チワワたち犬は蟹(カニ)を食べて大丈夫?注意点や対処法
カニなどの甲殻類をワンちゃんに与えるのは、甲殻類アレルギーの心配もあり、ダメだとの噂も聞こえてきますが、果してどうなのでしょうね。
家のおかんは少し肉が苦手なのですが、魚介類は大丈夫で、そのためカニも高級ですが、割りとちょくちょく食卓に出ます。
ズワイガニ(松葉蟹・越前ガニ)・タラバガニ・花咲がに・毛ガニなどどの種類でも美味しいものです。
「カニ鍋」「カニしゃぶ」などまた、どんな食べ方でも最高。
もしもこんなに美味しいカニを、愛犬が食べられないとすれば残酷過ぎだよな。
今回は、チワワたちワンちゃんが、蟹(カニ)を食べて大丈夫なのか?
さらに、注意点や対処法なども見てみましょう。
犬は蟹を食べても大丈夫?
ズバリ答えれば、生だと犬の体内でビタミンB1を分解してしまう、チアミナーゼ酵素の一種である「アノイリナーゼ」が含まれているため、残念ダメです。
しかし、加熱して与えれば、「アノイリナーゼ」は破壊されるため、与えてもOKです。
ただし、犬は甲殻類へのアレルギーを持っているケースがあるため、できれば愛犬のアレルギー検査を行ってから与えるのがベストでおすすめといえます。
もしもアレルギーを持っていると、発作やけいれんなどの症状が出る可能性もあって、要注意です。
カニ(たらばがに)の主な栄養素
私が大好きなたらばがにを例にして、主な栄養素をチェックしてみましょう。
成分名 成分量(100gあたり)
エネルギー 64kcal
水分 84.7g
タンパク質 13.0g
ナトリウム 340mg
カリウム 280mg
リン 220mg
亜鉛 3.2mg
銅 0.3mg
ビタミンB6 14mg
ビタミンB12 5.8μg
ビタミンC 1mg
葉酸 21μg
ナイアシン 2.1mg
「タンパク質」
三大栄養素の一つであるタンパク質は、血液や筋肉などを作る元であり、生命維持に欠かせない重要な栄養素です。
また、エネルギー源としても活躍してくれます。
「ビタミンB12」
ビタミンB12は、脳や神経のビタミンと呼ばれ、脳神経の働きに関与し、脳からの指令を体全体に伝える役目を担います。
また、葉酸と協力することで、赤血球の中のヘモグロビンを作る働きをします。
ビタミンB12の主な働きは以下の通り。
・壊れた細胞を修復する。
・神経の壊れた部分を修復する。
・神経伝達物質を作る働き。
・免疫を向上する。
・血流をよくする。
「アスタキサンチン」
カニの赤い色素がアスタキサンチンです。
アスタキサンチンには、ビタミンEの1,000倍とされる強力な抗酸化作用があり、体の酸化を防いで、目や皮膚、細胞の健康を維持そ、疾病予防などに効果があります。
「リン」
リンはミネラルの一種で、約80%がカルシウムやマグネシウムと結合し、骨や歯を作る成分となります。
また、残りの約20%は筋肉や脳などでエネルギーを作り出す働きを行い、細胞の生命活動に欠かせない栄養素です。
リンの健康効果は以下の通り。
・エネルギーを作って蓄える
・神経や筋肉の機能を正常に保つ
なお注意点もあります。
それは、リンを過剰摂取してしまうと、カルシウムを奪ってしまうことです。
だから、骨が弱くなったり、腎臓の負担も招いてしまうため要注意です。
「銅」
銅はミネラルの一種で、タンパク質と結合して体内に存在します。
銅は鉄の働きを促進し、赤血球のヘモグロビンを作るために、鉄分を必要な場所に運ぶ役割を担っており、貧血を予防する効果が期待できます。
さらに銅は、細胞間の結合組織の役割を果たし、酵素の原料にもなり、コラーゲンの生成にも欠かせない栄養素であり、丈夫な骨や皮膚の形成を助ける役割をはたします。
犬にカニを与える時の注意点
