チワワが鳥の骨を食べるのは危険！安全という説もあるがどっちなの？
ワンちゃんは鳥肉のみならず、鳥の骨も大好物なわけです。
しかし愛犬が鳥の骨を食べるのは危険だと、よく耳にするのも事実です。
また、反対に愛犬が鳥の骨を食べても大丈夫だとする噂があるのも本当です。
たしかに、昔はワンちゃんはハントして小動物を捕まえて丸ごと食べていました。
こう考えれば、当然骨も食べていたはずであり、大丈夫そうにも思えてきてしまいます。
今回は、チワワがはたして鳥の骨を食べても大丈夫なのかどうかについて紹介していきます。
鳥の骨が胃などに刺さったりするのは事実
鳥の骨が、喉や胃などに刺さる危険があるから与えてはいけないと言っているのは、実際にそのような事例があるからです。
事実私の友人も、愛犬のミニチュアシュナウザーが鳥の骨を食べてしまって、実際に胃に刺さってしまった経験を持っています。
友人の話では、愛犬が大量に手羽先の骨を食べてしまったとのことです。
その後、明らかに異変が生じ出したそうです。
呼吸が荒くなり、元気がなくなり、お腹を痛がる素振りが感じとれたそうです。
慌てて動物病院を受診して状況を話すとレントゲン撮影となり、胃の中に大量の骨があることが判明しました。
骨はレントゲンでは、異物として映らないケースもあるとも聞きますが、はっきり骨の存在が分かったそうです。
まあこれは実際手羽先の骨を食べてしまった以上当然の結果なのですが、問題ははたして胃に刺さっているかです。
点滴をしながら次の日まで様子を見たようです。
相変わらず愛犬は元気がなく、血液検査で異常が見られたそうです。
このため、手術決行と決まり、お腹を開け中の状態を確認したところ、見事に胃に突き刺さって貫通するような状態になっていたみたいです。
このケースのように鳥の骨は、胃に突き刺ささることが分かりました。
この時聞いた獣医師の話では、腸に詰まることもあるそうです。
腸に詰まるケースでは、他の食べた物が先に進めないため、嘔吐したり、食欲がなくなるそうです。
調理法の問題
鳥の骨が胃に刺さることがあると分かったでしょうが、実は調理法が大きな問題となってしまいます。
鳥の骨は生だと、たとえワンちゃんが噛み砕いたとして、簡単には尖った状態にはならないのです。
だから昔、チワワたちワンちゃんが、小鳥などを捕まえて丸ごと食べていても平気だったわけです。
鳥の骨は加熱すると縦に割れる性質があるため、適度に熱を加えてしまうと縦に割れる危険が高まり、胃や食道を傷付けてしまうことになり、また、腸に詰まったりして腸閉塞や腹膜炎になってしまう可能性もあります。
ただし、例えばケンタッキーフライドチキンのように高温加熱された鶏肉の骨は、噛み砕いた際にはぼろぼろ崩れてしまうことが多く、リスクは低いそうです。
しかし友人のワンちゃんは、手羽先の骨が割れて胃に突き刺さったそうであり、このようにある程度高温加熱されていても危険は伴います。
このように危険が生じるため、チワワには鳥の骨は出来れば与えない方が安全だと言えます。
また万一、愛犬に鳥の骨を食べさせたケースでは、食べた後に平気な様子であっても、数日後に急変する事態になることもあるため、数日間は注意が必要です。
鳥の骨の危険度
当然鳥の骨が胃などに突き刺さる危険度はありますが、どうもそれは稀なケースのようです。
ワンちゃんの消化管は短い上に、人間よりもはるかに強い強酸性の胃液を持っています。
そのため本来であれば、消化酵素の働きによって、骨は約5時間もあれば綺麗に消化されるはずなのだそうです。
そのため、丸飲みなどして、喉に詰まったり、刺さったりする方がリスクが高いようです。
本来骨の成分は、無機物が約70％でコラーゲン約20％、残りが水分となります。
コラーゲンが含まれていることもあり、生の鳥の骨は非常に固く、割れて先が尖るようなことはありません。
ただし、加熱することでコラーゲンが剥がれ落ち、もろくなって先が尖ったりしますが、この状態であればワンちゃんも容易にかみ砕くことができ、また消化を邪魔する成分がなくなるため、胃での消化吸収が非常にしやすい状態になりさらにリスクが下がるともいえます。
さらに、加熱処理によって菌の繁殖も抑えられており安心感が向上します。
なお、鳥の骨は縦に割れるため危険というのが定説となっていますが、実験結果によれば、豚や牛の骨と大差ない割れ方をするそうです。
どこからこのような説が生まれたのか分かりませんが、特に鳥の骨だけが危険というわけではなさそうです。
最近は骨を食べる危険性は、ワンちゃんの歯を傷つけてしまうリスクの方が高いとも指摘されています。
固い骨を食べ続けることで、歯をコーティングする成分が剥がれ落ちてしまい、そこから細菌に感染するリスクがあるそうです。
鳥の骨は危険？危険じゃない？どっち？
正直いろいろ調べていると、危険と言っていたり、ほとんど危険はないと異なる2つの見解があります。
実際にかかりつけの獣医師にもざっくばらんに聞いてみましたが、医師の立場からは、事実として鳥の骨が胃などに刺さって手術している事例がある以上、「鳥の骨は食べれば刺さる危険があります。どうしても与えたい場は、生肉の骨の方が安全です。」としか言いようがないとの返事でした。
確かに突き刺さるリスクが多少なりともある以上は、鳥の骨をチワワに与えない方が無難と言えるでしょう。
鳥の骨はワンちゃんの好物の一つでしょうが、他に美味しいものはいくらでもありますからね。