チワワは柚子(ゆず)を食べても大丈夫?メリットと注意点!

 

ゆずはさわやかな香りで人気の柑橘類で、果皮をすりおろして薬味に使ったりして、様々な料理に活用されます。

また、私も大好きなのですが、「ゆず湯」として香りを楽しめます。

ゆず湯は香りが良い上に、身体を芯から温めてくれる効果も働きます。

原産地は中国の揚子江上流あたりであり、ムクロジ目ミカン科ミカン属ユズ種の果物です。

病虫害や寒さに強く栽培しやすい植物ですが、成長が遅いのが難点とされています。

日本では東北以南に生息し、高知県の馬路村が産地とて有名です。

今回はゆずをワンちゃんに与えて大丈夫なのか、またメリットと注意点について紹介します。

 

チワワにゆずを食べさせて大丈夫?

 

結論を言えば、少量であればワンちゃんはゆずを食べても大丈夫です。

しかし過剰摂取は厳禁で、食べ過ぎてしまうと中枢神経系の抑制や皮膚炎などが生じる恐れがあります。

ゆずは酸味が強いため、通常人間でも直接食べずに皮を風味づけとして使うのが普通です。

ワンちゃんにとっても、ゆずの酸味は高刺激となるため、あまり食べないようであれば無理に与える必要はありません。

犬のしつけ用のスプレーには、ゆずなどの柑橘系の果物を用いる場合もあり、犬は柑橘系の匂いが苦手なため、ゆずを好まないワンちゃんも多いかもしれませんね。

このようにどちらかといえばゆずは、犬にとっては注意点の多い食べ物といえ、積極的には犬に与えるべきではないといえます。

 

ゆずに含まれる成分

 

実際にどのような成分がゆずに含まれているのか紹介します。

 

ゆずの成分(100gあたり)

成分            含有量

エネルギー         21 kcal

水分            92.0g

タンパク質         0.5g

脂質            0.1 g

炭水化物          7.0 g

カリウム          210 mg

カルシウム         20mg

マグネシウム        11mg

リン            11mg

鉄             0.1 mg

ビタミンB2         0.02mg

ビタミンB6         0.02mg

ビタミンC                     40 mg

葉酸            11μg

食物繊維                       0.4 g

参照:食品成分データベース(文部科学省)

 

ゆずの主な栄養素

 

「クエン酸」

ゆずにはクエン酸が豊富に含まれており、同じ香酸柑橘のレモンの約3倍もの量があり、

柑橘類の中ではトップクラスの含有量を誇ります。

クエン酸には、疲労の原因である乳酸の増加を抑制・分解する働きがあり、運動後の疲労回復効果が高いのが大きな特徴です。

クエン酸の働きをクエン酸回路と呼び、体内でのエネルギーの産生の働きを活性化させる作用があります。

さらに、吸収しにくい成分を吸収しやすい形に変えて吸収させる作用や、反対にキレート効果と呼ばれる体内の有害物質を排出しやすい形に変えて排出する効果もあります。

その他にも、便秘解消・アンチエイジング・二日酔いや乗り物酔いの防止などの効果が期待できます。

ただしクエン酸は、過剰摂取してしまうと、胃の不調、中枢神経系の抑制、皮膚の炎症などが起こる恐れがあるため注意が必要です。

 

「カリウム」

ゆずにはカリウムが100gあたり210 mgと多く含まれています。

カリウムはミネラルの一つであり、ナトリウムと協力して細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があります。

ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制して、体内の不要なナトリウムを輩出して、細胞内の浸透圧を維持します。

そのため血圧を下げるのを手助けしてくれて、高血圧の予防やむくみの解消に効果的です。

また、余分なナトリウムを排出することにより、神経刺激の伝達を高め、筋肉機能の調節、心臓機能などに効果を発揮してくれます。

また、疲労回復にも良い効果を与えてくれます。

なお、カリウムは欠乏すると「低カリウム血症」を発症し、子犬が情動不安になったり、筋麻痺などの例が報告されています。

また、過剰摂取してしまうと「高カリウム血症」の原因にもなるため、適量摂取に心がける必要があります。

 

「ペクチン」

ペクチンは多糖類の一種です。

整腸作用や善玉菌を増やす働きがあり、硬い便を軟らかくして排便しやすくする働きがあります。

このため胃腸が弱い、便秘や下痢に悩んでいるワンちゃんには有効な成分です。

また、動脈硬化や心筋梗塞の原因となる、LDLコレステロールの増加を抑える作用もあります。

 

