豚と犬の壮絶バトルって何?答えはトリュフ探し軍配はどっち

モコ

ねえビビ姉。

「トリュフ」って知ってる?

ビビ

何だいモコ。

いっちょ前に世界三大珍味の一つとされる、美味しいキノコのトリュフを知ってるのかい。

モコ

トリュフがキノコだっていうのは、リアスに聞いて知ってるけど、世界三大珍味って何?

ボクは食いしん坊だから、食べ物の情報だけは、しっかり知っておきたいんだ。

ビビもったいぶらずに早く教えてよ。

ビビ

仕方ないな。

またあたいの教養を少し披露するか。

トリュフ・キャビア・フォアグラの3つが世界三大珍味さ。

トリュフはキノコ、キャビアはチョウザメの卵、フォアグラはガチョウの肥大した肝臓さ。

モコが気にしているトリュフについて、もう少し説明しておくか。

トリュフには、黒トリュフと白トリュフがあり、人工栽培ができないから高級食材とされるのさ。

つまり日本でいう松茸のイメージだな。

日本では黒トリュフの方が一般的で、収穫時期は、12月下旬~2月末。

フランス産と中国産との間では、値段に大きな開きがあるのさ。

フランス南西部のペリゴール産のトリュフが、高級黒トリュフの代名詞だからね。

フランス産(ペリゴール産)では、100gで約35,000円。

中国産になるとこれが、100gで4,500円と、1/10近くも安くなるよ。

もちろんこれは目安だけどな。

一方白トリュフは、イタリー半島のアペニン山脈が主な産地、北イタリアのピエモンテ州アルバ産のものが最高峰とされており、収穫時期は、10月下旬~11月末。

白トリュフは保存がきかないため、ほとんどのケースですぐに生で食べてしまうことが多く、このため一層貴重なのさ。

当然こちらも目安だけど、北イタリアのアルバ産の白トリュフで、100gで 40,000円~55,000円程度かな。

モコ、凄い話を教えてあげようか。

2007年にイタリアで、重さ1.5キロという化け物級の巨大な白トリュフが掘り起こされたんだ。

その白トリュフがさ、マカオで開催された慈善オークションに出品され、落札された価格は何と驚きの22万ユーロだぜ。

当時の日本円にして、約3,600万円だぜ。

 

モコ

ひぇー参ったな。

そんな高級キノコじゃボク、きっと一生口にできないな。

リアスの収入じゃな。

でもリアスは頑張って、プレミアドッグフードの「モグワン」をボクたちに食べさせてくれているから満足さ。

ビビ

でも一体なんでモコは、トリュフになんて興味を持ったんだい?

何か意味がありそうで気になるな。

モコ

ビビ姉、それだよそれ。

ボクたち犬と豚の名誉の決闘だよ、負けられないよ。

リアスに聞いたんだけど、今トリュフ探しで、犬と豚が壮絶バトルを繰り広げているらしいんだ。

ビビ

昔からメス豚が、トリュフ探しの名人だと聞いたことがあるけど、そういえば小型犬仲間のトイ・プードルが、トリュフ犬で頑張ってるなんて噂を聞いたことがあるな。

 

ビビは相変わらず顔が広くて物知りだな。

私が少しそのあたりの事情を簡単に説明してあげるよ、いいかいモコ。

豚にトリュフを探させるようになったのは、何と古くはローマ時代からなのさ。

スペイン原産の黒豚のイベリコ豚を、森の中に放牧して「いっぱいどんぐりを食べさせ」太らせてたんだけど、このイベリコ豚のメスが、トリュフを発見するようになったのが始まりさ。

理由は簡単、トリュフには、「α‐アンドロステロール」という臭い物質が含まれているんだけど、見事にその臭いが、発情期に発するオス豚のジャコウみたいなニオイにそっくりなわけ。

これが、メス豚がトリュフを探すようになった理由さ。

でも実はここで、豚対人間の壮絶バトルが勃発するんだ。

豚はトリュフが大好物、だからせっかく見つけさせても、全部食べてしまうのさ。

これではせっかく豚に苦労してトリュフを探させても、すべてが水の泡なわけ。

だから見つけてすぐ食べようとする豚と、それを取り上げようとする人間との間でバトルが生じるのさ。

モコ

ひえー凄いな、ボク興奮してきちゃったよ。

食べ物の恨みは怖いからね。

温厚なボクだって、好きなおやつを取られそうに感じれば、唸り声出しちゃうからな。

 

さて、この壮絶バトルを制するための人間が用いる秘密兵器があるんだな。

それは「ピーナッツ」なのさ。

豚がトリュフを見つけた瞬間に、好物のピーナッツを与えて豚の気をそらし、その隙に乗じてトリュフを取り上げるという作戦。

でもそう簡単には、物事はすまないんだな。

メス豚も、オスのフェロモン香水に刺激されているから、普段と違って純情じゃなく、必死にトリュフを食べようとするから、そう簡単にいつもピーナッツ作戦が成功するわけではんだよ。

時には興奮した豚に噛まれてしまい、トリュフを反対に奪われるケースもあるそうだよ。

 

そこでそんな豚とのバトルをしなくてよいように、最近では賢く臭覚が優れたワンちゃんが、トリュフ探しに参入し出したわけなのさ。

ビビ

なるほどな、あたいらワンコは探しモノは大得意さ。

麻薬犬なんて、見事に麻薬を探しだして大活躍しているからな。

賢いあたいらワンコは、豚みたいにトリュフを食べてしまうこともないよな。

モコ

ビビ姉、ボクトリュフ犬になろうかな、そしたら高級なトリュフが少しは食べられそうじゃない。

そう考えたら、よだれが出てきたよ。

ビビ

相変わらずバカ犬だねモコは。

あんたは外が怖くて散歩すら満足に出来ないんだよ。

野山とか駆け巡れるはずがないじゃない。

 

トリュフ犬に向いている犬種として人気ナンバーワンなのが、「ボーダー・コリー」。

その他の犬種としては、小型犬種の「トイ・プードル」や、大型犬種の「ラブラドール・レトリーバー」も人気。

実は世間にはあまり知られていませんが、

「ロマーニョ・ウォーター・ドッグ」という犬がいて、別名「トリュフ・ドッグ(Truffle Dog)」の名が付くほど、トリュフ探しの名人犬で実に最適な犬なんですよ。

一度は絶滅の危機に瀕した犬種だったのですが復活して、現在はトリュフ犬を始めとして、その他では麻薬探知犬や警察犬などとしても活躍するお利巧さんです。

モコ

リアスは、ボクたちワンコと豚のバトルなんて言ってたけど、これじゃボクたちワンコの圧勝じゃない。

まあ最初から豚なんかに犬が負けるはずがないと思っていたんだボクは。

 

ところがモコよ、そう簡単には話はすまないわけさ。

当然だけど、ワンちゃんをトリュフ探しに使うには、メリット・デメリットがあるのさ。

メリットは、犬であれば豚のようにトリュフを食べてしまわないことが最大のポイント。

これに対してデメリットは、こんな具合。

 

先ずはどんなワンちゃんでも、トリュフ犬に向いているわけではないこと。

トリュフを探すための山中は、犬にとっては興味を引くものだらけなわけ。

だから、誘惑に見事に打ち勝ち、トリュフを探すことに集中出来るワンちゃんのみが、最終的にトリュフ犬になり得るのです。

さらに、適性があるワンちゃんを見つけたとしても、本能でトリュフを探す豚と違って犬の場合、調教に多大な時間と費用がかかってしまいます。

一人前となるトリュフ犬に育てるには、100万円以上の費用がかかると聞けば、誰でも腰が引けてしまいますよね。

その理由は、犬にトリュフのニオイを覚え込ませて、探すように訓練するために、10キロ相当のトリュフが必要となるため。

10キロ相当のトリュフを金額に換算すれば、ゆうに100万円以上となってしまうわけです。

こんな事情から、そう簡単にはトリュフ犬の実用化も進んでいないんですよね。

 

さてあなたであれば、この豚と犬のバトルに対して、

「費用はかからないが、トリュフを食べてしまうため、壮絶バトルを人間と繰り返すトリュフ豚か、一方トリュフを食べないが、訓練時間がかかって費用が高くつく反面、しっかり仕事をするトリュフ犬」

のどちらに軍配をあげますか?

ビビ

あたいもこんな台所事情を聴いてしまえば、なかなかどちらとも簡単には軍配をあげられないな。

でも豚ごときに負けたくないな。

 

それではここで最後にちょっと怖い話を紹介しますね。

本当はビビとモコの名誉のために、あまり話したくなかったのだけど、ばらしちゃうね。

トリュフ探しに犬を使うメリットとして、お利巧なワンちゃんならば、トリュフを食べないからと説明してきましたが、実はそんなこともなっかたりするんだよ。

トリュフの王様といえば、言わずと知れた白トリュフ。

人気値段の両方とも、黒トリュフを遙かにしのぐのが白トリュフです。

まだ日本では、馴染みが少ない白トリュフですが、実はその素晴らしいニオイの証明をワンちゃんが、自らの行動で実証してくれたりします。

黒トリュフの場合、さっさと問題なく渡してくれるワンちゃんですが、ニオイが優れる白トリュフだと、なかなかそんな単純なわけにいきません。

犬のなかには白トリュフの誘惑に負けてしまうものもあり、豚と同じく見つけた瞬間に食べてしまう犬がいます。

何と頭の良い犬さえも、一瞬で理性を失わせる恐ろしい魅力を持つのが白トリュフの媚薬の力。

見つけた白トリュフを取り上げようとして、実際にトリュフハンターの中には、飼い犬のトリュフ犬に腕を噛まれた方も少なくないそうだとか。

モコ

まさかボクたち名誉あるワンコが、豚に成り下がるとは情けないよ。ヽ(#`Д´)ノ