チワワたち犬は蟹(カニ)を食べて大丈夫?注意点や対処法

2020年3月29日

 

カニなどの甲殻類をワンちゃんに与えるのは、甲殻類アレルギーの心配もあり、ダメだとの噂も聞こえてきますが、果してどうなのでしょうね。

家のおかんは少し肉が苦手なのですが、魚介類は大丈夫で、そのためカニも高級ですが、割りとちょくちょく食卓に出ます。

ズワイガニ(松葉蟹・越前ガニ)・タラバガニ・花咲がに・毛ガニなどどの種類でも美味しいものです。

「カニ鍋」「カニしゃぶ」などまた、どんな食べ方でも最高。

もしもこんなに美味しいカニを、愛犬が食べられないとすれば残酷過ぎだよな。

今回は、チワワたちワンちゃんが、蟹(カニ)を食べて大丈夫なのか?

さらに、注意点や対処法なども見てみましょう。

 

犬は蟹を食べても大丈夫?

 

ズバリ答えれば、生だと犬の体内でビタミンB1を分解してしまう、チアミナーゼ酵素の一種である「アノイリナーゼ」が含まれているため、残念ダメです。

しかし、加熱して与えれば、「アノイリナーゼ」は破壊されるため、与えてもOKです。

ただし、犬は甲殻類へのアレルギーを持っているケースがあるため、できれば愛犬のアレルギー検査を行ってから与えるのがベストでおすすめといえます。

もしもアレルギーを持っていると、発作やけいれんなどの症状が出る可能性もあって、要注意です。

 

カニ(たらばがに)の主な栄養素

私が大好きなたらばがにを例にして、主な栄養素をチェックしてみましょう。

成分名           成分量(100gあたり)

エネルギー         64kcal

水分            84.7g

タンパク質         13.0g

ナトリウム         340mg

カリウム          280mg

リン            220mg

亜鉛            3.2mg

銅             0.3mg

ビタミンB6         14mg

ビタミンB12        5.8μg

ビタミンC                      1mg

葉酸                21μg

ナイアシン         2.1mg

参照:食品成分データベース(文部科学省)

 

「タンパク質」

三大栄養素の一つであるタンパク質は、血液や筋肉などを作る元であり、生命維持に欠かせない重要な栄養素です。

また、エネルギー源としても活躍してくれます。

 

「ビタミンB12」

ビタミンB12は、脳や神経のビタミンと呼ばれ、脳神経の働きに関与し、脳からの指令を体全体に伝える役目を担います。

また、葉酸と協力することで、赤血球の中のヘモグロビンを作る働きをします。

ビタミンB12の主な働きは以下の通り。

ビタミンB12の主な働き
・新しい細胞を作る。

・壊れた細胞を修復する。

・神経の壊れた部分を修復する。

・神経伝達物質を作る働き。

・免疫を向上する。

・血流をよくする。

「アスタキサンチン」

カニの赤い色素がアスタキサンチンです。

アスタキサンチンには、ビタミンEの1,000倍とされる強力な抗酸化作用があり、体の酸化を防いで、目や皮膚、細胞の健康を維持そ、疾病予防などに効果があります。

 

「リン」

リンはミネラルの一種で、約80%がカルシウムやマグネシウムと結合し、骨や歯を作る成分となります。

また、残りの約20%は筋肉や脳などでエネルギーを作り出す働きを行い、細胞の生命活動に欠かせない栄養素です。

リンの健康効果は以下の通り。

リンの健康効果
・骨や歯を丈夫にする

・エネルギーを作って蓄える

・神経や筋肉の機能を正常に保つ

なお注意点もあります。

それは、リンを過剰摂取してしまうと、カルシウムを奪ってしまうことです。

だから、骨が弱くなったり、腎臓の負担も招いてしまうため要注意です。

 

「銅」

銅はミネラルの一種で、タンパク質と結合して体内に存在します。

銅は鉄の働きを促進し、赤血球のヘモグロビンを作るために、鉄分を必要な場所に運ぶ役割を担っており、貧血を予防する効果が期待できます。

さらに銅は、細胞間の結合組織の役割を果たし、酵素の原料にもなり、コラーゲンの生成にも欠かせない栄養素であり、丈夫な骨や皮膚の形成を助ける役割をはたします。

 

