犬は黒糖(黒砂糖)を食べても大丈夫?栄養素や注意点

 

砂糖と言って普通にイメージするのが白砂糖でしょう。

しかしそれ以外にも、黒糖(黒砂糖)、三温糖、グラニュー糖(ハードシュガー)、角砂糖、きび砂糖、白ザラ糖(白双糖)、氷砂糖、和三盆なんて具合にいろんな種類があります。

見た目の違いは当然ながら、味や栄養まで結構違ってきます。

私は大学時代行きつけのサテンでマスターに、ブラックコーヒーの飲み方の一つとして、黒糖(黒砂糖)をかじりながら飲むのを教わり、ハマっていたことがあります。

黒糖は他の砂糖よりもミネラルを多く含んでおり、豊富な栄養価が魅力。

昨今の健康ブームで人気が上昇し、独特の香りと風味・まろやかな甘さに定評があります。

今回はこの黒糖を、ワンちゃんに与えても大丈夫かみていきましょう。

 

犬は黒糖(黒砂糖)を食べても大丈夫?

 

答えは大丈夫。

与える量には注意が必要となりますが、中毒になるような成分はなく、黒糖は犬も食べれる食材といえます。

黒糖の成分を見ていきましょう。

 

黒糖の主な栄養素

成分名           成分量(100gあたり)

エネルギー         356kcal

水分            4.4g

タンパク質         1.7g

ナトリウム         27㎎

カリウム          1,100㎎

カルシウム                     240mg

マグネシウム                   31mg

リン            31㎎

亜鉛            0.5㎎

銅             0.24㎎

鉄                              4.7mg

ビタミンB2         0.07mg

ビタミンB6         0.72mg

葉酸               10μg

ナイアシン         0.9m

参照:食品成分データベース(文部科学省)

 

「カリウム」

黒糖にはカリウムが豊富に含まれています。

カリウムは、代謝や神経の働きをサポートすることで、情報を正しく伝達してくれ、細胞内の水分浸透圧を正常化する効果があるため、体の中の不要な水分や塩分を体外に排出してくれます。

また、血圧を下げる働きもあり、高血圧の予防にも効果を発揮します。

カリウムが不足すると低カリウム血症」を発症し、脱力感が生じ、神経過敏となり、不整脈などを発症しやすくなり、情動不安や筋麻痺なども起こりやすくなります。

犬の健康を維持する上でカリウムは、欠乏しても過剰になっても悪影響を与えてしまいます。

 

「マグネシウム」

マグネシウムは、血圧や体温調整、神経伝達には欠かせないミネラルのひとつですが、過剰摂取には注意も必要で、尿路結石を引き起こす要因にもなってしまいます。

もちろん犬の健康維持には欠かせない成分のため、バランスよく摂取することが大切となります。

 

「リン」

リンはミネラルの一種で、約80%がカルシウムやマグネシウムと結合し、骨や歯を作る成分となります。

また、残りの約20%は筋肉や脳などでエネルギーを作り出す働きを行い、細胞の生命活動に欠かせない栄養素です。

リンの健康効果は以下の通り。

リンの健康効果
・骨や歯を丈夫にする

・エネルギーを作って蓄える

・神経や筋肉の機能を正常に保つ

なお注意点もあります。

それは、リンを過剰摂取してしまうと、カルシウムを奪ってしまうことです。

だから、骨が弱くなったり、腎臓の負担も招いてしまうため要注意です。

 

「ビタミンB6」

黒糖には、水溶性のビタミンであるビタミンB6も含まれており、脂肪肝の予防や、免疫力を強化してくれます。

また、アミノ酸の代謝に効果を発揮するビタミンです。

免疫機能を正常に保ち、アレルギー予防の効果もあります。

皮膚や髪・爪を健康に保つ働きもあります。

なお、インスリンの合成にも効果を発揮するため、糖尿病には注意が必要です。

 

「ナイアシン」

黒糖はナイアシンも含み、血液の流れを良くする作用があり、新陳代謝を活性化して皮膚や粘膜を健康に保ち、糖質・タンパク質・脂質の三大栄養素の代謝を促す酸化還元補酵素としての役目も果たします。

外線からの日焼けや、加齢によるシミやソバカスの改善効果も働きます。

さらに、二日酔いの原因であるアセトアルデヒドを分解してくれます。

 

「葉酸」

葉酸は、鉄の吸収を高める働きがあり、胎児の健全な発育に欠かせない成分です。

ビタミンCなどと同様にチワワの体内で腸内細菌によって合成されますが、必要十分な量だとは限らないため、食べ物から摂取するのが有効です。

特に、妊娠中の母犬には必要があるとされています。

葉酸には、細胞内のDNAやタンパク質の合成を助けて、胎児の先天異常を防止する効果があります。

このため、葉酸欠乏状態になってしまうと、生れてくる赤ちゃん犬が奇形になる可能性が高まります。

口蓋裂や口唇裂、脊椎披裂といった奇形に注意が必要です。

また、血液の赤血球を作る働きもあるため、葉酸欠乏になると貧血や口内炎を起こす恐れがあります。

 

黒糖(黒砂糖)とは

 

砂糖は大きく「分蜜糖」か「含蜜糖」の2つに分けられます。

分蜜糖とは、砂糖の主成分となる糖度の高いショ糖の結晶のみを取り出して作られるものであり、一方これに対して含蜜糖は、結晶と糖蜜が混合したままのものとなります。

そして黒糖は、含蜜糖の代表格といえます。

黒糖とは、さとうきびの搾り汁に中和、沈殿等による不純物の除去を行い、そのまま煮詰めて、それを冷却して製造した砂糖です。

沖縄や鹿児島名産の特産品として有名。

黒糖は、サトウキビの成分が多く残っているためミネラルが豊富であり、これが健康食材と言われるゆえんです。

 

犬に黒糖を与える時の注意点

 

「与え過ぎない」

人間も糖分は控えめにとよく言われるように、甘いものを食べて心配になるのが肥満といえます。

黒糖も356kcalと結構エネルギーがありますね。

ミネラルや糖質は他の食材からも摂取可能なため、肥満リスクの高い黒糖をわざわざ与える必要はないとも言えます。

このため与える場合はおやつ程度として、必要最低限に抑えておきましょう。

 

「ボツリヌス菌に注意」

黒糖の原料にはサトウキビが使われているため、ボツリヌス菌の芽胞が含まれる可能性があるとされています。

このため、犬に黒糖を与えることでボツリヌス症(神経中毒)が気になる飼い主さんもいそうですね。

ただし、それほど神経質になる必要はなさそうです。

ボツリヌス菌は自然界に広く存在しているため、健康な成犬であればほぼ心配は無用。

ただし、免疫力が低い子犬や老犬の場合、注意が必要となるケースもあるかもしれないと認識しておきましょう。

 

「アレルギーに注意」

ワンちゃんは初めて食べるものであれば、何でもアレルギーが出る可能性があります。

このため、初めて愛犬に黒糖を与える際には極少量として、よく注意して与えましょう。

与えてから、数時間は愛犬から目を離さず様子を観察してください。

口や目のまわりを痒がる素振りが見えたり、元気がなくなるなど普段と少しでも違った様子が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。

皮膚が赤くなり、湿疹、じんましんが出たり、目の充血や嘔吐や下痢の症状があれば、すぐに動物病院を受診してください。