「生で与えない」
カニなどの生の甲殻類は、チアミナーゼ酵素の一種である「アノイリナーゼ」というビタミンB1を分解する酵素を含んでおり、注意が必要です。
そのため、アノイリナーゼを多く摂取してしまうと、ビタミンB1欠乏症が生じてしまいます。
アノイリナーゼは熱に弱い性質があり、加熱すれば活力を失うため、カニを加熱処理すれば危険はありませんが、生のカニをたくさん食べしまうと要注意です。
なお、カニはアレルゲンとなりやすい食べ物なので、加熱しても大量に与えるのは止めておきましょう。
ビタミンB1欠乏症の特徴は、次の通り。
・発育障害
・体重減少
・おう吐
・よだれが多く出る
・ふらつき
・元気がなくなる
・けいれん発作
・運動障害
・心室肥大
・徐脈
神経系にも影響を及ぼすため、中枢神経機能の低下、衰弱の症状もあらわれます。
通常のケースであれば、動物病院に連れて行って治療すれば、1日もあれば回復が見込めます。
ただし、甘く見てもいけません。
子犬や老犬、小型犬などの抵抗力が弱いワンちゃんが、生のカニを大量摂取してしまい、チアミン欠乏に陥った場合、最悪のケースでは死に至るケースもありえます。
ビタミンB1欠乏症の皆さんお馴染みの病名を上げれば、「脚気(かっけ)」です。
よく病院で、足の膝のお皿の下の部分を叩かれて、足が跳ね上がるかの反射検査をされた経験があるはずです。
脚気は江戸時代には、「江戸患い」と呼ばれて大流行しました。
江戸時代からお米を精米して食べる習慣が始まり、ビタミンB1を多く含む米ぬかを抜いてしまったことから生じたのです。
ちなみに、カニの他にも次のような食材には「アノイリナーゼ」を多く含んでいるので注意しましょう。
エビ・シャコなどの甲殻類や魚介類。特に二枚貝は要注意。
また、ワラビ・ゼンマイなどのシダ類にも含まれています。
「殻やスジ(腱)に注意」
カニの固い殻なんて食べないだろうと甘く見てはNG。
犬は骨だって噛み砕いて食べてしまいます。
したがって、殻やスジ(腱)などは与えないように注意しましょう。
殻や腱は消化できないため、消化不良を引き起こし、吐いたり、最悪腸閉塞などを起こす可能性もあります。
また、殻には尖っている部分があり、口腔内や喉、胃腸などの消化器官を痛めてしまう恐れがあります。
「与え過ぎない」
カニは基本、消化が難しい食べ物だと認識して、与えすぎないように注意してください。
加熱してもさほど消化しやすくはなりません。
このため、与え過ぎてしまえば消化不良を起こし、嘔吐や下痢の原因に繋がります。
おやつ程度の感覚を持ち、少量を与えるようにしておくのがおすすめといえます。。
「味付けしない」
人間の場合、つい何か味付けしてしまいますが、ワンちゃんには味付けはNG。
そのまま素直に、カニを焼いたりゆでたり加熱したものを与えてください。
もちろん、カニを茹でる際に、塩茹でにするのは厳禁。
犬にとっては塩分の摂り過ぎとなってしまいます。
そのため、特に蟹鍋などは人間用に調理したものを与えずに、愛犬専用に別に作ってあげるのがおすすめです。
人間用だと、味付けはもちろん、ワンちゃんにとっては与えるべきでない、ネギなどを一緒に煮込んでおり、エキスが出ている場合もあり、注意が必要となるためです。
「甲殻類アレルギーに注意」
人間と同じように犬も、甲殻類にアレルギー反応を示す場合があります。
・下痢や嘔吐
・皮膚の痒み
・元気がなくなる
・目の充血
このような症状が出てしまいますが、アレルギーはカニを摂取後すぐに症状が現れるとは限らず、1週間後、それこそ1カ月後という場合もあると認識しておきましょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません