ドッグフードのローテーションって必要なの?メリットとデメリット

 

ドッグフードのローテーションについては、賛否両論があります。

賛否両論が何故起こるかという、根本理由を考えてみることが大切となります。

それは、メリットとデメリットが存在するからに違いありません。

要はそれぞれのメリットとデメリットのどこに重点をおいて評価するかの違いにより、賛成派と反対派が生まれてくるわけです。

そこできっちりと、それぞれのメリットとデメリットを比較した上で、判定すべきとなります。

これだけ賛否両論に意見が分かれるということは、明確にどちらが正しいと言い切ることは困難であり、多分そのワンちゃんの実際の状態に鑑みて判断を下すべきだと考えられます。

できれば、それぞれのメリットを出来る限り取り入れる形で行えれば望ましいといえそうです。

 

フードのローテーションとは

 

ドッグフードローテーションとは、一般的には2種類以上のドッグフードをある程度の期間を分けながら、順番に与えていくことをいいます。

子犬・成犬・老犬と年齢別にフードを切り替えることがありますが、これは単にフードの種類を変えるだけであり、ローテーションには該当しません。

つまり、少なくても2種類以上の異なるフードを順番に食べさせる必要があります。

このため回転食などとも呼ばれ、そもそもの起こりは、人の食生活においてのアレルギーの予防対策から生まれており、これが同様に犬のアレルギーにも効果があると考えられて注目を浴び広まった食形態といえます。

 

フードローテーションのやり方

 

フードローテーションといわれても、いざ行おうとした場合、結構どうするのが良いか考えてしまうものです。

いくつか方法がありますが、一番一般的で有効な方法が、タンパク源別にローテーションする方法です。

つまり、犬にとって最も大事である動物性タンパク質に焦点を当て、タンパク源によってフードを選ぶわけです。

まずは大きく肉と魚に分けることができます。

さらに肉でも、ビーフ・チキン・ラム・馬肉・豚肉・鹿肉・ダック・ターキーといった具合に細かく分かれていきます。

現在では、かなりの種類の肉がドッグフードのメイン食材として使用されており、カンガルーなんていう新たな珍しいNew食材も開発されてきています。

当然魚もサーモンや白身魚などいろいろ分かれています。

あまり欲張って何種類も試そうとしてしまうと、ワンちゃんの負担が増えてしまいます。

最初は肉と魚からそれぞれ選ぶ当たりがおすすめです。

この際、アレルゲンとなる肉があれば、それを避けて選択していくこととなります。

その他のローテーション方法を、簡単に紹介しておきましょう。

先ほど紹介したタンパク源別をベースとして、そこに原産国別ローテを組み合わせてみるのも有効です。

やはり各国によって、特徴が出るものです。

また、一つをグレインフリーフードにしてみるなどして、愛犬の状態を比較してみるのもおすすめです。

 

フードローテーションのメリット・デメリット

 

「メリット」

フードローテーションによる主なメリットは次の通りです。

「メリット」
・栄養の偏りを防ぐ

・アレルギー対策ができる

・いろんな味に慣れられる

・使用フードが在庫切れや販売中止になっても慌てずにすむ

 

「栄養の偏りを防ぐ」

昔からよく言われているのが、フードをローテさせていろいろ取り換えることで、栄養の偏りを防ぐことが可能だとされています。

ただしドッグフードとは、「総合栄養食」と言われるように、水と一緒に摂取しさえすればすべての栄養が補える作りとなっています。

したがって、一定のレベルの栄養は、一つのドッグフードからでも補給可能となるため、必ずしも栄養面からすれば必要がないともいえます。

しかしドッグフードにはそれぞれ特徴があり、チカラを入れる目玉成分があり、それらをいくつか試せることは魅力だといえます。

例えば青魚では、肉にはないDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)などが大量に入っています。

また、プレミアドッグフードと呼ばれるようなフードであれば、栄養面も安心できますが、どうしても価格面が高くなり、そのため安価なフードを選んでしまえば、フードによってはタンパク質や脂肪が低めだったり、かさ増しで穀物が多く入っていたりし、そのようなフードを続けていれば、問題が生じてきてしまいます。

したがってこのようなケースでは、リーズナブルな価格のフードとプレミアドッグフードを混ぜてローテしてあげれば有効となります。

 

「アレルギー対策ができる」

現在花粉症で悩んでいる方は多いといえますが、去年まで平気だったのに、今年から急にダメになってしまったとするケースをよく耳にします。

これは、アレルギーの性質として体に容量の器があり、年々そこにアレルギーが溜まっていき、そのキャパシティーを超えて溢れた瞬間からアレルギー反応が起こりだすためです。

