアレルギンになる要素を含んでいます。
このため、菜の花を食べてアレルギーを起こす子もいます。
チワワに初めて菜の花を与える時は、十分に注意を払い、本当に微量を与えるように注意しましょう。
与えたならば、しばらくはチワワに細心の注意を払い、様子を観察してください。
身体を痒がる素振りが感じられたり、元気なく動きたがらないなど普段と少しでも違った態度が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。
・目の充血
・体を痒がる
・湿疹、じんましん、
・嘔吐、下痢
上記のようなアレルギー症状が現れた場合、至急チワワを動物病院に連れて行き、獣医師の診断を受けましょう。

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