チワワにエシャロットを食べさせてはダメ!理由や注意点と対処法

エシャロットは、主にヨーロッパ地方の料理で使われている野菜です。
肉や魚の臭みけしとして使われ、重宝されている野菜でもあります。
フランス料理では、刻んでソースに使われることも多い。

日本ではまだあまり馴染みのないエシャロットのため、よく似た名前の野菜の「エシャレット」と混同している方もみえるかもしれません。
エシャレットは、ビールのお供として人気な「らっきょう」を早摘みしたものなので間違えないようにしましょう。

エシャロットは中央アジアが原産地で、玉ねぎの変種として生まれた植物。
ワンちゃんが食べてはダメな食べ物の代表格である玉ねぎの変種なわけだから、当然エシャロットは、チワワに食べさせてはダメな野菜となるわけです。

エシャロットは、何と奈良時代には伝わっていたそうですが、世間に知られだしたのはつい最近のことです。
現在、日本国内ではほぼ生産されていません。
ほとんどが輸入品で、うち約40%がフランスからの輸入となっています。

チワワにエシャロットを与えてはダメな理由

シャロットをチワワに与えてはいけない理由は、「有機チオ硫酸化物」という中毒成分が含まれているからです。
ヘモグロビンを変化させて赤血球を破壊してしまう恐れがあります。
その結果、溶血性貧血を引き起こしてしまいます。
溶血性貧血になってしまうと、赤血球が破壊されているため、酸素が全身に行き渡らなくなって、チワワが酸欠状態になってしまいます。

酸欠状態になってしまうと、次のような症状が起こってきます。
・白目の部分が黄色く見える。
・尿の色が濃くなる。
・元気がなくなり、ぐったりしている。
・食欲が無くなる。
・呼吸があらくなって、変な息遣いになる。

さらに、破壊された赤血球からカリウムが流れ出してしまうため、高カリウム血症になってしまう危険があります。
高カリウム血症になってしまうと、細胞内の水分調節が上手くできなくなってしまいます。

そのため、筋肉の収縮や神経の働きにも悪影響が生じてしまいます。
したがって、筋力の低下を招き、体に力が入らないようになり、不整脈を起こしたりしてしまいます。
血中カリウム濃度が7mEq/Lを超える状態の重度の高カリウム血症になると、非常に危険な状態であり、心停止を引き起こすほどの重大な不整脈が起こる可能性があり、命を落とすこともあり得ます。

なお、エシャロットの中毒成分として、タマネギに含まれる「アリルプロピルジスルフィド」が紹介されているケースがありますが、アリルプロピルジスルフィドは、直接の中毒成分ではありません。
なお、アリルプロピルジスルフィドは、有機チオ硫酸化物の吸収を早める働きを行う作用もあります。

ちなみに、アリルプロピルジスルフィドは、タマネギを始めとし、ネギ・ニラなどのユリ科植物、ニンニクにも含まれています。
この成分も、特徴は赤血球を壊すことです。
もっとも危険とされるタマネギの場合、ワンちゃんの体重1kgあたり、タマネギ15gを食べてしまえば、症状が出る摂取量だとされています。

有機チオ硫酸化物は、加熱しても効果を失わないため、加熱調理してもエシャロットをチワワに与えることはできません。
また、液体にも溶け出すため、エシャロット入りのスープも厳禁です。

エシャロットの中毒量

エシャロットの中毒量は、まだよく判明していません。
ごく少量なら中毒症状が出ない場合も多いとされていますが、通常中毒が出る量は、ワンちゃんの体重と比例するのが常識です。

このため、超小型犬であるチワワなどは、ほんの一口でもリスクが伴います。
絶対チワワにエシャロットを与えないようにしましょう。
認識は、玉ねぎをワンちゃんに与えてはいけないのと同様であると思っておきましょう。

エシャロットを食べたときにおこる症状

エシャロットを愛犬が食べてしまった際に起こる中毒症状は、食べた直後に出ることはほとんどありません。
したがって、食べてしばらく様子を見ていて何事もないと安心してはいけません。
中毒症状が発生するのは、早くて1日とされ、通常は3~4日ほど経ってから症状が出だすとされています。
このあたりは、基本的にワンちゃんがタマネギを食べてしまった場合と同様の状態です。

「貧血を起こす」

エシャロットによる中毒で引き起こされるのは、通常貧血です。
このため、チワワの元気がなくなり、真っすぐ歩けずふらついたりしてしまいます。
歯ぐきや舌などの粘膜の色をチェックしてみてください。
貧血を起こしていれば、これらの色が白くなっています。
このような症状は、数日間続くことも多いです。

「嘔吐や下痢」

中毒症状の定番ですが、強い嘔吐や下痢が起こってしまいます。
起こり方はまちまちであり、食べた量などにも関係しますが、数時間後に引き起こされたり、あるいはもう大丈夫かと思った数日後に始まることもあります。

「血尿・血便」

エシャロットによる中毒の特徴として、血尿・血便がよく生じます。
これは、赤血球が破壊されることで、溶血したヘモグロビンが尿や便として排出されるためです。
ワンちゃんがエシャロットを食べてしまった後、1~2日以内に血尿・血便が生じることが多いです。

「黄疸に注意」

ヘモグロビンを変化させてしまっているために、症状が重度になれば、黄疸が引き起こされるケースもあります。
毛におおわれているワンちゃんの黄疸を確認する方法は、白目の部分を見て色をチェックすることです。
この状態になっていると、肝機能の低下が引き起こされているため、要注意です。