チワワにエビを与えるのはNG?注意点やダメな理由

エビなどの甲殻類をワンちゃんに与えるのは、NGといいますが本当なのでしょうか?
チワワたちワンちゃんは、生肉を主食として食べていたため、動物タンパク質には強いはずです。
寿司屋に行けば、必ずエビの寿司は注文しますね。
また、エビフライ・エビチリ等、エビは美味しい魅力溢れる食材。
チワワが、こんな美味しいエビがもしも食べられないとすれ可哀そうですね。

今回は、本当にチワワにエビを与えるのはNGなのか、また、注意点やダメな理由を紹介します。

チワワにエビを与えるのはNGなの?

結論から言えば、生のエビを与えるのはNGです。
加熱したエビは問題ないといわれていますが、与え過ぎは当然ダメで、固く消化が悪い殻にも注意が必要となります。

エビ(あまえび)の主な栄養素

成分名 成分量(100gあたり)
水分 78.2g
タンパク質 19.8g
ナトリウム 300㎎
カリウム 310㎎
リン 240㎎
亜鉛 1㎎
0.44㎎
ビタミンB12 2.4μg
ビタミンE 3.4㎎

 

「タンパク質」

三大栄養素の一つであるタンパク質は、血液や筋肉などを作る元であり、生命維持に欠かせない重要な栄養素です。
また、エネルギー源としても活躍してくれます。

「タウリン」

タウリンはビタミンCなどと同様に、チワワの体内で合成される成分の一つですが、体内で作られる量だけでは、なかなか補いきれません。
抗酸化作用が働き、活性酸素の働きを抑えてくれます。

なお、タウリンの一番の働きは、肝臓の働きを活性化することです。
このため、肝臓の解毒能力が強化されます。
またこの他にも、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らしてくれたり、心臓・視覚・聴覚を正常に保つ働きがあります。

「キチンキトサン」

キチンキトサンは、動物性の食物繊維の一種で、キチン質とも呼ばれます。
整腸作用があり、腸内環境を整えて便通改善に力を発揮します。
また、コレステロールや脂肪を吸収して、便として排出することで、コレステロール値を下げる効果があります。
さらに、高血圧やダイエット、特にがんの予防には効果が期待できます。

「ビタミンB12」

ビタミンB12は、脳や神経のビタミンと呼ばれ、脳神経の働きに関与し、脳からの指令を体全体に伝える役目を担います。
また、葉酸と協力することで、赤血球の中のヘモグロビンを作る働きをします。

ビタミンB12の主な働きは以下の通り。

・新しい細胞を作る。
・壊れた細胞を修復する。
・神経の壊れた部分を修復する。
・神経伝達物質を作る働き。
・免疫を向上する。
・血流をよくする。

「ビタミンE」

エビはビタミンEを含み、体内の脂質が酸化するのを防止する抗酸化作用があります。
動脈硬や生活習慣病、老化現象などを予防してくれます。
また、ホルモンバランスを調整する働きもあります。

「リン」

リンはミネラルの一種で、約80%がカルシウムやマグネシウムと結合し、骨や歯を作る成分となります。
また、残りの約20%は筋肉や脳などでエネルギーを作り出す働きを行い、細胞の生命活動に欠かせない栄養素です。

リンの健康効果は以下の通り。

・骨や歯を丈夫にする
・エネルギーを作って蓄える
・神経や筋肉の機能を正常に保つ

なお注意点もあります。
それは、リンを過剰摂取してしまうと、カルシウムを奪ってしまうことです。
だから、骨が弱くなったり、腎臓の負担も招いてしまうため要注意です。

「銅」

銅はミネラルの一種で、タンパク質と結合して体内に存在します。
銅は鉄の働きを促進し、赤血球のヘモグロビンを作るために、鉄分を必要な場所に運ぶ役割を担っており、貧血を予防する効果が期待できます。

さらに銅は、細胞間の結合組織の役割を果たし、酵素の原料にもなり、コラーゲンの生成にも欠かせない栄養素であり、丈夫な骨や皮膚の形成を助ける役割をはたします。

チワワにエビを与える時の注意点

「生で与えない」

エビなどの生の甲殻類は、「チアミナーゼ」というビタミンB1を分解する酵素を含んでいます。
そのため、チアミナーゼを多く摂取すると、ビタミンB1欠乏症になってしまう恐れがあります。
チアミナーゼは熱に弱く、加熱すれば活力を失うため、エビを加熱処理すれば危険はありませんが、生のエビをたくさん食べしまうと要注意です。