「ビタミンC」

ゆずはビタミンCを豊富に含む柑橘類です。

ビタミンCには抗酸化作用が働き、皮膚や粘膜の弾力維持にも効果があり、さらに美白効果も働きます。

紫外線による肌ダメージの回復などにも役立ち、メラニンの生成を抑制する効能もありシワやシミを予防します。

しかし、水に溶けやすく熱に弱いという特徴があるため、加熱してしまうと減少してしまい思ったより摂取しにくい成分です。

ただしビタミンCは、ワンちゃんの体内で生成される非必須ビタミンです。

 

「ナイアシン」

ゆずにはナイアシンが含まれています。

ナイアシンは、糖質・タンパク質・脂質の代謝に作用する水溶性のビタミンの一種です。

ナイアシンは別名ビタミンB3とも呼ばれ、血液の流れを良くする作用があるため、動脈硬化の予防や、栄養を広く運ぶ効果があります。

油を摂りすぎたり、人口調味料を摂取することなどによって、血液がドロドロになってしまいます。

このような状態に陥ると、血液が上手く流れずに詰まってしうために、動脈硬化の原因となってしまいます。

ナイアシンには、高コレステロールをコレステロール低下へと導く作用が働くため、ドロドロの血液の改善効果があります。

また、糖質、脂質、タンパク質の3大栄養素の代謝を行い、循環系、消化器系、神経系などの働きを補助してくれます。

さらにナイアシンは、アルコールの分解をサポートする働きがあります。

ワンちゃんは、お酒を飲むことはできませんが、二日酔いばかりしている飼い主さんには、有効な成分と言えます。

 

「パントテン酸」

ゆずに含まれるパントテン酸は、脂質や糖質、タンパク質などの代謝とエネルギーを作るために働く酵素のサポートをします。

また、ストレスを感じればその作用で血圧が上がってしまうため、特に高血圧のケースでは、

ストレスを緩和する作用が働くパントテン酸は有効です。

さらに、血中の善玉コレステロールのHDLや、ホルモン、免疫抗体を合成する作用もあります。

 

「葉酸」

ゆずには、100gあたり11μgの葉酸が含まれています。

葉酸は、緑の葉に多く含まれるビタミンの一種であり、ビタミンB12とともに造血のビタミンと呼ばれ、細胞や新しい赤血球を作り出すため、貧血を予防する効果があります。

また葉酸は、正常な遺伝情報を持つDNA細胞の生成に深くかかわり、そのため胎児の先天異常のリスクを減らしてくれます。

さらに、生まれてくる子犬の発育にも役立つため、妊娠中の母犬には積極的に摂取して欲しい栄養素です。

このため、葉酸欠乏状態になってしまうと、生れてくる赤ちゃん犬が奇形になる可能性が高まります。

口蓋裂や口唇裂、脊椎披裂といった奇形に注意が必要です。

葉酸は、ビタミンCなどと同様にチワワの体内で腸内細菌によって合成されますが、必要十分な量だとは限らないため、食べ物から摂取するのが有効です。

 

チワワにゆずを食べさせる時の注意点

 

「ソラレンに注意」

ソラレンは、ゆずなどの柑橘類の外皮に多く含まれる成分です。

光毒性があるため注意が必要です。

ソラレンには、紫外線の吸収を高めて肌にダメージをあたえる作用が働き、シミやくすみの原因となります。

このためソラレンを摂取したり、肌に付着したりすることで、皮膚の炎症を引き起こす原因になる恐れがあります。

したがって、愛犬をゆず湯に入れるのはNGであり、皮膚炎を引き起こす可能性があります。

 

「与え過ぎに注意」

ゆずは問題成分も多く含んでいるため愛犬に与え過ぎてしまうのは要注意です。

愛犬がゆずを食べ過ぎ、ソラレンやクエン酸・エッセンシャルオイルなどを多く摂取してしまうと、胃腸の不調や枢神経系の抑制や皮膚の炎症などが起こる可能性があります。

 

「アレルギーに注意」

ワンちゃんは初めて食べるものであれば、何でもアレルギーが出る可能性があります。

このため、初めてチワワにゆずを与える際には極少量として、よく注意して与えましょう。

与えてから、数時間はチワワから目を離さず様子を観察してください。

口や目のまわりを痒がる素振りが見えたり、元気がなくなるなど普段と少しでも違った様子が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。

皮膚が赤くなり、湿疹、じんましんが出たり、目の充血や嘔吐や下痢の症状があれば、すぐに動物病院を受診してください。