そのため、ドッグフードを継続して同じタンパク源の食材を食べ続けてしまうと、アレルギーが発生するリスクが高まり危険なのです。

このリスクをフードローテーションさせることで防ぐことができます。

また、穀類などは高アレルゲンで犬は消化が苦手な食材です。

大丈夫と感じていても、穀物がメインとなったフードを食べ続けていれば、確実に胃腸への負担を与えてしまいます。

このためにも、グレインフリーフードに変えたり、肉をメインのフードにしたりすることも大切です。

 

「いろんな味に慣れられる」

同じフードを食べ続けてしまうと、愛犬がその味に慣れてしまい、いざ他のフードを食べさせようとしても、食べてくれなくなってしまう恐れがあります。

病気になって療養食を食べる必要が生じた、老犬になりフードを変える必要が生じた。

このようなケースで食べてもらえないようでは困ってしまいます。

したがって、フードローテーションをさせて、いろいろな味に慣らせておくことは大切となります。

 

「使用フードが在庫切れや販売中止になっても慌てずにすむ」

愛用するドッグフードが、在庫切れや販売中止になってしまうこともあります。

特に外国産のフードは、ちょっとした理由で入荷が無くなることもよくあります。

このような緊急事態を招いた場合でも、ローテーションを行っていれば、他の食べ慣れたフードで補うことが可能で安心できます。

 

「デメリット」

フードローテーションによる主なデメリットは次の通りです。

デメリット
・胃腸に負担がかかる

・アレルギーが出やすい

・食いつきが悪かったり飽きやすくなる

・コストが増す

・体調不良の原因の特定が困難

 

「胃腸に負担がかかる」

フードを変えて下痢などになったという話をよく聞きます。

特に胃腸が弱いワンちゃんの場合、注意が必要です。

どうしても初めての食材を口にすると、慣れるまでは消化不良を起こしやすく、その結果、下痢・軟便・嘔吐などの症状が生じやすくなります。

このため、初めてフードを切り替える際には、いきなり全て変えてしまうような方法はNGです。

ワンちゃんの状態を確認しながら1週間以上かけて、今までの食べ慣れたフードに新しいフードを徐々に加える形で、無理せず変更していくことが大切です。

このような方法で切り替えてあげることで、胃腸への負担を減少できます。

 

「アレルギーが出やすい」

初めての食材を食べる場合、アレルギー反応が生じる恐れがあります。

このため、フードローテーションによっていろいろなフードを食べさせれば、アレルギーが出やすくなります。

したがって、新しいフードを与えるケースでは、ごく少量から始め、愛犬の様子に異常が生じないかしっかり観察してあげることが必要です。

 

「食いつきが悪かったり飽きやすくなる」

当然犬にも味の好みがあるため、中には食いつきが悪いフードもあります。

これは口コミ情報を見ていれば明白であり、どんな評判が良いフードでも、うちの子は食いつきが悪いという声があがっています。

したがって味の好みだけは個体差が生じて千差万別なわけです。

そこで注意したいのが、最初は可能な限り、少量のお試しフードがあれば試すようにしてみることです。

これで愛犬の食いつき度をチェックしてから、大丈夫であれば普通に購入してあげてください。

また、いろんな味が味わえると当然好きな味が生じ、中には「選り好み」をしたり、「わがまま」になってしまうワンちゃんもいます。

しかし割合的にはこのようなワンちゃんよりも、いろいろな味が味わえて喜ぶワンちゃんの方が多いといえます。

あなただっていくら好物といっても、毎日食べていれば飽きてきますよね。

あなたが和食、フレンチ、中華など、味が変化する方が楽しめるように、ワンちゃんだって同様です。

 

「コストが増す」

ドッグフードのローテーションをする場合、ある程度の期間で次のフードに切り替えていくため、小分けで販売されているものを選びやすくなります。

そうなれば、どうしても割高となり、その分だけコストが余分に高くかかってしまうことになります。

ただし、多頭飼いや大型犬を飼っているケースであれば、それほど神経質になる必要はないでしょう。

 

「体調不良の原因の特定が困難」

愛犬が体調不良になったケースでは、フードローテーションをしている場合、その新しいドッグフードに原因があるのか、それとも他の原因なのか、見抜くのが困難であり、原因特定に時間がかかってしまう可能性があります。

ただし、ローテフードを特定して回しだせば、そのようなデメリットも減少できます。

 

まとめ

 

今回の記事で、ドッグフードをローテーションさせることについての、メリットとデメリットについて把握できたことでしょう。

このあたりを飼い主さんがしっかり判断して、愛犬の状態を考えながらローテーションさせるかどうかを判断してみましょう。

我が家では「モグワン」をベースとして、フードローテーションを実施しています。

実際にはモグワンとあと2つのフードの3つで回しています。

1年でみれば、モグワンを6~8ヶ月、残りを他の2つのフードというイメージですね。

私は実際に愛犬へのローテーションを行い、必ずメインのベースとするフードを選び、あまり多すぎない数で行ってあげるのが良いと実感しています。