チワワたち犬は鱈(たら)食べて大丈夫?注意点やメリットは

2020年3月29日

鱈はほとんどの種類が、北半球の寒帯・亜寒帯の冷たい海に分布する白身の海水魚です。

魚偏に「雪」と書き、「雪」という字が添えられているのは、雪が降る頃に脂が乗り美味しくなるという理由や、加熱した際にその身が雪のように白くなることなどが由来とされています。

また、大きな口を開けて見事に他の生物を捕食することから、「大口魚」と呼ばれたり、非常に貪欲なため、そこから腹いっぱい食べることの例えとして、「たらふく(鱈腹)」の語源となったとも言われています。

とにかく鱈は、冬のお鍋には欠かせない魚ですね。

私も大好きなのですが、もしもワンちゃんが食べられないとすれば、悲しすぎますね。

はたしてワンちゃんは、鱈を食べても大丈夫なのでしょうか?

 

チワワに鱈(たら)を与えて大丈夫?

 

答えは、犬に鱈は食べさせても大丈夫です。

鱈は白身魚のため、青魚や赤身魚に比べるとアレルギーも起こりにくく、犬にはオススメな有益な魚といえます。

アレルギーを起こしにくい理由は、じんましんなどを起こしてしまう原因となる、ヒスチジンの含有量が非常に少ない魚だからです。

また、脂質が少なく、身が柔らかくほぐれやすいため、消化もしやすいメリットもあります。

このため、ダイエット食や糖尿病などの食事にもよく活用されます。

さらに人間の赤ちゃんの離乳食などにもよく利用されています。

 

鱈(すけとうだら)の主な栄養素

成分名           成分量(100gあたり)

エネルギー         83kcal

水分            81.6g

タンパク質         14g

ナトリウム         100mg

カリウム          350mg

リン            180mg

亜鉛            0.5mg

銅             0.03mg

ビタミンB6         0.09mg

ビタミンB12        2.9μg

ビタミンC                     1mg

葉酸              12μg

ナイアシン         1.4m

参照:食品成分データベース(文部科学省)

 

「タンパク質」

三大栄養素の一つであるタンパク質は、血液や筋肉などを作る元であり、生命維持に欠かせない重要な栄養素です。

また、エネルギー源としても活躍してくれます。

 

「ナイアシン」

ナイアシンは、ビタミンB3とも呼ばれ、基本的には肉や魚に多く含まれている成分です。

糖質、脂質、タンパク質の代謝に欠かせない成分であり、循環系、消化器系、神経系などの働きをサポートしてくれます。

 

「ビタミンB12」

ビタミンB12は、脳や神経のビタミンと呼ばれ、脳神経の働きに関与し、脳からの指令を体全体に伝える役目を担います。

また、葉酸と協力することで、赤血球の中のヘモグロビンを作る働きをします。

ビタミンB12の主な働きは以下の通り。

・新しい細胞を作る。

・壊れた細胞を修復する。

・神経の壊れた部分を修復する。

・神経伝達物質を作る働き。

・免疫を向上する。

・血流をよくする。

 

「カリウム」

カリウムはミネラルの一つであり、ナトリウムと協力して細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があります。

ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制して、体内の不要なナトリウムを輩出して、細胞内の浸透圧を維持します。

そのため血圧を下げるのを手助けしてくれて、高血圧の予防やむくみの解消に効果的です。

また、余分なナトリウムを排出することにより、神経刺激の伝達を高め、筋肉機能の調節、心臓機能などに効果を発揮してくれます。

また、疲労回復にも良い効果を与えてくれます。

なお、カリウムは欠乏すると「低カリウム血症」を発症し、子犬が情動不安になったり、筋麻痺などの例が報告されています。

また、過剰摂取してしまうと「高カリウム血症」の原因にもなるため、適量摂取に心がける必要があります。

 

「必須アミノ酸が豊富」

鱈には、犬が必要とする10種類の必須アミノ酸の全てが含まれています。

マダラ生100gあたりに含まれる数値。

マダラ生100gあたりに含まれる数値
・フェニルアラニン:640

・イソロイシン:690

・ロイシン:1300

・スレオニン(トレオニン):730

・バリン:780 ・ヒスチジン:440

・トリプトファン:180

・リジン(リシン):1500

・メチオニン:530

・アルギニン:1100

 

「ヨウ素」

ヨウ素は鱈に豊富に含まれ、犬の甲状腺ホルモンを合成する作用が働く栄養素です。

欠乏してしまうと、甲状腺ホルモンが低下し、脱毛したり元気がなくなったり、繁殖力が低下するなどの影響が生じます。

なお、反対に過剰摂取すると、通常は尿として排出されますが、急性の甲状腺機能障害を引き起こしてしまう可能性もあります。

 

「セレン」

セレンはミネラルの一種で、強い抗酸化作用を働き、免疫力の向上を促し、老化防止に役立ちます。

ガン予防の効果も高く、さらに白内障、心臓病、アレルギーなどいろいろな病気に効果の期待がもてます。

セレンが不足すると食欲の低下を招き、さらに呼吸困難になったりすることがあります。

 

犬に鱈(たら)を与える時の注意点

 

「加熱する」

鱈は鮮度が落ちやすい魚のため、基本生食はせず、加熱して食べさせるのがおすすめです。

また、アニサキスやニベリニアという寄生虫が付着していることもあるため、注意が必要です。

 

「生鱈を選ぶ」

スーパーなどで、注意せずに選んでしまうと、生鱈ではなく、もしかすると塩鱈かもしれません。

普通にスーパーでは、塩鱈も多く販売されているため、しっかり確認して、塩鱈ではなく生鱈選ぶように注意してください。

 

「身は細かくほぐす」

鱈は、脂分が少ない魚のため、意外に身がパサつきやすい特徴があります。

このため身を細かくほぐしたり、すり潰すなどして与えてあげないと、喉に詰まらせてしまう恐れがあります。

 

「加工品に注意」

人間用のおつまみ鱈やチーズ鱈など、多くの加工品が販売されています。

これらの鱈の加工品には、塩分や調味料、保存料などが多く添加されているため、犬には食べさせないように注意してください。

また、犬のやつとして鱈を使った商品もいろいろと販売されています。

例えば、鱈を中骨ごと干した形でのジャーキーなどがあり、これなどかなり硬いため、子犬や老犬には注意が必要。

例え犬用のおやつであっても、鵜呑みにせずに注意を払う必要もあります。

 

「アレルギーに注意」

どのような食べ物でも、初めて愛犬に与える時には、常にアレルギーに注意すべきです。

鱈はアレルギーを起こしにく魚とされていますが、それでもアレルギー症状が出るワンちゃんがいます。

このため、初めて愛犬に鱈を食べさせるときは、極微量与えることがまずは常識。

そしてしっかり、チワワに変化が何か生じないか観察します。

元気がなくなるなど、少しでも気になる変化が感じられた時には、それ以上与えないようにしてください。

アレルギーが起こったケースでは次のような症状が起こります。

・目の充血

・体を痒がる

・湿疹、じんましんが出る

・嘔吐、下痢など