犬にカニを与える時の注意点

 

「生で与えない」

カニなどの生の甲殻類は、チアミナーゼ酵素の一種である「アノイリナーゼ」というビタミンB1を分解する酵素を含んでおり、注意が必要です。

そのため、アノイリナーゼを多く摂取してしまうと、ビタミンB1欠乏症が生じてしまいます。

アノイリナーゼは熱に弱い性質があり、加熱すれば活力を失うため、カニを加熱処理すれば危険はありませんが、生のカニをたくさん食べしまうと要注意です。

なお、カニはアレルゲンとなりやすい食べ物なので、加熱しても大量に与えるのは止めておきましょう。

ビタミンB1欠乏症の特徴は、次の通り。

ビタミンB1欠乏症の特徴
・食欲不振

・発育障害

・体重減少

・おう吐

・よだれが多く出る

・ふらつき

・元気がなくなる

・けいれん発作

・運動障害

・心室肥大

・徐脈

神経系にも影響を及ぼすため、中枢神経機能の低下、衰弱の症状もあらわれます。

通常のケースであれば、動物病院に連れて行って治療すれば、1日もあれば回復が見込めます。

ただし、甘く見てもいけません。

子犬や老犬、小型犬などの抵抗力が弱いワンちゃんが、生のカニを大量摂取してしまい、チアミン欠乏に陥った場合、最悪のケースでは死に至るケースもありえます。

ビタミンB1欠乏症の皆さんお馴染みの病名を上げれば、「脚気(かっけ)」です。

よく病院で、足の膝のお皿の下の部分を叩かれて、足が跳ね上がるかの反射検査をされた経験があるはずです。

脚気は江戸時代には、「江戸患い」と呼ばれて大流行しました。

江戸時代からお米を精米して食べる習慣が始まり、ビタミンB1を多く含む米ぬかを抜いてしまったことから生じたのです。

ちなみに、カニの他にも次のような食材には「アノイリナーゼ」を多く含んでいるので注意しましょう。

エビ・シャコなどの甲殻類や魚介類。特に二枚貝は要注意。

また、ワラビ・ゼンマイなどのシダ類にも含まれています。

 

「殻やスジ(腱)に注意」

カニの固い殻なんて食べないだろうと甘く見てはNG。

犬は骨だって噛み砕いて食べてしまいます。

したがって、殻やスジ(腱)などは与えないように注意しましょう。

殻や腱は消化できないため、消化不良を引き起こし、吐いたり、最悪腸閉塞などを起こす可能性もあります。

また、殻には尖っている部分があり、口腔内や喉、胃腸などの消化器官を痛めてしまう恐れがあります。

 

「与え過ぎない」

カニは基本、消化が難しい食べ物だと認識して、与えすぎないように注意してください。

加熱してもさほど消化しやすくはなりません。

このため、与え過ぎてしまえば消化不良を起こし、嘔吐や下痢の原因に繋がります。

おやつ程度の感覚を持ち、少量を与えるようにしておくのがおすすめといえます。。

 

「味付けしない」

人間の場合、つい何か味付けしてしまいますが、ワンちゃんには味付けはNG。

そのまま素直に、カニを焼いたりゆでたり加熱したものを与えてください。

もちろん、カニを茹でる際に、塩茹でにするのは厳禁。

犬にとっては塩分の摂り過ぎとなってしまいます。

そのため、特に蟹鍋などは人間用に調理したものを与えずに、愛犬専用に別に作ってあげるのがおすすめです。

人間用だと、味付けはもちろん、ワンちゃんにとっては与えるべきでない、ネギなどを一緒に煮込んでおり、エキスが出ている場合もあり、注意が必要となるためです。

 

「甲殻類アレルギーに注意」

人間と同じように犬も、甲殻類にアレルギー反応を示す場合があります。

・下痢や嘔吐

・皮膚の痒み

・元気がなくなる

・目の充血

このような症状が出てしまいますが、アレルギーはカニを摂取後すぐに症状が現れるとは限らず、1週間後、それこそ1カ月後という場合もあると認識しておきましょう。