チワワはビーツを食べて大丈夫?栄養素や適量や与える際の注意点

 

赤紫色をしたビーツは、皮だけでなく果肉も鮮やかな赤紫色をしています。
真っ二つに切ってみれば、断面が年輪のような感じで、同心円状になっているのが特徴です。

ほうれん草と同じ「ヒユ科」の野菜で、シュウ酸を含んでいるので注意しましょう。
煮込み料理やサラダ、酢漬けなどによく利用されます。
特有の甘みと香りがあり、欧米では一般的な野菜です。

ビーツは、手のひらにのるくらいのサイズで、直径8㎝前後のものがよいとされています。
また、葉が付いたビーツであれば、葉がみずみずしいものがオススメ。
さらに、丸みが左右均等でゆがんでおらず、綺麗な丸みをおびており、表面がなめらかで凹みや傷が少ないものがよいとされています。

今回は、チワワはビーツを食べて大丈夫なのか、また、栄養素や適量や与える際の注意点について紹介します。

チワワはビーツを食べて大丈夫?

答えは「YES」チワワはビーツを食べて大丈夫です。
ビーツはシュウ酸を含むため、茹でて、水洗いをしておきましょう。
「シュウ酸」を摂取しすぎると、ワンちゃんは、「尿路結石症」になる可能性が高くなってしまいます。
尿路結石症とは、結晶化した石が尿道に詰まってしまう病気であり、オシッコが出にくくなったり、オシッコをする際に痛みが生じます。

また、腸の中でカルシウムと結びつくことで、シュウ酸は便と一緒に体外に排出されます。
このためカルシウムを多く含んでいる食品とビーツを、一緒に食べるのがおすすめです。
さらに、ビーツを食べた後では、水分を多く摂取することで結石になりにくくなります。

ビーツの主な栄養素

成分(100g当たり)         含有量
エネルギー             41 kcal
水分                87.6g
タンパク質             1.6g
脂質                0.1g
ナトリウム             30mg
カリウム              460mg
カルシウム             12mg
マグネシウム            18mg
リン                23mg
鉄                 0.4mg
亜鉛                0.3mg
ビタミンB1              0.05mg
ビタミンB2              0.05mg
ビタミンB6              0.07mg
葉酸(ビタミンB9)           110μg
ビタミンC                5mg
食物繊維                2.7g

チワワに与える量はどれくらい

はたしてビーツは、チワワに与える適量はどの程度なのでしょうか。
もちろん適量は、チワワの健康状態や年齢、体重、運動量など様々な要因で異なってきます。
よく手作りご飯や、ドッグフードにトッピングしてあげるときの目安として言われるのが、野菜類は食事量の10%以下に抑えようということです。
これが一つの目安となります。
このため、少量を主食にトッピングする程度にしておきましょう。
あくまでもしいたけは、栄養補助として取り入れるべきであり、主食に影響がないように注意してください。
また、カロリーで表したケースでも言われる目安が、総カロリーの10%未満です。
チワワのような小型犬の場合は、本当に一口で十分でしょう。

チワワにビーツを与えるメリット

「ベタシアニン」

ビーツの赤い色は、「ベタシアニン」というポリフェノールの成分によります。
ポリフェノールは5,000種類以上もあるそうですが、ベタシアニンはビーツなどのごく一部の植物にしか含まれていないとされる、大変貴重なポリフェノールです。
抗酸化作用もトップクラスを誇り、一時期話題になったアサイーに含まれている抗酸化ポリフェノールの「アントシアニン」よりも、抗酸化力が高いといわれています。

「ナイアシン」

ナイアシンはビタミンB3とも呼ばれ、動脈硬化を予防する効果があるとして期待される成分です。
油を摂りすぎたり、人口調味料を摂取することなどによって、ドロドロの血液の人が増えています。
このような流れの悪い状態だと、血液が詰まってしまい動脈硬化を引き起こす原因となる恐れがあります。
ナイアシンを含むビーツには、ドロドロの血液の原因とされる高コレステロールを「コレステロール低下」へと導く作用が働きます。

また、糖質、脂質、タンパク質の代謝を行い、循環系、消化器系、神経系などの働きをサポートする作用が生じます。

「パントテン酸」

ビーツに含まれるパントテン酸は、糖質や脂質、タンパク質といった三大栄養素に対する代謝とエネルギーを作るのに必要な酵素をサポートします。

また、ストレスを緩和する効能が作用します。
ストレスを感じることで血圧が上がりやすくなり、脳や心臓に大きな負担をかけてしまい、特に高血圧の人の場合には、ストレスは要注意となります。

さらにパントテン酸には、血中の善玉コレステロールであるHDLや、ホルモン、免疫抗体を合成する働きがあり、動脈硬化の予防効果の期待ができます。

「葉酸」

ビーツには、100gあたり110μgの豊富な葉酸が含まれています。
葉酸は、緑の葉に多く含まれるビタミンの一種であり、ビタミンB12とともに造血のビタミンと呼ばれ、細胞や新しい赤血球を作り出すため、貧血を予防する効果があります。
また葉酸は、正常な遺伝情報を持つDNA細胞の生成に深くかかわり、そのため胎児の先天異常のリスクを減らしてくれます。
さらに、生まれてくる子犬の発育にも役立つため、妊娠中の母犬には積極的に摂取して欲しい栄養素です。

「カリウム」

ビーツには、100gあたり460mgの豊富なカリウムが含まれています。
カリウムには、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制して、ナトリウムを排泄する効果があります。
そのため血圧を下げるのを手助けしてくれて、高血圧の予防やむくみの解消に効果的です。
また、余分なナトリウムを排出することにより、神経刺激の伝達を高め、筋肉機能の調節、心臓機能などに効果を発揮してくれます。
さらに、疲労回復にも良い効果を与えてくれます。

なお、カリウムは、欠乏すると「低カリウム血症」を発症し、また、過剰摂取してしまうと高カリウム血症」の原因にもなるため、適量摂取に心がける必要があります。

「食物繊維」

食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、水溶性と不溶性の割合が1:2が理想とされています。
ビーツは両方とも含みますが、100gあたり水溶性食物繊維を0.7g、不溶性食物繊維を2gと
ほぼ理想に近い割合で含んでいます。

水溶性食物繊維は、脂質や炭水化物の吸収を遅らせる働きがあります。
このため、血糖値の上下が緩やかになり、糖尿病に効果があります。
また、水溶性食物繊維は水に溶けやすく、腸内で水分を含むとドロドロしたゲル状になり、腸壁にくっつき腸の粘膜を守ります。
さらに、便に水分を与え、便の滑りを良くする役割を果たし、便通のサポートも行ってくれます。

腸内でコレステロールなどとくっついて体外に排出されるため、悪玉コレステロールを改善してくれます。
また、善玉菌のエサになり、善玉菌の増殖をサポートして、腸内環境を良好な状態に整えて、便秘など腸トラブルの予防に効果があります。

一方不溶性食物繊維は、腸内の発がん性物質を吸着してくれるため、大腸ガンの予防効果があり、また、お腹の中で水を吸収して膨らむため、腸を刺激して蠕動運動(ぜんどううんどう)」を活発にすることで、便を外へ排出しやすくして便秘解消の効果が期待できます。

チワワにビーツを与える際の注意点

「与え過ぎない」

ビーツは食物繊維を含んでいます。
そのため、与え過ぎてしまうと消化不良を引き起こし、嘔吐や下痢を起こす原因となる恐れがあります。
チワワは食物繊維を消化できないと認識しておきましょう。
ちなみに、ワンちゃんに必要な量の計算式は、「犬の体重㎏×0.17g」となっているので、一日の摂取目安にしてみましょう。

「細かく刻む」

チワワはあまり噛まずに丸飲みする習性があるため、細かく刻むことで食物繊維を潰し消化がしやすくなります
フードプロセッサーでペースト状にしてあげれば、さらに効果的です。
大きな塊のまま与えてしまうと、チワワが喉に詰まらせる危険もあり、喉に詰まって嘔吐したり、万一呼吸困難を起こせば大事です。
その面からも、細かく刻むことはとても有効です。

「生で与えない」

ビーツはシュウ酸を含むため、生で与えずに茹でて、水洗いをしておきましょう。
熱を通すことで柔らかくなり、消化もしやすくなります。
ワンちゃんは野菜の消化が苦手なため、生で与えてしまうと、胃腸の弱い子は、お腹を壊すケースもあります。
このため、生で与えずに加熱してあげるのがおすすめです。

「アレルギーに注意」

食物はすべてアレル源になる要素を含んでいます。
このため、ビーツを食べてアレルギーを起こす子もいます。
したがってチワワに初めて与える時は、細心の注意を払い、極微量与えるようにしてください。
与えてから、数時間はチワワから目を離さず様子を観察してください。
口や目のまわりを痒がる素振りが見えたり、元気がなくなるなど普段と少しでも違った様子が見られたケースでは、アレルギーの可能性が高いです。
すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。