チワワにびわを与えて大丈夫?メリットと与え方や注意点!
びわの木はうちの庭にはえており、そのためびわは私にとって馴染み深い果物です。
初夏になると実がなり、季節感を感じさせてくれる果物といえます。
ビワのおもな産地は亜熱帯や温帯地域であり、このため日本では、千葉県より北では本格的な栽培は行われていないとされています。
卵のような形をしており、色はオレンジです。
びわは栄養に溢れ、「大薬王樹」(だいやくおうじゅ)という名で知られるように、昔から薬効を持つとされて重宝がられてきました。
また、ビワの葉は、お灸に活用することができます。
ビワの葉を敷いてその上からお灸をすることで、びわの葉エキスを温灸にプラスすることができ、乾熱温灸より一層血行促進の効果が期待できます。
お灸は犬にも効果があり、お灸を取り入れている動物病院やサロンもあるほどです。
このように栄養満点で美味しいびわを、愛犬に与えたいと思う方も多いはずですが、果して大丈夫でしょうか?
チワワにびわを食べさせても大丈夫?
答えは大丈夫です。
びわにはβカロテンやβクリプトキサンチンなどの有効成分が含まれており、犬の健康にも有効です。
ただし、種などびわの実以外の部分には、毒性があるため、与え方には注意が必要です。
びわは傷みやすい果物とされており、衝撃や傷などを与えるとすぐいたんでしまいます。
新鮮なびわの見分け方は次の通りです。
・ヘタがしっかりしていること
・表面にハリがあって、型崩れしていないこと
・色ムラがなく、全体が黄橙色をしていること
・表面に産毛がついていれば新鮮な証拠です
びわに含まれる成分
実際にどのような成分がびわに含まれているのか紹介します。
びわの成分(100gあたり)
成分 含有量
エネルギー 40kcal
水分 88.6g
タンパク質 0.3g
脂質 0.1 g
炭水化物 10.6 g
カリウム 160 mg
カルシウム 13mg
マグネシウム 14mg
リン 9mg
鉄 0.1 mg
亜鉛 0.2 mg
ビタミンB2 0.03mg
ビタミンB6 0.06mg
ビタミンC 5 mg
葉酸 9μg
食物繊維 1.6 g
びわの主な栄養素
「β-カロテン」
β-カロテンは抗酸化作用があり、有害な活性酸素を消去してくれて免疫力をUPさせ、がん予防に期待が持てます。
チワワの体内で酵素によってビタミンAに変わります。
また、必要に応じてビタミンA不足を補うかたちで変換するため、よく言われる中毒や過剰症などを引き起こす心配はありません。
ビタミンAは、網膜細胞のロドプシンの原料となり視力に役立ち、また皮膚、喉、鼻などの粘膜を正常に保ち、皮膚が入れ替わるターンオーバーも促進し毛並みが良くなり、健康維持に効果を発揮します。
「β-クリプトキサンチン」
びわはβ-クリプトキサンチンを豊富に含みます。
β-クリプトキサンチンはカロテノイドの一種であり、活性酸素を除去する抗酸化作用や、発がん抑制作用が強く、癌の予防にも有効です。
「クロロゲン酸」
ポリフェノールの1種であるクロロゲン酸もびわには豊富です。
細胞膜やDNAを保護する作用が働き、発癌予防物質としても期待できます。
また、ストレスを減らしてくれる効果もあります。
「カリウム」
びわにはカリウムが160 mgも含まれています。
カリウムは、代謝や神経の働きをサポートすることで、情報を正しく伝達してくれ、体の中の不要な水分や塩分を体外に排出してくれます。
また、高血圧の予防にも効果を発揮します。
カリウムが不足すると、脱力感が生じ、神経過敏となり、不整脈などを発症しやすくなります。
犬の健康を維持する上でカリウムは、欠乏しても過剰になっても悪影響を与えてしまいます。
「アミグダリン」
アミグダリンは、特にガン細胞に対する抗ガン作用が働き、注目を浴びています。
アミグダリンを分解酵素のβ-グルコシダーゼが分解させる際に、ガン細胞も死滅させる効果があるとされています。
また、ガン以外の正常な細胞に対しては、活性作用をもたらし、血液をアルカリ化してくれます。
さらに素晴らしい鎮痛作用もあるといいます。
「豊富な水分」
びわは水分が88.6gもあります。
このためあまり水を飲まないワンちゃんや、脱水が心配な老犬などにはよい水分補給となります。
びわが出回る時期も、5~6月頃と丁度暑くなり出す頃合いのためもってこいです。
チワワにびわを食べさせる時の注意点
「与え過ぎに注意」
びわに限らず甘い果物は、糖分も多くなりがちのため、食べ過ぎると肥満はもちろん、歯周病、糖尿病の原因になりがちです。
少し与えただけと感じても、体格が小さいワンちゃんには想像以上に影響を与えてしまうものです。
1度に与える量は、10g程度までにしておきましょう。
「種は絶対に食べさせてはダメ」
ビワの種や未成熟のびわには「アミグダリン」という成分が多く含まれており、犬が食べてしまうと中毒症状を引き起こしてしまう可能性があるとされています。