ビタミンB1欠乏症になることで、食欲が低下したり、よだれが多くなったり、また、ふらふらして元気がなくなるなどします。
なお、重篤化するとけいれん発作が生じたり、運動障害が起こったり、心臓に影響が出て心室肥大や徐脈が生じますが、動物病院に連れて行って治療すれば、1日もあれば回復が見込めます。

分かりやすい病名を上げれば、「脚気(かっけ」です。
よく病院で、足の膝のお皿の下の部分を叩かれて、足が跳ね上がるかの反射検査をされた経験があるはずです。

脚気は江戸時代には、「江戸患い」と呼ばれて大流行しました。
江戸時代からお米を精米して食べる習慣が始まり、ビタミンB1を多く含む米ぬかを抜いてしまったことから生じたのです。

ちなみに、エビの他にも次のような食材には「チアミナーゼ」を多く含んでいるので注意しましょう。

カニ・シャコなどの甲殻類や魚介類。特に二枚貝は要注意。
また、ワラビ・ゼンマイなどのシダ類にも含まれています。

「殻や尻尾を取り除く」

エビの殻や尻尾は固くて消化しにくく、人間だって食べない人も多いはずです。
チワワにエビを与える場合、消化の悪いエビの殻や尻尾は必ず取り除くようにしましょう。
もし食べてしまうと胃腸に負担がかかって、消化不良を起こし下痢や嘔吐の原因となってしまいます。
チワワには、エビの身だけを与えるようにしてください。

「与え過ぎない」

エビは基本、消化が難しい食べ物のため、与えすぎは厳禁です。
加熱してもさほど消化しやすくはなりません。
このため、与え過ぎてしまえば消化不良を起こし、嘔吐や下痢の原因に繋がります。
おやつ程度の感覚、少量を与えるようにしておいてください。

「銅蓄積症に注意」

エビの血液は青いって知ってましたか?
人間の血液が赤いのは、ヘモグロビンに含まれている鉄分の影響です。
エビの血液には赤血球はありません。
そして人間のように鉄ではなく、銅が含まれています、
エビの血液が青いのは、銅が血液中で酸素と結びつき、青く変色しているからです。

銅蓄積症は、銅が体内にたまって代謝できなくなって発症します。
中には銅蓄積症を全然発症しないワンちゃんもいて、遺伝的要素も大きいとされています。

遺伝的に発症しやすい犬種は、ベドリントンテリアとウエストハイランドホワイトテリアとされています。
したがってこれらのワンちゃんを飼っている飼い主さんは要注意です。

「アレルギーに注意」

甲殻類アレルギーに注意しましょう。
エビなどの甲殻類に含まれる「トロポミオシン」というタンパク質は、アレルギー源になりやすい成分です。
トロポミオシンは、熱に強く、加熱しても変質しないので注意しましょう。

アナフィラキシーショックって知っていますか?
急死してしまう危険な状態を引き起こす可能性があるアレルギー反応で要注意です。
アナフィラキシーショックを引き起こす可能性がある食材としてピーナッツが有名ですが、実は甲殻類もアナフィラキシーショックを起こす危険のある食材の一つだと知っておきましょう。

このため、チワワにエビを初めて与える時は細心の注意を払い、極微量与えるようにしてください。
与えてから、数時間はチワワから目を離さず様子を観察してください。

口や目のまわりを痒がる素振りが見えたり、元気がなくなるなど普段と少しでも違った様子が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。

・目の充血
・体を痒がる
・湿疹、じんましん、
・嘔吐、下痢
・元気がなくなる

上記のようなアレルギー症状が見られたならば、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。

「人間用の加工品を与えない」

「エビフライ」

エビフライに限らず、ワンちゃんに揚げ物は厳禁です。
脂質の取りすぎとなって、肥満や下痢の原因となります。

「エビチリ」

エビチリには、チワワのNG食材のネギ類が使われていいます。
また、豆板醤が使われており、刺激が強すぎます。
また味付けも濃く、多量の塩分を含み、チワワの健康を害してしまいます。
基本として、人間用の味付けがされた加工品は全てNGです。
また、濃い味に慣れさせてしまうと、チワワは薄味のドッグフードを食べてくれなくなってしまいます。

「エビせんや桜エビのふりかけ」

人間用の加工品は味が濃くて、塩分や油分が多量に含まれているためNG。
なお桜エビは、通常消化の悪い殻ごとふりかけとなっています。
このため消化不良を起こして、下痢や嘔吐を起こす原因となってしまいます。