犬は春雨を食べても大丈夫?種類と栄養素と与え方の注意点
春雨(はるさめ)は、リョクトウ(緑豆)やジャガイモやサツマイモから採取されたデンプンを原料として作られる乾燥食品です。
凍めんとも呼ばれ、上記のデンプン原料を糊状にし、0.8~0.9mmの細い穴から熱湯中に線状に押出して作ります。
これを一定の長さに切断した後、一旦冷凍室で凍らせ、その後冷水中で溶かし、それを天日で乾燥させた食品が春雨です。
この製造過程の約1㎜の小さな穴から春雨が流れ落ちていく様子が、まるで春の雨を思わせるという意味あいから、この春雨という名前が命名されたといいます。
なお、春雨という名が付いたのは、意外にも最近であり昭和初期の頃とされています。
中国では、西暦1000年前後には既に春雨が作られていたといいます。
また、日本に春雨が伝来したのは鎌倉時代とされており、現在は奈良県が主産地で、全国生産の約6割を占めています。
さて、犬は春雨を食べても大丈夫なのか見ていきましょう。
犬は春雨を食べても大丈夫?
答えはYES大丈夫。
春雨には、特に犬に害をなすような成分は含まれておらず、与えてもOK。
次に、春雨の栄養素を見ていきましょう。
春雨(茹で)の主な栄養素
成分名 成分量(100gあたり)
エネルギー 80kcal
水分 80g
タンパク質 0g
炭水化物 19.9g
ナトリウム 1㎎
カリウム 2㎎
リン 10㎎
マグネシウム 1mg
鉄 0.1mg
食物繊維 0.8g
上記表から分かる通り、春雨は思ったよりカロリーがあり、最大の特徴がビタミン類が全く含まれていないこと。
ほとんど「炭水化物」しか含まれていないという状態ですね。
ただし、カルシウム、マグネシウム、鉄といったミネラル分は含まれています。
春雨の種類
春雨には日本産以外にも、中国産や韓国産のモノが出回っており、中国語では「粉条(フェンティヤオ)」、「粉絲(フェンス―)」、韓国では「당면(タンミョン)」と呼ばれています。
注意したいのは、各国それぞれで原材料が異なること。
「日本産」
日本産の春雨は、原料は国産のじゃがいもやサツマイモのデンプン。
この理由は、緑豆の生育には日本の気候が向いていないため。
じゃがいもとサツマイモの配合割合で、かなり食感が変わってくるのが特徴といえます。
「中国産」
中国産の場合は、主に、緑豆やえんどう豆のデンプン質から作られています。
モヤシの原料ともされるのが緑豆ですが、日本ではあまり馴染みがないとえます。
「韓国産」
サツマイモのデンプン質のみで作られるのが大きな特徴。
日本の春雨と比較した名合、より太い麺になっています。
韓国の家庭料理の定番として有名な「チャプチェ」などに使われます。
犬に春雨を与える時の注意点
「与え過ぎない」
春雨のカロリーは意外と高く、また食物繊維も含むため、愛犬に与え過ぎないように注意しましょう。
春雨は乾燥状態であれば、100gあたり約350 kcalもあり、これを茹でることで80 kcal程度まで下げることができます。
似た感じのイメージ食品である、寒天であればエネルギーは、100gあたり約3 kcal、しらたきであれば約6kcalという具合に超低カロリー。
このイメージのため、白くて透明な春雨をダイエットに利用しようと考える人が多いと聞きますが、これは大間違い。
あなたも勘違いして、愛犬に与え過ぎないように注意しましょう。
「戻し率に注意」
乾物の特徴として、水で戻した際に増加します。
この増加率のことを「増加率」と呼びますが、春雨の戻し率は4倍もあります。
したがって、少しの量にしたつもりでも、水で戻すと4倍の重量になることを認識しておく必要があります。
つい作りすぎて、その結果愛犬に多く与えてしまったなんていう、バカな失敗をしないように注意しましょう。
「必ず茹でる」
春雨を戻す基本的な方法は茹でること。
間違っても、そのまま与えるなんてことはNG。
しっかり茹でて、戻しきるように注意してください。
戻しきっていないと、春雨に芯が残っていて固い場合があるので注意が必要。
また、反対に茹ですぎるのもダメ。
特に芋デンプンの春雨であれば、熱に溶けやすい性質を持っているため、茹ですぎると溶け出しため要注意。
なお、春雨は茹でることでぐっとカロリーを下げることができます。
「主食にしない」
春雨の栄養のほとんどは炭水化物。
ビタミンなどは全く含まれていません。
したがって、春雨が主食となってしまえば栄養が偏ってしまうため、他の食材とバランス良く組み合わせることが大切。
なお、ドッグフードを与えていれば、栄養はそちらでほぼ満点なので、ほんのおやつ感覚で与えてあげれば十分。
前述した通り、春雨のカロリーは意外と高い上、食物繊維も含むため、与え過ぎは厳禁。
「アレルギーに注意」
どのような食べ物でも、初めて愛犬に与える時には、常にアレルギーに注意すべきです。
このため、初めて愛犬に春雨を食べさせるときは、極微量与えることがまずは常識。
そしてしっかり、愛犬に変化が何か生じないか観察します。
元気がなくなるなど、少しでも気になる変化が感じられた時には、それ以上与えないようにしてください。
アレルギーが起こったケースでは次のような症状が起こります。
・目の充血
・体を痒がる
・湿疹、じんましんが出る
・嘔吐、下痢など
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