アミグダリン自体は問題ありませんが、体内で加水分解されることで、青酸系の猛毒であるシアン化水素という物質に変化するため要注意です。
アミグダリンは主に、ビワ、梅、杏子(あんず)、モモなどのバラ科植物の未成熟な果実や種子、葉などに含まれており、みなさんもよく「青梅を生で食べてはいけない」と注意されたことがあるはずです。
アミグダリンの主な中毒症状は次の通りです。
・発熱
・歩行困難
・意識障害吐
上記のように、軽い症状だと下痢や嘔吐、重い症状になると昏睡状態などを引き起こし、最悪の場合では、死に至ってしまう可能性もあるそうです。
このため、愛犬にびわを与える際には、必ず種を取り除いてください。
また問題となるケースが、散歩コースにびわはもちろん、梅、ビワ、あんず、モモがある場合です。
ワンちゃんは拾い食いが得意技のため、道端などで落ちているこれらの未成熟な果実、種、葉などを愛犬が食べないように十分注意を払ってください。
「外側の皮を剥いてあげる」
ビワの一番外側の皮は消化によくないので、面倒ですが必ず皮を剥いてから愛犬に食べさせましょう。
外側の皮を食べさせてしまうとワンちゃんは消化不良を引き起こし、下痢や嘔吐の原因となってしまいます。
「アレルギーに注意」
ワンちゃんは初めて食べるのもであれば、何でもアレルギーが出る可能性があります。
このため、初めてチワワにびわを与える際には極少量として、よく注意して与えましょう。
与えてから、数時間はチワワから目を離さず様子を観察してください。
口や目のまわりを痒がる素振りが見えたり、元気がなくなるなど普段と少しでも違った様子が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。
皮膚が赤くなり、湿疹、じんましんが出たり、目の充血や嘔吐や下痢の症状があれば、すぐに動物病院を受診してください。
びわの種類
びわにはいろんな種類があるので、主な種類を簡単に見ていきましょう。
「茂木(もぎ)」
茂木は、西日本におけるビワの代表です。
果重は40~50g程度と少し小ぶりであり、甘味はやや強めで酸味は控えめです。
5~6月頃がシーズンとされ、おもな産地は長崎県や鹿児島県、香川県などで。す
「長崎早生(ながさきわせ)」
特徴は、早ければ1月頃にも出荷されることです。
寒さに弱い品種のためハウス栽培されることが多く、そのため通常の露地ものよりも2ヶ月ほど早く店頭に並びます。
果重は 40~60g程度です。
長崎早生は、茂木」と「本田早生」の交配で、1976年(昭和51年)に登録されています。
「田中」
植物学者である田中氏が、1879年(明治12年)頃に、長崎のビワの種を自宅にまいて育成したのが始まりとされています。
釣り鐘形のような形の果実で、果重は60~80g程度です。
甘味は強く、酸味も適度にあり、シーズンは6月頃です。
「大房(おおぶさ/たいぶさ)」
千葉県の富浦町で多く生産されている品種です。
名前の通り、大きなサイズだと100g前後もあります。
1967年(昭和42年)に「田中」×「楠」として誕生しました。
寒さに強いのが特徴であり、「ビワ栽培の北限」といわれている千葉県でもよく育つ品種です。
「なつたより」
2009年(平成21年)に品種登録されたビワであり、「長崎早生」×「福原早生」で生まれました。
サイズは60g前後で、味は甘味は強めで酸味は控えめです。
「瑞穂(みずほ)」
1936年(昭和11年)に「楠」×「田中」として誕生した品種です。
サイズは100g前後と大きく、味はほどよい甘味と適度な酸味があります。
主産地は千葉県であり、薄い緑色の小さな斑点が出ることもあもあるのが特徴です。
「涼風(すずかぜ)」
1999年(平成11年)に、「楠」と「茂木」を交配して誕生しました。
果重は50~60g前後です。
糖度が高く酸味が少ないのが特徴です。
「土肥(とい)」
静岡県土肥地域特産の白いビワです。
果重は30~40gと小粒で、食べられる部分は少なめです。
風雨に弱く傷つきやすい品種のため、市場にはあまり出回らず、お酒やゼリー、ジャムなどの加工品として活躍しています。
「白茂木(しろもぎ)」
長崎県果樹試験場において、「茂木」の種子に放射線を照射し、突然変異を誘発して作られた品種で、1982年(昭和57年)に品種登録されました。
卵形で果重は40~60gです。
肉質がやわらかくて、多汁なのが特徴です。
「希房(きぼう)」
希房は新品種の「種なしビワ」です。
親は「田中」×「長崎早生」で、邪魔な種がなく画期的な品種として注目されていますが、まだ生産数が少ないので、残念ながら見かけることはあまりありません。
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